ツイッターに投稿された、レトロな地球儀を模したミニチュア作品。素晴らしい作品であることに疑いの余地はないのですが、この写真に潜むある違和感に、あなたは気付けますか?

 そう、地図に描かれている大陸の形が、知っている地球となんとなく違いますね。しかしそれは制作者のミスでも何でもありません。だってこの地球儀のミニチュア、ウズラの卵で出来ているんですから。

 パッと見ではまずわからないであろうトリックミニチュアとも呼べる作品を制作したのは、「New草花あそび研究所」所長のinoriさん。これまでにもオリジナルの草花あそびや草花工作を700種類以上も考案している、自然工作のスペシャリストです。

 購入したウズラの卵を見ていたところ、たまたま地図のように見えたことから、制作を行ったという本作。そのほか、台座にはツバキの実の殻とスパークリングワインのワイヤーを用いるというおしゃれな材料選びのセンスもさすがの一言です。

制作中の様子

 制作中、inoriさんがこだわったのはやはり本物の地球儀のように見せる点。卵は殻を半分に切ったものを2つ貼り合わせる形で球状にしていますが、実際の大陸に見えるよう可能な限り柄を合わせるよう工夫しています。さらに仕上げにはマニキュアのトップコートを塗って光沢感をプラス。

 また、ツバキの実の殻の軸が地球儀の留め具にちょうどいい形だったり、ワインのワイヤーも元々端が輪になっていたため、卵の殻との連結が容易だったりと、加工が多く必要でなかったことも、より作品のクラシックな雰囲気を醸し出している要因となったようです。

 その出来栄えについては「想像以上にくるくる気持ちよく回ったのがうれしいです」と、inoriさん自身も満足の行くものとなった様子。自然物の素材感をそのまま生かした作品は、まさに唯一無二と言えるでしょう。

<記事化協力>
inoriさん(Twitter:@kusabanaasobi / Instagram:@inori.kusabanaasobi

(山口弘剛)