子どもが生まれると、「この子はいつまで自分と一緒にお風呂に入ってくれるかな」なんて、つい思う事もあるかと思います。特に父親は、早々に娘が一緒に入ってくれなくなった!ってなる事も……。そんな、父と娘がお風呂で紡いできた歴史を幼少期から振り返った、折坂悠太さんが歌うノーリツのCMソング「湯気ひとすじ」のMVが2月1日からYouTubeで公開されています。
ちなみにこの楽曲の中では、ノーリツ給湯器のお風呂が沸いた時に流れる音楽、「例のメロディー」こと「人形の夢と目覚め」に歌詞をつけた部分が含まれています。例のメロディーとはなんぞや?と聞こえてきそうなので、僭越ながらメロディーを文字起こしすることに“悪評”のある筆者が一応紹介しておくと「タラ↓ランタタランタタランタンー↑タラ↓ランタ↑タ↓タンタンタンー」のメロディーです!
さて、本題ですがこのMVにはCMにも登場する父と、高校生の娘・ひかる(女優・モデルの高橋ひかるさん※)が登場しています。映像ではひかるの幼少期から、大学入学とともに家を出る娘との別れに寂しさを募らせる父の姿がえがかれ、その親子の物語を折坂さんの優しい歌声が包み、ほっこり……でもホロッと泣けるMVに仕上がっています。
冒頭では、3歳のひかると父が、お風呂で楽しそうに遊んでいます。お風呂には親子のアヒルのおもちゃと、にごり湯に浮かんだたくさんのゆず。お父さんがお湯の中で膨らませたタオルをひかるが潰したり、大きな声でにらめっこしたり、お風呂に柚子をたくさん浮かべて匂いを嗅いだり……。
次にひかる7歳の場面。お風呂の壁に貼ったアルファベット表を見ながら、二人で一緒に「ABCの歌」を歌ったり、お湯かけっこをしたり、ひかるがお湯に顔をつけて、お父さんが「できた、できた!」と拍手をしたり。何気ない様な日常のお風呂の風景ですが、幸せな家族の様子がそこにあります。
10歳のひかる。二人で一緒にお風呂掃除をしていますが、浴槽を洗うのに夢中になっているお父さんに、ひかるがシャワーをかけるいたずらをし、お父さん大慌て。そして、お風呂が沸いたときのメロディー「人形の夢と目覚め」が流れ、音に折坂さんの「それが それが あれです ほらほら あれです」という歌声が重なります。
13歳のひかるは、もうお父さんとはお風呂に入りません。お父さんの後にひかるがお風呂に入ると、お湯にお父さんの髪の毛が。ひかるは思春期の女の子らしく、とても嫌そうな顔で、お父さんの髪の毛をすくい、浴槽の外に捨てます。ひかるに叱られたのか、後日、お父さんが切ない表情で自分の髪の毛をお湯からすくっています。思春期、娘が一番お父さんを嫌う時期……父として切ない時期です。
ひかる17歳。ご機嫌な様子で一人入浴中の読書を楽しむひかる。次の場面では、本を持ったままウトウトしてしまい、本をお湯に浸けて慌てるお父さんが描かれています。そんなある日、ひかるが大学の合格発表の日を迎えます。お風呂に浸かり、スマホで大学の合格発表を確認するひかる。合格していることが分かり、喜びが込み上げます。一方、お父さんもひかるの合格を喜び、お風呂で一人「よしっ!」とガッツポーズ。
しかし笑顔が一変。ひかるが小さい頃からお風呂で一緒に過ごしてきた歴史を振り返り、大学入学とともにひかるが家を出てしまうことに寂しさを隠せないお父さん……。そしてひかるも、柚子を手に取り、お父さんとお風呂で過ごした時間を思い出しています。
柚子と古びたあひる人形が浮かぶお風呂に浸かるお父さん。手に取った柚子の匂いを嗅いでいると、そこに何か書かれていることに気づきます。柚子には黒い油性ペンで「ちょっとさみしい?」の文字。もうひとつ、文字が書かれている柚子を手に取ると、今度は「離れても、ずっと親子!!」。ひかるからお父さんへのメッセージです。ひかるの優しさに思わず笑顔になるお父さん。同時に、ひかるとのお風呂での思い出が走馬灯のように浮かび、寂しさをかき消すかのように、思わずお湯に潜ります。そんなお父さんの様子を父と娘のお風呂での歴史を見守ってきた二つのあひる人形がお湯に浮かびながら見つめます。そして、お風呂に浸かり、笑顔を浮かべるひかるなのでした。
寒い日に、「あったまるね~」と、小さな子どもと一緒に浸かるお風呂は、至福の時間。ずっとこのままあったまっていたい……って願う親心も、いつか巣立つ子どもには届かないかもしれません。それでも、子の幸せを願う親心。そんな描写に、思わず目頭が熱くなります。みなさんは、子供が何歳まで一緒にお風呂に入っていましたか? タラ↓ランタタランタタランタンー↑タラ↓ランタ↑タ↓タンタンタンー。
※高橋ひかるさんの高の字は正しくは「はしご高」です。
情報提供:株式会社 ノーリツ
(梓川みいな)