人気スポーツ青春漫画「弱虫ペダル」初の実写映画作品が、2020年8月14日に公開されることに先駆け、7月14日に豪華出演者たちが登場するキックオフイベントが秋葉原で開催されました。本作の主人公・小野田坂道役を演じているのはアイドルグループ・King & Princeの永瀬廉さん。マネージャー・寒咲幹役を橋本環奈さんが演じています。
映画「弱虫ペダル」には、永瀬さんや橋本さんの他にも、小野田坂道と同じ自転車競技部の仲間で期待の新人エース・今泉俊輔役を伊藤健太郎さんが、そして、同じ自転車競技部の仲間として、坂東龍汰さん、竜星涼さん、栁俊太郎さん、菅原健さん、井上瑞稀さん(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、幹の父親役に皆川猿時さんなど、人気実力ともに急上昇中の個性豊かな俳優陣が集結しています。
今回、チーム総北メンバーが撮影以来初めて集結し、映画の見どころや撮影の裏話などが聞けるということで、期待に胸を膨らませながら、キックオフイベントが行われる秋葉原UDXへ向かいましたが、筆者が会場に着いた頃には、すでに多くの記者やカメラマンが詰めかけており、なんと56番目……。注目度の高さが伺えました。
イベントが始まり、司会のフジテレビ・榎並大二郎アナウンサーが、出演者を呼び込むと、伊藤健太郎さん、橋本環奈さん、栁俊太郎さん、竜星涼さん、坂東龍汰さん、菅原健さん、監督の三木康一郎さんが登場。そして、なんと永瀬廉さんが、劇中で使用していたという使い込まれたママチャリに乗って登場しました。
しかし、詰めかけた記者たちに「どうですか?すごいシュールじゃなかったですか?大丈夫ですか?」と恥ずかしそうに確認していました。榎並アナウンサーに感想を聞かれると、「撮影を思いだしました。またがった瞬間、(主人公の)坂道に戻るじゃないですけど、そんな感覚になりました」と述べました。
そして、「今日はこのような状況の中でお集まりいただき、ありがとうございます。坂道自身もここ秋葉原という場所は思い出深い地でもありまして、ただ僕自身はそんなに深い思い出がないので残念なんですけど、今日はみなさんと一緒に楽しい思い出を作れればと思ってます」と挨拶。
続いて伊藤さんが「こういった状況の中で約100人くらいですか?マスコミの方々に来ていただいていることに、すごく嬉しく思っています。いよいよ公開が近づいてきているんだなという気持ちになります」と話すと、橋本さんも「たくさんの方に見ていただきたいなと思います」と挨拶しました。
榎並アナウンサーから、初めて自転車競技の撮影に挑戦したことについて聞かれると、永瀬さんは「やるしかないという気持ちがあったので、撮影している状況も、暑かったり、寒かったり、風が強いなど、いろんな状況が相まって、その中で撮影していたので、限界のその先にいっていました。それくらい過酷でした」と振り返りました。
その言葉に伊藤さんも同調し、「基本的に全部気持ちだったので、体力がどうのこうの言っている場合ではなかった」と言い、「気持ちでどれだけいけるかという状況だったので、その映像を見せてもらった時、苦しい顔、しんどい顔などに、お芝居の域を超えた部分がある。それがこの映画の一番の魅力じゃないかなと思う」と語りました。
マネージャー役で共演した橋本さんも「実際に本当に近くで見ていて、こんなにも過酷なんだなというのを感じました。自転車競技は怪我をするかもしれないので、安全にやるためにみんな撮影の前からすごく練習していて、実際に本人たちが自転車をこいで激坂とか、急な坂道を登れるんだと思いながら見ていました」と振り返り、過酷だったという共演者の話を聞いて「胸が痛い」と苦笑いしていました。
しかし、そんな橋本さんに、監督の三木さんから「(その苦しんでいる姿を見て)楽しんでましたよね」と横やりが……。すると、橋本さんは慌てて「それは監督!監督はみんなの姿を見て『みんなキツそうだな』って笑っていました」と言い返し、会場を笑わせていました。
また、榎並アナウンサーから、役のようにマネージャーっぽいことをしたか?と尋ねられると、「特に無いと思います」と回答。しかし、永瀬さんが「男性が多い現場だったので、その中で環奈ちゃんがおることによって、和んだりテンション上がったりというのはありますよね」と、すかさずフォローし、感謝していました。
監督の三木さんは、今回の過酷な撮影について「最初、どう作るか考えた時に、自転車の撮影は大変だろうと思って、CGでやろうと思ったんです」と意外な告白。しかし「どこかのタイミングで、全部やらせた方が面白いと思って……」と言い、「狙い通り、すごく苦しい表情をしていたので、見ていて面白かったです」と裏側を暴露していました。
その後、漫画にちなみ、自身の熱い青春エピソードを話すことになった出演者たち。永瀬さんは「高校生の頃に男3人で千葉県の海辺のほうに行ったんです。夜くらいに。それで、いろいろ話したりして、朝まで過ごそうってなってレジャーシートで雑魚寝して、朝まで過ごした。ただ、朝めっちゃ雨が降ってきて、レジャーシートを3人で被りながら駅まで帰ったのが思い出です」と、青春エピソードを披露。
橋本さんは「高校生の時に仕事が仕事が忙しくなって、福岡の高校に通っていたんですけど、空港で制服に着替えて学校に行ったり、福岡・東京・福岡・東京を毎日10日間くらい繰り返したことがあったりして……」と、今自分がどっちにいるのか分かんない時期があったそうです。しかし、「久しぶりに学校に行くと、友達がお弁当を作ってきてくれた。それがすごい嬉しかった」と語りました。
坂東さんは「僕は北海道出身なんですけど。高校3年間、電車通学で、高校1年生の時に他校の女の子に一目惚れして、そこから3年間ずっと片思いを続けてたのが青春です」と告白。さらに、「しゃべったことはあるんですけど、告白はする機会がなかったのでできなかったです」と話すと、監督の三木さんが「3年はキモい」とツッコミ。慌てて「じゃあ1年間ということで……」と訂正し、笑いを誘っていました。
竜星さんは「弱虫ペダルの撮影中に青春っぽいことができて。(1年生の)3人が撮影してる間は、3年生はゆっくりできる時間が多くて、だから僕らはレンタカーを借りて、大阪まで行ってたこ焼きを食べてたりして、帰りに『自転車やってたら大変だね』と言いながら帰った」というエピソードを紹介。その話に永瀬さんは驚いていましたが、竜星さんは「上級生の絆を深めました」と満足気でした。
すると、永瀬さんが「俺らも青春したやん、健太郎くん!」と思いだしたように、猿田彦神社に行って3人で恋みくじを引いたというエピソードを披露。坂東さんが小吉、伊藤さんが中吉を引き、永瀬さんは大吉を引いたそうで、永瀬さんも負けじと満足気。
最後に永瀬さんは「僕たちも全力で自転車に挑んで、ロードレースの熱や疾走感を大事にしつつ、全身全霊で挑んだ作品です」と話し、「青春の尊さだったりとか、大切にしたい人との繋がりだったり、がんばろうという気持ちをもう一度よみがえらせて、思いださせてくれる作品になっているんじゃないかと思っています。『弱虫ペダル』、ぜひよろしくお願いします!」と力強く呼びかけていました。
(c)2020映画「弱虫ペダル」製作委員会 (c)渡辺航(秋田書店)2008
取材協力:松竹株式会社
(取材・撮影:佐藤圭亮)