かつての大みそかと言えば、紅白歌合戦の時間に重なって『大みそかだよ ドラえもんスペシャル』が放送されてしまうものだから、子供時代に親御さんと熾烈なチャンネル争いを繰り広げた経験のある方は多いのではないでしょうか。
18時ころにドラえもんがはじまり、1時間ぐらいたちドラえもんの世界に浸りきっていたところ、突然チャンネルがブチッとかえられ、妹とともに「えええええええええええええええええ」の大合唱をしたのはきっと私だけではないはずです。
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けれど1980年から続いた毎年恒例の『大みそかだよ ドラえもんスペシャル』は2009年を境に不定期となり、2012年の3時間スペシャル以外は放送されても1時間番組として放送されているようです。
子供時代をドラえもんとともに過ごした人にとっては、ドラえもんスペシャルは大みそかの風物詩のようなもの。この数年年末になると毎年での放送を希望する声が高まっていました。
今年はそんなドラえもんファンの声を反映してか、テレビ朝日が3つのチャンネルにまたがって連続16時間ドラえもん関連番組をリレー放送するそうです。
■CSのテレ朝チャンネルとテレビ朝日系列合わせて16時間だけど……
これまでの『大みそかだよ ドラえもんスペシャル』は地上波でだいたい3時間放送されていましたが、今回は連続16時間放送のうち地上波での放送はテレビ朝日系列で16時30分から17時30分の1時間だけだそうです。あとは全てCSのテレ朝チャンネル1とテレ朝チャンネル2で放送されます。
ちなみに公式サイトによるとテレ朝チャンネル1では2005年以降のドラえもんの声優が水田わさびさん時代の作品を、テレ朝チャンネル2ではそれ以前の大山のぶ代さん時代のものをそれぞれ「大みそかだよ ドラえもんスペシャル」の中から厳選し、地上波では新作エピソードや映画の最新情報をお送りするそうです。
■大山のぶ代さんと言えば
30代の筆者はドラえもんと言えば大山のぶ代ボイスで育ちました。ちょっぴりしゃがれていて優しく落ち着いたトーンで話しかけてくれるドラえもんが、いつか机の引き出しを通じて未来からやって来ないか、という願望を抱いてしまう同世代の方は多いのではないでしょうか。
そんな日本が誇る代表的な声優である大山のぶ代さんは、今年、夫で俳優の砂川啓介さんによって認知症で闘病中であることが公表されました。 また、先日放送された『ずっと一緒だよ ~声優・大山のぶ代物語~』では大山さんがドラえもんと歩んだ26年間をドラマ化しておりTwitter上でも非常に好評で再放送を望む声も多く見られています。
ドラえもんのテレビアニメがテレビ朝日で放送開始したのは1979年。以来2005年までジャイアンの声優をつとめた、たてかべ和也さんが今年6月に80歳で亡くなりました。
毎年ドラえもんスペシャルを見たらようやく1年の幕が閉じる、という気分だった筆者ももう気づけばアニメをのんびり見ていられない年齢になりました。 新しいドラえもん声優陣の皆さんも着任から10年を超えてすっかりお馴染みになり、テレビでドラえもんを見かけてももう違和感がなくなりつつあります。
時間は流れゆくんだなあ、と思いながらもやっぱり声優や放送のあり方が変化していくのを寂しく感じてしまうのは筆者だけではないはずです。
いつかまた地上波で『大みそかだよ ドラえもんスペシャル』が3時間で見られる日が来るといいですね。
(文:大路実歩子)