おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

「通知バッジ偽装型」のサポート詐欺、最近「必死」に誘ってくることが判明

 Facebookを利用していると、ついつい気になってしまう赤い「通知バッジ」。しかし近頃、この通知バッジに見せかけた偽広告からサポート詐欺へと誘導する手口が蔓延しています。

 おたくま経済新聞では3月にもこの手口を取り上げましたが、最近になりさらに進化。「今すぐ押さなきゃ」と思わせるような演出が加わり、いっそうの注意が必要になってきました。

  • ■ 偽装バッジで誘導する詐欺の仕組み

     「通知バッジ偽装型」のサポート詐欺とは、Facebookの画面右端などに、本物そっくりな赤いバッジを装った広告を表示し、利用者をクリックへと誘導するのが最初の手口。

     例えば、次のFacebookの画面ですが、右端にあるエリアに「通知バッジ」のようなものがあります。

    通知バッジ偽装型の広告

     これ実は「通知バッジ」ではなく広告なんです。紛らわしいですね。

     そして、まんまとこれを押してしまうと「サポート詐欺」のサイトに繋がってしまい、ブラウザが制御不能になります。

     画面には「(電話番号)へ電話してください」などガンガンでてきますが、かけると求められるのはサポート費用という名目の「お金」。ついでに「個人情報」もだまし取られてしまいます。

    ■ 煽り演出が強化、異常な広告密度も

     そしてこの「通知バッジ偽装型」の詐欺に最近新たな動きが出てきております。

     それは、記載されている誘い文句がかなり必死になってきているのです。たとえば「とりあえず1つ返信してください」など、ユーザーに“自分が何か見落としている”と錯覚させる文言が増えています。

    必死におさせようとする

     さらに、Facebookのタイムラインや広告欄に偽バッジが大量に出現。ページをジャックするかのような密度で配置され、圧倒的な異様さを放っています。

    Facebookのタイムラインや広告欄に偽バッジが大量に出現

     もはや「通知を装った巧妙な演出」というレベルを超え、「狂気」としか言いようのない状況。「押して!絶対に押して!」という詐欺師側からの強烈なメッセージが聞こえてくるようです。

    ■ うっかり押すとどうなる?

     では、この広告押すとどうなるか。

     実際に広告を押してみると、サポート詐欺の典型パターンである「システムエラー風の画面」が出現。

    サポート詐欺の典型パターンである「システムエラー風の画面」

     さらに画面は全画面表示となり、マウスやキーボードの操作を一切受け付けなくなります。

     結果的に、この危機的状況に表示された番号に「問い合わせるしかない」と思い込んでしまう人も少なくありません。

     また、確認したところによると、Windows風のエラー画面だけでなく、Facebookのエラー画面風の演出を挟むなど、複数の亜種が存在しています。どのパターンであっても、ユーザーに不安を煽り、電話やクリックを誘導する点は共通です。

    Facebookのエラー画面

    【マウスやキーボードの操作を一切受け付けなくなったら】

     マウスやキーボードの操作を一切受け付けなくなった場合の離脱方法を解説しておきます。以前は「ESC」キーの長押しで離脱できたのですが、このケースではできませんでした。

     まず行って欲しいのが、ネットワーク(インターネット接続)を切断すること。LANケーブルを抜く、Wi-Fi本体の電源を落とすなどで対応可能です。その後しばらくすると、操作できる場合があります。

     情報セキュリティの情報を発信しているIPA(独立行政法人情報処理推進機構)によると、このケースでは「操作不能の偽メッセージが表示されている間に遠隔操作されたケースを確認しています」とのこと。必ずネットワークを切断することをオススメします。

     ほかにも「Win:Ctrl+Alt+Deleteキー/Mac:Command+ Option+ Escー」で強制終了できる場合もあります。また、電源ボタンを長押ししてパソコンの電源を落とすという手も。

