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逆襲のシャア「ラー・カイラム」を2万5千個のレゴブロックで完全再現

 子どもから大人まで多くの愛好家から親しまれているレゴブロック。ツイッターを始めとしたSNSでも度々有志による作品が発表されていますが、使用ブロック数なんと2万5千個からなる超大作が、ある愛好家によって10月16日に公開されました。

 公開された作品は「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に登場するロンド・ベル隊の旗艦「ラー・カイラム」を1/300スケールで再現したもの。全長170㎝、重量20㎏というビッグサイズは圧巻の一言。それでいて細部まで作り込まれているのだから、制作への並々ならぬ苦労と努力がうかがえます。

  •  大作を完成させたのはツイッターユーザーのPEN2nd(ペンセカンド)さん(@PEN2ndLEGOfan1)。普段の仕事、子育ての合間に作品制作を行っているという、あくまでアマチュアのレゴビルダーでありながら、作品制作だけに留まらずSNSを通じたレゴファンとの交流や作品展示会などのイベントを企画するなど精力的に活動しています。

     PEN2ndさんは幼いころからガンダムシリーズの艦船が特にお気に入りで、過去にも「ホワイトベース」や「アーガマ」といった艦船をモチーフとした作品を多く制作しています。

     作品に登場するモビルスーツはプラモデル等がたくさん販売されているのに対し、艦船はほとんどありません。ある程度スケールを合わせた艦船のおもちゃがあれば、格納庫に並べたり、カタパルトで射出態勢をとったり、遊ぶ範囲が一気に広がるのに、と考えていたことがレゴで艦船を制作するきっかけだったとのこと。

     今回の「ラー・カイラム」については実は過去に制作済みであったのですが、技術が向上するにつれて、過去作を見て「ギミックを詰め込みたい」「ディティールやプロポーションをこだわりたい」と思うようになりリメイクを決意。それから10か月の制作期間を経て、完成に至りました。

    ラー・カイラムを細部まで完全再現

    後部のフライトデッキも

     作品はどんな角度から見ても破綻がないように作り込まれており、左右舷や後部のフライトデッキも再現。また主砲塔や内部格納庫のエレベータにも電動ギミックが搭載されているなど随所にこだわりが見られます。ちなみに作品は「GUNDAM CONVERGE」というフィギュアシリーズとスケールが合うように作られているのだとか。

    フライトデッキからは今にも機体が飛び出してきそう

    エレベータの動きを再現

     制作の中でも特に苦労したの語るのはやはり「作品の強度」。作品が大きくなればなるほど、重さでたわんだり可動部が角度を保持できなくなったりとさまざまなトラブルが発生します。ギミックを詰め込みつつ全身のプロポーションやディティールと折り合いをつけていくことはまさに至難の業であったと言えるでしょう。

     こうしたさまざまな苦難を乗り越えて大作を完成させたPEN2ndさんに制作後の感想をうかがうと「正直な感想としては『やっと次のものが作れる!』です(笑)」と何ともリアルな声。

     毎回作り始めたことを後悔しながら、次の作品を作ることをモチベーションにしている、というのはレゴビルダーにとってあるあるなのでしょうか。とはいえせっかくのこれだけの超大作。大好きな作品、大好きな艦船で思う存分遊び倒して欲しいものですね。決してアクシズにはぶつけないよう……笑。

     なお、今回の「ラー・カイラム」はPEN2ndさん主催のレゴ作品展示会「海老名ブリックカンファレンス」にて展示予定。展示会は神奈川県海老名市にある「海老名市民ギャラリー」にて10/23、10/24に開催されます。大迫力の作品を間近で見てみたい方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。

    <記事化協力>
    PEN2nd@10/23-24海老ブリ主催さん(@PEN2ndLEGOfan1)

    (山口弘剛)

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  • 山口 弘剛‌Writer

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    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

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