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タイトルは「繋」 温もりあふれる猫の木像に込められた思いとは

 手元のスマートフォンをじっと見つめ、二本足で立つシャム系雑種猫をモチーフにした木彫り作品がツイッターで大きな注目を集めています。

 「猫作ります」というつぶやきと共に加工前の木材を手に持つ様子を投稿後、「完成しました」というツイートに添えられた作品からは、手作業による木彫りの温もりと、見る人を引き付ける不思議な魅力を感じます。

  •  制作者の鑄さん(@CopperAndHammer)は愛知県で主に金属・木・石を素材に制作活動をしている造形作家で、全ての作品が手加工の一点もの。一部作品は専用サイトにて販売も行われており、ページには作品のタイトルや作品に込めた思いなどが合わせて記載されています。

     今回の作品に付けられたタイトルは「繋」。

     内斜視になりやすく奥行きや立体感を捉える事が難しいとされるシャム系猫を、「身近な現実の世界(狭い視野に映る世界)に受け入れられないことを苦しんで、小さなスマホの中にひしめく判断しづらい情報(奥行きや立体感を捉えづらい)の中から自分の生き方を探す者」としてモチーフに選んだのだそう。

    作品に込められた思いを知るとより一層深みが増します

     「スマホやインターネットを介して、積極的に求めなくとも、以前よりも多くの可能性を提案されていると思っています。情報を選別する知識は必要ですが、目に映る身近な現実世界だけが確かなものでは無くなって、その場所で生きづらい者が、その世界に疑いを持って、生きやすい世界を探すことができる。スマホはそういう場所との繋を作ってくれると思っています」

     作品に込めた思いをこう語る鑄さん。この高度な情報化社会に生きる現代人を投影したような作品ですが、その姿勢は決して後ろ向きでなく、未来への意欲を思わせるようなテーマがあり、暖色系の色使いがより世界の優しさや希望を感じるようなイメージに仕上がっています。

     海外からも多くの声が寄せられた、作品への大きな反響に対して、鑄さんは「家で写真を撮ってこんな小さな箱にアップロードするだけで世界中の人に見てもらえるなんて、すごいことだなと思います」と、コメント。自らもスマートフォンを介した「繋がり」を強く感じている様子でした。

    <記事化協力>
    鑄さん(@CopperAndHammer)

    (山口弘剛)

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  • 山口 弘剛‌Writer

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    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

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