当時18歳だった宮沢りえさんから、本木雅弘さんまでをも「脱がせ」、1990年代初めにヘアヌードブームを起こした写真家・篠山紀信さんが新作を発表しました。モデルになったのは、サントリーの緑茶「裸の伊右衛門」(以下、伊右衛門さん)。

 伊右衛門さんは人間年齢にすると16歳になるといい、宮沢りえさんが撮られた時より2歳若い年での挑戦。4月20日付の毎日新聞(東京版)全面広告にて、ラベルを脱いだフレッシュな肢体を披露しています。伴い、宮沢さん、本木さん、伊右衛門さんと、伊右衛門TVCMシリーズ主要出演者(?)全てが篠山さんに脱がされたことになります。

 篠山さんは今作について「脱ぐと違う魅力がみえてきますよね。伊右衛門さんの初々しさがみえました。ちょっと恥じらい感があって、いいですね」とコメント。

 なお、この取り組みについてTwitterには、ラベルを脱ぎ捨てた伊右衛門さんの姿に「かわいい」という声がある一方で……、「じわる」「は?」「面白すぎる」などなど……驚きと戸惑いの声があがっています。わかる……。すっごく分かる。

 山口百恵さんやアグネス・ラムさんらの「激写」シリーズや、東京という街をモチーフにした「TOKYO NUDE」シリーズ、またジョン・レノンの遺作となったアルバム「Double Fantasy」(ジョン・レノン&オノ・ヨーコ名義)のジャケットなどで知られる写真家の篠山紀信さん。常に新しい表現を追い求め、自らのイメージを打ち破っていく姿勢は、世の中にある種の挑発的な問いかけをも投げかけてきました。

 そんな篠山紀信さんの新作モデルとなったのは人ではなく、ペットボトルのお茶。女性だけではなく、男性ヌードも手掛けてきた「脱がせの篠山」といえども、ペットボトルのラベルを「脱がす」のはあまり経験がないのではないでしょうか……。

 今回モデルをつとめた「裸の伊右衛門」は、2020年4月21日から全国のコンビニエンスストアと駅の売店などで数量限定販売(税別140円)されるもの。ボトルを包むラベルの代わりに首掛け式の紙ラベルがついており、お茶のみずみずしい色合いを堪能できるだけでなく、ペットボトルのリサイクルもしやすいパッケージです。

 裸の撮影はライティングが命。肌の質感や全体のフォルムをいかに魅せるか、という光の演出が欠かせません。観葉植物を前景にしたカットでは、今年で16歳になる伊右衛門さんの透明感あふれる肌をイキイキと描写しています。

 また、白いシーツに包まれて横になるカットでは、伊右衛門さんの無垢な表情が印象的。ボトルのダルマが少しコケているところなどは、まさに“コケ”ティッシュな魅力にあふれています。

 伊右衛門さんの伸びやかな肢体にグッと近寄ったカットでは、小首をかしげた招き猫と同時に、意外にグラマラスな量感も感じさせます。実は伊右衛門さん、500mlかとおもいきや内容量は600mlとちょっぴりボリュームあるサイズ。着痩せするタイプなんですね。


 ちなみに、この撮影ではデジカメではなく、業界で「バイテン」と呼ばれる8×10(8インチ×10インチ=約20.3cm×25.4cm)の大判フィルムカメラで撮影されています。デジタルの撮像素子とは違う、大判フィルムならではのきめ細かく滑らかな階調表現が、より無垢な伊右衛門さんの魅力を引き出しているようです。

<参考・引用>
サントリー食品インターナショナル株式会社 2020年4月20日発表プレスリリース

(咲村珠樹)