「ママの死」という、子にとって衝撃的な内容で反響をあつめた絵本『ママがおばけになっちゃった!』の続編『さよなら ママがおばけになっちゃった!』が講談社より発売されました。価格は1200円(税別)。

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さよなら ママがおばけになっちゃった!

前作では「ママは くるまに ぶつかって、おばけに なりました。」というところから始まります。でもママが真っ先に心配したのは4歳になる息子のかんたろう。そこで、よる12時をすぎるとかんたろうの前に現れ、生まれてきて良かったこと、良いところ、悪いところ、そして沢山の「好き」を伝えていきます。テーマは衝撃的ですが、クスッときたり、ホロッときたり。2015年7月に発売されてからあちこちで話題となり、わずか1年で40万部を突破する大ベストセラー絵本となっています。

筆者もこの本が出てしばらくの時、子供に読み聞かせをしています。読むのに躊躇う内容でしたが、たまたま主人を亡くしているという似た境遇。子が「親の死」を理解しようとしているタイミングだったことから、読んでみることにしたのです。 でも読みながら私の方が涙してしまい、子供に「よしよし」「泣かないの」と慰められる始末。自分にも重なり、夫にも重なり。

そしてその日の晩、普段暗闇を怖がる息子が妖怪ウォッチをもって電気を消した部屋で何事かしていました。 茶碗を洗いながら「何か妖怪いた?」と聞くと、「パパさがしてる」と……。
幼子にとって親の「死」は到底理解しがたいもの。でも本を通じて少しだけ「死」を理解し、ちょっとだけ「パパがそばにいるかも」という希望を得られたようです。妖怪ウォッチと絵本、色々ミックスしちゃってますが、でも彼なりに知恵をしぼってパパに会う方法を考えたのだと思うと、茶碗を洗いながら再び目に滲むものを感じました。

ただ、この本について世間の評価は賛否両論。筆者はたまたまそういう境遇だったため、とても救われる一冊でしたが、人によっては「子供の恐怖心を煽るだけ」という方も。そのため、読み手は確実に選ぶ一冊です。

今回発売された続編では、つらい「別れ」を前に、親子が本音をぶつけ合う内容になっているそうです。生きていくために、渡していく言葉と、目に見えなくても決して消えることのない親子の絆。絵本としては、異例の初版12万部が発売されます。

さよなら ママがおばけになっちゃった!

【内容】
今日は、ママのお葬式です。
おばけになって、かんたろうのもとにあらわれたママでしたが、とうとう、お別れの時がやってきました。
「ママがいなくなるんだったら、ひとりでなんにもできないこになってやる!」
かんたろうの心の叫びに、ママはどんな言葉をかけるのでしょうか−−。

(c)のぶみ

(文:栗田まり子)