     加えてその後の対応としてIPAが推奨しているのは「パソコンの初期化」。とはいえ、すぐには対応できないかと思いますので、とりあえずの対処でブラウザの履歴やキャッシュをクリア。ウイルススキャンの実施は最低限行ってください。

    ■ 進化する詐欺とMeta社の対応

     Facebookを運営するMetaも詐欺広告への対策を進めてはいるものの、詐欺側も手法を日々進化させており、現在は“イタチごっこ”の様相を呈しています。

     さらに最近では、より巧妙にユーザーの注意をそらしながら、自然な流れでリンクを踏ませようとする手法が増えてきています。油断は禁物です。

     この手の「詐欺」の対処法ですが、もし「サポート詐欺」の画面が出ても、慌てず冷静に対処することを心がけることが大事。電話をかけたり、リンクをクリックしたりしてはいけません。

     また、不安な場合は一人で判断せず、信頼できる知人やPC販売店、正規のサポート窓口に相談するのが安心です。

    <参考・引用>
    IPA「パソコンの画面全体に偽のメッセージが表示され操作不能になる手口が増加中

    (たまちゃん)

    あわせて読みたい関連記事
  • 華の会メール・バナー
    PR

    オトナ世代の恋愛マッチング

  • 華の会メール・バナー
    PR

    趣味でつながる30代からの恋愛マッチング \華の会メール/

  • ちょ、まてよ。それ何のドラマだよ!「勇者」出演の偽キムタクとLINEで対峙した一部始終
    インターネット, 社会・物議

    ちょ、まてよ。それ何のドラマだよ!「勇者」出演の偽キムタクとLINEで対峙した一…

  • 名古屋大学で「サポート詐欺」被害 学生ら1626人分の個人情報漏えいの可能性
    社会, 経済

    名古屋大学で「サポート詐欺」被害 学生ら1626人分の個人情報漏えいの可能性

  • 偽公式からの当選通知を追跡!行き着いたのは「能登半島応援」を騙る悪質詐欺
    インターネット, 社会・物議

    偽公式からの当選通知を追跡!行き着いたのは「能登半島応援」を騙る悪質詐欺

  • AIで生成されたフェイク動画
    インターネット, 社会・物議

    一瞬本物かと……有名人の顔と声までAIで再現!進化する投資詐欺の実態とは

  • “ネット詐欺のベストアルバム”に遭遇!「○○プレゼント」詐欺体験レポート
    インターネット, 社会・物議

    “ネット詐欺のベストアルバム”に遭遇!「○○プレゼント」詐欺体験レポート

  • 詐欺電話に“うっかり出た”読者の実体験 あなたの不安に付け入る手口とは(画像:PhotoACより)
    社会, 雑学

    詐欺電話に“うっかり出た”読者の実体験 あなたの不安に付け入る手口とは

  • フッション系と思わせるサポート詐欺サイト
    インターネット, 社会・物議

    ファッション広告のフリをした罠 ますます巧妙化する“サポート詐欺”

  • 危険なウイルスに侵害というメッセージ
    インターネット, 社会・物議

    サイト閲覧中「危険なウイルス」警告、誘導先のアプリを入れるとどうなる?

  • B-CASカード販売サイトの画面
    インターネット, 雑学・コラム

    「BS/CSが無料で見放題」!?甘い言葉に潜むフィッシング詐欺の罠とは

  • ネット詐欺の対策にAIが有効?“相談相手”としての新しい使い方とは
    インターネット, 雑学・コラム

    ネット詐欺の対策にAIが有効?“相談相手”としての新しい使い方とは

  • たまちゃんWriter

    記事一覧

    元秒刊SUNDAYライター。炎上ネタからグルメネタまで得意とするも、現編集部(おたくま)では炎上ネタは封印。おだやかに書いております。静岡県浜松市在住です。

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • AIで生成されたフェイク動画
    インターネット, 社会・物議

