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兵藤るり氏が第43回(2024年度)向田邦子賞に決定!

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株式会社東京ニュース通信社
受賞作品 「マイダイアリー」(テレビ朝日=ABCテレビ制作)



向田邦子賞委員会と株式会社東京ニュース通信社が主催する、優れた脚本作家に贈られる向田邦子賞の第43回選考会が4月23日(水)に東京都内で行われ、兵藤るり(ひょうどう るり)氏の受賞が決定いたしました。受賞作は、「マイダイアリー」(2024年10月20日~12月22日放送/テレビ朝日=ABCテレビ制作)です。
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兵藤るり氏(C)東京ニュース通信社

授賞理由は、「作家性とは角度のことである。兵藤るりさんの持つ角度で丁寧に描きこまれた日常は、今まで与えられなかった光を放ちます。ドラマであまりとりあげられることのない、穏やかでささやかな登場人物たちの人生を知ることができる。一見小さな作品に見えるかもしれないが、そこには作家の大きな意志と決意を感じる。向田賞に値する脚本である。」というものです。

受賞者には本賞の特製万年筆および副賞の賞金が授与されます。

<選考委員コメント>
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選考委員・大森寿美男氏(C)東京ニュース通信社

■大森寿美男氏(第19回受賞者)
兵藤さんの脚本は、ストーリーの面白さでぐいぐい引っ張るような作品ではなくて、人と人との間にあるものを丁寧に描こうとしているというか、せりふの行間で見せるようなそういうドラマのように感じまして、それでいてとても個性的な会話劇、代わりのきかない作家性のようなものを強く感じました。それも、全体的に力みを感じないというか、それこそ日記を書くような感じで自然体にそれを表現されているというのが一番すごいなと思ったところです。これはやろうと思っても、なかなかできることではないです。本当の力がないとこういうことはできないと、シナリオを読んでいて感じました。その感性みたいなものをすごくまぶしく感じまして、ぜひこういう方がどんどんこれから活躍していけるようなドラマの世界であってほしいなとそういう願いを込めて、この賞を贈りたいと思います。

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選考委員・岡田惠和氏(C)東京ニュース通信社

■岡田惠和氏(第20回受賞者)
第43回向田邦子賞が、今日の午前中から4作品をノミネートした中で最終選考会が行われまして、「マイダイアリー」というドラマを書かれた兵藤るりさんに満場一致で決めさせていただきました。兵藤さんが書いた「マイダイアリー」というドラマは、非常に書き込まれた日常を、丁寧に、それから鋭い角度で描かれていて、審査員一同向田邦子賞にふさわしいのではないかということで、今日お越しいただきました。おめでとうございます。

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選考委員・大森美香氏(C)東京ニュース通信社

■大森美香氏(第23回受賞者)
兵藤さんの脚本を読ませていただいた時に、本当に瑞々しい、私は役者じゃないんですけど、私が役者さんだったら先が楽しみになる台本だなというふうに思いました。兵藤さんが、一つ一つの言葉を役者さんを信頼して書いてらっしゃるんだなということも感じて、これを受け取ったスタッフ、役者さんたちはとても光栄というか、うれしいだろうなと思いました。これからも兵藤さんがどんな作品を書くか、きっと今の時代を切り取る作品ってこういうことなんだろうなと、今回たくさん読ませていただいた台本の中でも一番この「マイダイアリー」にそれを感じましたし、これからもとても期待しています。

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選考委員・井上由美子氏(C)東京ニュース通信社

■井上由美子氏(第25回受賞者)
この選考は、出来上がった映像作品を見て評価するのではなく、台本をお借りしてそれをみんなで読んで判断しますので、台本力という意味で、兵藤さんの作品に一番深く心が動かされることが多かったです。例えば、殺人であるとか、ミステリーであるというようなことは何もなく、若い人の日常が描かれているだけなんですけれども、なのに先が気になる不思議な脚本で、これぞ才能だなというふうに思いました。小さい世界なんですが、とても大きなシナリオだったと思います。

