様々な「ヒーローもの」のコスプレ造形を制作し、それを着用しているというコスプレイヤーのカニさん。

 「『昭和的なヒーロー』に憧れて、自分が大好きなものを作っています」という中で、先日は「ウイングマン」のファンアートコスチュームを披露しました。

 「スーツは意外と動きやすく作られてますが、肩こりでポージングまだまだ硬いなぁ。ストレッチ頑張ります。悪!裂!ウイングマン!」

 この日、先述のウイングマンのコスプレ造形に「チェイング」した姿を披露したカニさん。

 「『昭和的な強くてカッコよくて頼れるヒーロー』とは違うんですが、『等身大の少年が本当のヒーローに成長していく過程』が気に入っているんです」

 カニさんがそのように語る「ウイングマン」は、今から40年近く前の1983年から1985年にかけ、週刊少年ジャンプで連載された漫画作品。翌1984年には、「夢戦士ウイングマン」のタイトルでアニメ化され、人気声優・堀川りょう氏(当時は堀川亮名義)のデビュー作としても広く知られています。

頭部と胸部の青い翼のような飾りが特徴的なコスチューム。

 そして、ウイングマンといえば、黒地のボディに、頭部と胸部にある青い翼のような飾りが特徴。加えて軽快なアクションも印象的です。それを再現するために、様々な試行錯誤があったそう。

 「実際にポージングができるような、『強くて伸縮性のある生地』がなかなか見つかりませんでした。ネットでサンプルを取り寄せたり、お店に出向いて集めたりして半年ほど探しました。それでも結局理想の生地はなかったので、同じ黒の部分でも、使い分けをするなどして対応しています」

 ちなみに、今回カニさんが投稿写真で見せている、開脚しながら右腕を振り上げ左腕は振り下げる仕草は、主人公のケン坊こと「広野健太」が「チェイング!」の掛け声とともに変身する際に見せる決めポーズ。

 やや前のめりな体勢で、特に上半身全体を可動させる「定番ポージング」をカッコよく再現するには、カニさんの言う通り、生地には一定水準の伸縮性が必要になってきます。

 そのため、完成までに試作したサンプルでは、ポーズをした結果、生地が追従できずにバラバラに破れてしまったなんてことも。

 「フェイス、胸の造形、スーツ、脚パーツなど、それぞれ素材が異なりますが、いずれも質感が合うように、特殊塗装を用いて生地と造形部分を同じテクスチャーにしています」

 ウイングマンコスチュームを着用して、カニさんは3月26日から29日にかけて開催されたAnimeJapan2022のコスプレイヤーズワールドにて、コスプレイヤーとして参加。場内では軽快なハイキックアクションを披露しています。完成から3週間近くが経過し、徐々にスーツが馴染んできている様子。

AnimeJapanでもコスプレイヤーとして参加。軽快なアクションを披露しています。

 まるでドリムノートから現れたかのような「君だけのヒーロー」。今後のコスプレイヤー界隈において、新風を巻き起こしてくれるかもしれませんね。悪!裂!ウイングマン!

<記事化協力>
カニさん(@kai003001)

(向山純平)