    一瞬本物かと……有名人の顔と声までAIで再現!進化する投資詐欺の実態とは

  • “ネット詐欺のベストアルバム”に遭遇!「○○プレゼント」詐欺体験レポート
    インターネット, 社会・物議

    “ネット詐欺のベストアルバム”に遭遇!「○○プレゼント」詐欺体験レポート

  • フッション系と思わせるサポート詐欺サイト
    インターネット, 社会・物議

    ファッション広告のフリをした罠 ますます巧妙化する“サポート詐欺”

  • 危険なウイルスに侵害というメッセージ
    インターネット, 社会・物議

    サイト閲覧中「危険なウイルス」警告、誘導先のアプリを入れるとどうなる?

  • iPhoneで、やりなおし・取り消しする方法
    インターネット, 雑学・コラム

    これは便利、iPhoneで簡単に「取り消し」「やり直し」をする方法

  • B-CASカード販売サイトの画面
    インターネット, 雑学・コラム

    「BS/CSが無料で見放題」!?甘い言葉に潜むフィッシング詐欺の罠とは

  • トピックス

    1. 松屋「担々麺ハンバーグ」を実食 記憶が混乱するレベルに美味しい……!

      松屋「担々麺ハンバーグ」を実食 記憶が混乱するレベルに美味しい……!

      松屋は8月19日から一部店舗限定で「担々麺ハンバーグ」を販売中です。鉄板にのったハンバーグに担々麺が…
    2. 7億円の当せん番号決定の瞬間を目撃!「サマージャンボ」抽せん会参加レポ

      7億円の当せん番号が決まる瞬間を現地取材!サマージャンボ抽せん会レポート

      1等・前後賞合わせて7億円が当たる「サマージャンボ宝くじ」と、1等・前後賞合わせて5000万円が当た…
    3. 加藤茶、伝説の“カトケンゲーム”に挑戦 新番組「第三学区」放送開始

      加藤茶、伝説の“カトケンゲーム”に挑戦 新番組「第三学区」放送開始

      お笑いタレントの加藤茶さんが、まさかの“自分ゲー”に挑む。テレビ神奈川の新番組「第三学区」(だいさん…

    編集部おすすめ

    1. たいちくんX投稿より

      ゆりにゃさん元パートナー、Xで未練吐露→ネットの反応は冷ややか

      インフルエンサー・ゆりにゃさんの、公私にわたる元パートナーである「たいちくん」こと齊藤太一氏が、8月17日に自身のX(旧Twitter)を更…
    2. 匿名質問文化を支えた「Peing-質問箱-」終了 2017年の誕生から8年

      匿名質問文化を支えた「Peing-質問箱-」終了 2017年の誕生から8年

      匿名で質問やメッセージを送れるサービス「Peing-質問箱-」が、2025年8月29日をもって終了することが発表された。運営は8月15日付で…
    3. マクドナルドのポケカ騒動 期間中の店舗を訪れた記者が感じた“異様な雰囲気”

      マクドナルドのポケカ騒動 期間中の店舗で感じた“異様な雰囲気”

      マクドナルドは8月11日、ハッピーセット「ポケモン」のポケモンカードキャンペーンを巡る混乱について公式サイトで謝罪しました。期間限定カードを…
    4. 「珍しい苗字」より盛り上がる? 地域特有の苗字をまとめた地図が話題

      「珍しい苗字」より盛り上がる? 地域特有の苗字をまとめた地図が話題

      大学進学や就職で交友関係が広がると、今までの人生で見たことがない苗字を持つ人と知り合いになることがよくあります。見慣れない苗字に遭遇したとき…
    5. 「オラと博士の夏休み」初のスマホ版がでたゾ!でも日本は対象外……

      「オラと博士の夏休み」初のスマホ版がでたゾ!でも日本は対象外……

      累計販売90万本を超える人気作「クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』~おわらない七日間の旅~」が、初めてスマートフォンで遊べるようになり…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト