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執拗にクラクションしてくる後続車…緊張感ただよう話の結末にほっこり 「給油キャップ忘れてましたよ!」

 「実体験を漫画にしてみたという漫画」というタイトルで、Twitterに投稿した漫画の実録漫画が、「あるある」過ぎて大きな反響となっています。

  •  週刊ヤングジャンプ「優良少女ファミリヤン」(現在は完結)や、その他商業誌で漫画を掲載している漫画家のカワカミさんが、冒頭のタイトルで投稿した「4ページ」の漫画。

     「15年くらい前の体験談なんです」というその内容は、出身地という兵庫県北部にて、実際に起こったエピソード。

     1ページ目では、当時交際していた女性を乗せ、運転していたカワカミさんが、ガソリンスタンドにて給油した後に、夜の一本道を運転しているシーンが描かれているのですが、後方車両にパッシングをされて、サイドミラー越しにそれに気づいた様子。

    給油が終えて、故郷の道を走っていたカワカミさん。ところがパッシングする車両が現れ……

     これだけですと、比較的よくある出来事ですが、次ページでは後方車両の行為はヒートアップ。繰り返しのパッシングに、車間距離を狭めて、執拗にクラクションを浴びせてきました。

    繰り返されるパッシングとクラクション。ヒートアップする後方車両にグッと堪えるカワカミさん。

     これはどう見ても「煽り運転」。もちろん、法定速度で走行していたカワカミさんですが、だからといって、降りて対応もまたご法度。女性のことも考え、グッとその場を堪えます。

     ところが3ページになると、後方車両の行為をさらにエスカレート。後方ではなく、なんと横づけして並走。さらに、カワカミさんに向かってはしゃぐかのようなジェスチャー。これはいけない。

    車両の行為はさらにヒートアップ。並走とカワカミさんに向けて何やらジェスチャー。これにはさしものカワカミさんも覚悟を決めたのですが……?

     さすがのカワカミさんも、これには、堪忍袋の緒が切れてしまった模様。そっと深呼吸をしながら、ブレーキを踏んで停車。すると、並走車両も“呼応”して停車。「やったろやないか」覚悟を決めて、降車したカワカミさんは、意を決し車両に向かっていきます。一体何が始まるんです……?ゴクリ。

     そして、最終4ページ目冒頭。

     「ちょっとぉーー!!」と相手側も降車して“応戦”。「ヤバいわよ!」と思わず生唾を飲み込む展開ですが、次のイラストでヤバさの原因が判明します。

    車両の運転者も降車して「応戦」。しかしその手に取っていたのは……

     「さっきのスタンドでこれ(給油キャップ)忘れてましたよ!」

     え……?まるで初恋の人に再会するかのごとく、“胸キュン”となったカワカミさん。実は、この車両の方たちは、たまたまカワカミさんと同じガソリンスタンドに居合わせた方。カワカミさんは、給油したは良いものの、あろうことか給油キャップを置き去りに。

     それを偶然目にして、大急ぎでカワカミさんを追跡。あの手この手で、気づいてもらうようにアクション。その甲斐もあって、「意中の人」に気づいてもらって、マジックの種明かしのごとくネタばらし。

     これにはカワカミさんも思わずニッコリ。「あ、ありがとうございます!!」と感謝の意を伝え、しっかりと給油キャップを装着。「めちゃめちゃいい人だった」と振り返りつつも、事なきを得たとのことでした。イイハナシダナー。

     故郷で起こったほっこりエピソードを、漫画にて紹介したカワカミさんでしたが、実はこれは、同じく漫画家の浦田カズヒロ氏と共同配信している「漫画家チャンネル」での企画で描いた漫画。

     それは、千葉県にある「漫画が描ける旅館」こと土善旅館に宿泊し、一泊二日で4ページ漫画を完成させる企画だったそうで、その地で一睡もせずに、“締切”4時間前に完成させた力作。動画公開と同時に、Twitterにアップしたそうです。旅行とは……。

     そんな想いのこもったカワカミさんの漫画には、「自分も同じ経験ある」「いい話」と共感する方が続出。「実はTwitterに漫画を載せたのははじめてだったんですよ」と語るカワカミさんの「処女作」には、7万を超えるいいねが寄せられ大きな反響。これにはカワカミさんもまたニッコリされました。

     余談ですが、筆者は1ページ目冒頭で描かれた道路に見覚えがあり、それとなしにカワカミさんに確認。実は私も、カワカミさんと同じ兵庫県出身で、やはり以前通ったことがあり、カワカミさんと同郷であることが判明。

     ちなみにこの付近は、ガソリンスタンド以外は文字通り「何もない」一帯で、カワカミさんのエピソードは九死に一生な出来事。この漫画への同郷者としてのリアルな「あるある」に、自分がかつて出くわした漫画同様のエピソードを思い出し、ふと苦笑いしたことを最後にご報告いたします。

    <記事化協力>
    カワカミさん(@JUNKIES_1)

    (向山純平)

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