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選考委員・坂元裕二氏(C)東京ニュース通信社

■坂元裕二氏(第26回受賞者)
先ほど審査をしていたんですが、決して派手な作品ではないのですが、私たち5人で話しているうちに、「あの場面がおもしろかったよね」「この場面がどうだったよね」とか、そこから始まって「最近の若者ってこうだよね」「こんな口癖があるよね」とか、そういうふうに話がどんどん広がって、話していて楽しかったんですよね。それこそテレビドラマの本質であり、役割なんじゃないだろうか、そんなことを話しながら気付いたひとときでした。本当に向田邦子賞であり、テレビドラマの脚本の賞にふさわしい作品だと思います。

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兵藤るり氏(C)東京ニュース通信社

<受賞者コメント>
このたびは輝かしい賞を頂戴し、誠に光栄に思います。向田邦子賞という賞は、本当に「もっと実績のある方がもらうべきだろう」「こんな若造がもらうなんて」と思う方はたくさんいらっしゃると思うんですけれども、正直私もそのうちの一人だったんですけど、先ほど受賞の連絡をいただきまして、今日だけは胸を張ろうと思ってここに来ました。どうしてそう思えたかというと、この賞は自分のためにもらうのではなくて、放送終了後などに私のSNSを見つけて温かいコメントを残してくださった方々ですとか、最後まで私の本を信じて演じきってくださった清原(果耶)さんをはじめ役者の方々、そしてスタッフの方々、その全員に対して、自分たちの目は間違っていないんだということを証明するためにもらうんだと思えたからだと思います。昨今、少子化と言われながらも小中高生の自殺の数が最多だったりとか、本当に理不尽な世の中になってきていると思っていて、私はその中で、そこに抗うような作品を作っていきたいと思っています。今日を生きるのが辛いというか、今日を生き切ることさえ辛いと思っているような人が、明日くらいは生きてみてもいいかもしれないと思えるような作品を、これからも作り続けていきたいと思っています。それは、生きていればきっといつか良いことがあるとか、そんな簡単なことを言うつもりはなくて、私自身ももがきながら一緒に生きていこうという精一杯の誠意でもあります。私はそんなに強い人間ではないので、この賞を糧にとか、頑張るとか、あまり大っぴらに言うことはできないんですけども、向田邦子賞という賞を受賞したという責任はとても感じていますし、そこに誠実に向き合いながらこれからも作品を作り続けていきたいと思っております。本日はありがとうございました。

<作品情報>
作品:「マイダイアリー」
放送日・放送局:2024年10月20日~12月22日放送(テレビ朝日=ABCテレビ制作)
音楽:小山絵里奈
企画・プロデュース:清水一幸
プロデューサー:川村未来、藤田洋平、栗生一馬、森田大児
演出:穐山茉由、瑠東東一郎、高橋浩、田口仁
制作プロダクション:東映東京撮影所
制作著作:ABCテレビ
出演:清原果耶、佐野勇斗、吉川愛、見上愛、望月歩、坪倉由幸、中村ゆり、勝村政信 ほか

<兵藤るり氏プロフィール>
1996年12月29日生まれ。東京都出身。
お茶の水女子大学理学部数学科を4年生で中退し、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻脚本領域に進む。2020年「就活生日記」(NHK総合)で脚本家デビュー。おもなテレビドラマ作品は、「恋に無駄口」(テレビ朝日=ABCテレビ制作・橋本夏氏、大歳倫弘氏と共同脚本)、「それでも愛を誓いますか?」(テレビ朝日=ABCテレビ制作・鈴木史子氏、川原杏奈氏と共同脚本)、夜ドラ「わたしの一番最悪なともだち」(NHK総合)など。
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向田邦子賞(C)東京ニュース通信社

<向田邦子賞とは>
故・向田邦子さんがテレビドラマの脚本家として、数々の作品を世に送り出し活躍してきた功績を讃え、現在のテレビ界を支える優秀な脚本作家に贈られる賞として、1982年に制定されました。主催は「TVガイド」を発行する東京ニュース通信社で、選考は歴代受賞者らによる向田邦子賞選考委員が担当しています。前年度に放送されたテレビドラマを対象に、選考委員がノミネート作品を選定。本選を含めて4回の討議を経て受賞作品を決定しています。選考委員は大森寿美男氏(第19回受賞者)、岡田惠和氏(第20回受賞者)、大森美香氏(第23回受賞者)、井上由美子氏(第25回受賞者)、坂元裕二氏(第26回受賞者)。※向田邦子賞受賞順

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