初心者から熟練者まで楽しめ、100円ショップなどでもキットが購入できる手軽さから趣味としても人気の高い羊毛フェルト。ふわふわの羊毛をニードルで繰り返し刺し、形を整えていく手芸の一種です。

 羊毛フェルトで作られる作品といえば、動物やキャラクターなどのかわいいものを想像する方が多いと思いますが、複雑で神々しい見た目が特徴的な伝説のポケモン「アルセウス」の羊毛フェルト作品がツイッターで注目を集めています。

 「アルセウス」は通常プレイでは手に入らない幻のポケモン。2022年にはその名前を冠したゲームソフトの発売が予定されているなど、ファンの間で高い人気を誇るポケモンです。

 白馬のような体に黄金のリングをまとったアルセウスを見事に再現したのは、羊毛フェルト作家のLilacoo(らいらっくー)さん(@sweet_mokaketu)。

 らいらっくーさんはドラゴンや幻獣といった、羊毛フェルトのイメージを覆す複雑でリアルな作品を多く制作しており、SNSや展示会などで作品を披露しています。

らいらっくーさんが制作した作品

これが羊毛フェルト……?作品のクオリティが高すぎます

 らいらっくーさん自身ももちろんポケモンシリーズの大ファン。過去にはライコウ、エンテイ、スイクンのいわゆる「ジョウト三犬」やディアルガ、パルキアといった伝説のポケモンを中心とした羊毛フェルト作品を制作したことも。今回のアルセウスは先述のゲームソフトの発売を記念して制作したものなのだそう。

ジョウト三犬もばっちり再現されています

ディアルガ、パルキアと共に並ぶアルセウス

 制作には約1か月もの期間を要しました。形状の複雑な黄金のリング部分の制作は特に苦労したそうで、リング部分だけでも二回も作り直したのだとか。ファンアートとは言えその作品づくりに対する姿勢に妥協は一切見られません。

複雑なデザインのアルセウスも細部まで完全再現

後ろ姿からも神々しさがあふれています

 こうして完成した、非常に高い再現度を誇る羊毛フェルトのアルセウスには「これが羊毛フェルトだなんて……」「どこから見ても完璧」と驚きの声が多く寄せられており、らいらっくーさんは「見てくれた人に羊毛フェルトの可能性を感じていただけるような作品作りを続けていきたいと思います」と反響に対する感謝の気持ちをコメントしています。

 今後の展望についてうかがうと、「ポケモンですと、やはりこの流れで『ギラティナ』を作りたいです。今後は別地方のポケモンや、他作品のファンアート、オリジナル作品など幅広く制作を続けていけたらなと思っております」と次作への意欲を力強く語ってくれました。

<記事化協力>
Lilacoo(らいらっくー)さん(@sweet_mokaketu)

(山口弘剛)