ビリビリ……とレースのカーテンが破れる音がしたので急いで駆けつけてみると、そこには床で仰向けになった猫の姿。

 破れたカーテン、仰向けの猫……この事件のあらましとは?

 カーテンの下で仰向けになり、お腹撫でて……のポーズをしているのは、茶トラ猫のすずくん。キジトラの子猫、つむぎくんと一緒に暮らしています。

 すずくんは2016年生まれ、つむぎくんは2021年生まれと少々年の離れた2匹ですが、仲の方は良好。すずくんがお兄さんぶりを見せて、やんちゃ盛りのつむぎくんをたしなめる場面もあるようです。

 さて、今回の「事件現場」ですが、レースのカーテンをビリビリしたのは、一体どちらでしょうか?

事件現場のツイート

 飼い主さんが駆けつけた時の状況を見ると、すずくんがカーテンをよじ登り、重さに耐えかねてカーテンが破れたため、床に仰向けに落ちてしまった……という推理が成り立ちます。

 それにしては、すずくんの態度は落ち着いたもの。飼い主さんの証言は次の通りです。

 「しばらく仰向けのまま、くねくね体をひねりながらお腹を向けていました。それが謝罪なのか、はたまた何か隠しているのかは分かりませんでしたが、その動きが可愛かったので何枚か写真を撮ったあと、すずくんを抱え上げて抱きしめました」

 すずくんの可愛い仕草に、飼い主さんは起こる気が失せてしまったとのこと。しかし、猫さんはバランス感覚が優れているので、このように仰向けになって落ちたまま、というのは考えづらいのも事実です。

 飼い主さんにその後の様子をうかがうと、気になる証言が出てきました。「後の捜査で、このレースカーテンをひっかき回していたのは、つむぎくんの仕業ではないかと考えられました」

 猫さんはいたずらがバレた時や、想定外の失敗をした時、びっくりして逃げだすという特徴があります。カーテンから落ちてしまったら、その驚きから慌てて逃げるということも考えられる話です。

 ましてや、つむぎくんは子猫でいたずら盛り。カーテンに興味を示して登ろうとするのは、子猫の方が自然かもしれません。

 飼い主さんは、すずくんの態度に「近づいてきた私を察して仰向けになっていたと思われます。あの時のくねくねの動作やひっくり返ったのは、自分ではないことを証明したかったのかもしれません」との推理を巡らせました。

 ぱっと見た目では「すずくん、登ったでしょ!」という感じでしたが、もう十分落ち着いた大人猫のすずくんと、この場にいないやんちゃなつむぎくん……。どうやらすずくんのえん罪が濃厚になってきました。

 結局、この時の「カーテンビリビリ」犯は誰か分かりませんでしたが、ちょっとした推理小説のようなストーリーが隠されていたようです。どちらにしても、レースのカーテンは登るものじゃありませんよ、と2匹に釘を刺しておく必要はありそうです。

<記事化協力>
かぎしっぽすず&つむぎさん(@kagisuzu0531)

(咲村珠樹)