1990年代後半~2000年代初頭のインターネット文化を色濃く反映したWeb完結型・常設ARG(代替現実ゲーム)「【あああch】オカルトスレを騒がせた『ダムに沈んだ村から届いた手紙』」が、個人制作サークル「siosai」より2026年3月5日に公開されました。
かつて匿名掲示板に入り浸っていた筆者も、その圧倒的な「既視感」と懐かしさに惹かれ、さっそくスレ民の一人として謎解きに参加してみることにしました。
■ 30年前の「ダムに沈んだ村」から届いた手紙
本作の舞台は、どこかで見たことのあるような架空の匿名掲示板「あああちゃんねる(あああch)」。物語は、オカルト板に立てられたひとつのスレッドからスタートします。
投稿者(イッチ)の現在の住まいに「前の住人宛て」の手紙が届いたものの、消印はなんと約30年前。さらに差出人の名前を検索すると、1997年に事故で亡くなった中学生と同姓同名であり、住所にあった「虹里村」はダム建設によってすでに水没していることが判明します。
プレイヤーはスレ民のひとりとしてこの不気味な相談に立ち会い、スレッドの書き込みや提示されるリンク(当時の新聞記事、虹里村の資料、一見無関係に見える広告やアニメ作品など)を手がかりに、村で起きた事件と呪いの真相を追っていくことになります。
■ 検索と推理でスレを進める 絶妙な難易度の謎解き
ゲームの進行は、スレッドの流れや資料から適切なキーワードを推理し、「書き込む(入力する)」ことで進んでいくシステムです。外部の検索エンジンなどは一切不要で、答えはすべてゲーム内の情報に隠されています。
序盤こそスムーズに進行できますが、徐々に難易度は上昇。膨大な情報の中から正解となるたった一つのキーワードを導き出すのは容易ではありません。しかしその分、点と点が繋がり、見事正解のレスを書き込んでスレッドが進んだ際の快感は格別です。
■ サイト自体がバグる!?日常が侵食される恐怖演出
本作最大の見どころは、物語が核心に迫るにつれて掲示板自体に異変が起きていくホラー演出です。
次第に強まる呪いに呼応するように、トップ画面に不気味な目のようなものが出現したり、画面が赤く染まって文字化けを引き起こしたりと、サイト全体が重々しい雰囲気に変貌していきます。
そのうちスレ民たちも次々と体調不良を訴え始めるなど、まるで自分自身の日常まで呪いに侵食されていくようなリアルな恐怖感が味わえます。プレイ中の筆者も思わず体が重くなるような錯覚を覚えました……。
■ プレイ前の注意点:セーブ機能なし、時間はたっぷりと
公式の想定プレイ時間は1〜2時間とされていますが、筆者が全編をクリアしグッドエンドに到達するまでには約3時間ほどかかりました。文字を読むスピードや推理力によって個人差が出やすいゲームと言えます。
また、本作には途中で進行状況を保存する「セーブ機能」がありません。ブラウザを閉じると最初からになってしまうため、休日の夜など、じっくりと腰を据えてプレイできる環境での挑戦を強くおすすめします。どうしても謎解きに行き詰まってしまった場合は、制作者のsio氏のnoteにてヒントや回答が公開されているため、そちらを頼るのも手です。
ちなみに、エンディングはグッドエンドの他にバッドエンドも用意されているとのこと。「おそらくあそこが分岐点だろう」と察しがつく絶妙な作りになっており、思わずバッドエンドの結末も確かめたくなる奥深さも本作の魅力です。
当時のネット掲示板の空気にノスタルジーを感じる方はもちろん、「きさらぎ駅」や「鮫島事件」など、かつてネット掲示板を震源地として数々のオカルト・ホラー作品の空気感を味わいたい方は、ぜひ「あああちゃんねる」の扉を叩いてみてはいかがでしょうか。
<参考・引用>
Web完結型・常設ARG「【あああch】オカルトスレを騒がせた『ダムに沈んだ村から届いた手紙』」
note「【あああch】オカルトスレを騒がせた『ダムに沈んだ村から届いた手紙』」
(山口弘剛)














































