おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

「ゲームボーイ電池事情の思い出」を募集した結果……寄せられたエピソードがあるある過ぎて吹いた

 1989年に発売された携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」。ポケモンや星のカービィなど、今も続編が作られる名作の数々に夢中になった方は多いと思いますが、一方で当時の少年少女たちを悩ませたのが、バッテリー問題。

 思い出を挙げればキリがありませんが、これはもしや集めれば面白いエピソードが聞けるのでは?ということで、今回は皆さんのゲームボーイの電池事情についてたずねてみることにしました。

  •  おたくま経済新聞のXアカウントにて、2月下旬に行った投稿には返信、引用合わせて150件近くのエピソードが集まりました。リポストやいいね等で拡散していただいた方も含めて、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございます。

    編集部アカウントで行った募集

    ■ 徐々に薄くなる赤ランプの戦い 乾電池利用者の悲痛な叫び

     中でも特に多く寄せられたのが、やはりバッテリーの減りとどう向き合うか。今でこそ携帯機は充電池内蔵が当たり前になっていますが、当時は乾電池の使用が主流。

     初代は単三電池4本、後発のポケットは単四電池2本、ライトやカラーは単三電池2本が必要になるため、消耗するたびに家中の乾電池を探し回っていた……という方はとても多かったようです。

    ・月々の小遣いが電池代だけで飛んでました。

    ・ゲームの中の敵と戦いつつ、だんだん薄くなっていく画面横の赤LEDとも頭脳戦を繰り広げるのだ。

    ・昔の乾電池はすぐになくなってしまうので、家中のリモコンから引っこ抜いて怒られましたw

    ・ゲームボーイやりすぎて家の中の乾電池を隠されたりしました。そんなときテレビのリモコンの電池をこっそり拝借して終わったら戻す予定だったのが忘れちゃってめちゃ怒られた記憶があります。

    ・(初代の)単3から(ポケットの)単4に変わって在庫が枯渇しやすくなった。

     どれもまさにあるあるなエピソード。特に親にバレないようにテレビのリモコンの電池と取り換えていたという方が多く、子どもながらに知恵を絞ってこの問題と向き合っていたようです。筆者も親が使っていたラジオの電池とよく取り換えていたっけ……。

    ■ 充電池やアダプター、携帯バッテリー、スーパーゲームボーイで電池問題は解決

     そんな電池問題を解決するお役立ちアイテムが、充電池や携帯バッテリー、アダプターでした。

    ・一度テトリス始めると2時間はゲームオーバーにならず続いてしまうので電池がすぐなくなる!って親がアダプター買ってくれました。

    ・小学生の時、他の人も同じだと思うけど第一次ミニ四駆ブームでニッカドバッテリー持ってたから、それを使ってました。

    ・ACアダプタを持った時の全知全能感。

    ・電池がなくて進めない時はスーパーゲームボーイを使用してプレイしていました。

     あくまで筆者のイメージですが、アダプターや携帯バッテリーはなんとなく高級品という印象があり、持っている人に対して憧れを抱いていたものでした。当時並行して流行していた、ミニ四駆用の充電池を流用していた、という方もとても多かったようです。

     ただし、ミニ四駆用なので本来は他の機器での使用は推奨されていませんでした。また本体側でも「ニッカド電池は使用しないでください」となっているので同じく使用禁止。にも関わらず危険を覚悟してまでやってみる価値があった……当時の子どもたちにとって電池事情というのはそれほど深刻な問題だったのです。

     また、スーパーファミコンでゲームボーイをプレイ可能にする周辺機器「スーパーゲームボーイ」を使用していたという方も。ゲームによっては画面に専用のフレームが表示されたりと、ここだけでしか見られない貴重な画面を見るのも楽しかったものです。

    ■ これって本当!? まさかの方法で電池を復活

     さまざまなエピソードが寄せられる中で。特に面白かったのが、乾電池の残量を復活させる、長持ちさせるというミラクル技の数々。

    ・電池切れそうな時はカバー外して電池をグルグル回すとちょっと復活する。

    ・科学的根拠はわかりませんが、電池がなくなったら擦ってました。

    ・電池を上下入れ換えたり、プラスとマイナス極を鉛筆で塗って、ティッシュで拭いて復活させてました。

    ・画面の明度を暗くすると電池が長持ちするので、電池切れ間近の時には試していた記憶がありますね……。

    ・乾電池を温めると少し回復するという噂聞きつけてコタツの中で温め始める。

    ・スタートボタン押してポーズ画面にしとけば電池減らないって思ってました!笑

    ・冷やすと良い、振ると良い、回転させると良い等、あの手この手で電池を長持ちさせようと子ども同士活発な情報交換がされていましたね。

    ・電池切れになった乾電池を、冷蔵庫に入れる、振る、転がすと復活するなどという話を小学校で情報交換してましたな。

     電池を温める、電極を擦るといった方法は、さまざまな情報をネットで検索できる現代なら理にかなっていると分かりますが、子どもたちの噂レベルでこうした情報が出回っていたのは不思議ですよね。

     また、中には冷やす、振るといったデマ情報に翻弄されていた方も。これもある種、限られたコミュニティの中だからこそ、生まれた面白テクニックと言えるのかもしれません。

    ■ 皆の心に残る、昔ならではのゲームボーイの電池事情

     その他にも、思わず「あったあった!」と頷きたくなる、平成初期ならではのエピソードが多数寄せられました。

    ・ポケットモンスターの交換中に俺の電池が切れて……姉のシャワーズが……ユンゲラーになってしまった事……ユンゲラーが二匹に……。

    ・友人のゲームボーイのカバーが付いてない事が多い……?皆カバー無くしてました。

    ・音を出すと電池の消費が早くなるからと言われてて無音でゲームをしていた。

     ここでは紹介できなかった内容もたくさんありますので、かつてゲームボーイをプレイしたことがある方は、ぜひ当該ポストを覗いてみてください。きっと共感するとともに、懐かしさに浸れる面白エピソードがあるはずです。

    (山口弘剛)

    あわせて読みたい関連記事
  • 任天堂の謎動画「Close to you」、やはりピクミンだった!「ニンテンドーピクチャーズ」初のショートムービー
    ゲーム, ニュース・話題

    任天堂の謎動画「Close to you」、やはりピクミンだった!「ニンテンドー…

  • 任天堂が謎の映像「Close to you」を公開 ピクミン新作?ロゼッタ?ファンの考察が過熱
    ゲーム, ニュース・話題

    任天堂が謎の映像「Close to you」を公開 ピクミン新作?ロゼッタ?ファ…

  • 実家で「任天堂で遊ぼう」の誘い 思わぬ“ゲーム”が登場も「紛うことなき任天堂」
    インターネット, おもしろ

    実家で「任天堂で遊ぼう」の誘い 思わぬ“ゲーム”が登場も「紛うことなき任天堂」

  • 100均にガムテープを買いに行ったはずが……気づけば両手に「もんじゃ焼きセット」 投稿漫画に共感の声
    インターネット, おもしろ

    100均にガムテープを買いに行ったはずが……気づけば両手に「もんじゃ焼きセット」…

  • 映画ファンが選んだ「洋画でよく見るアイテム」3選 X投稿が話題に
    インターネット, おもしろ

    映画ファンが選んだ「洋画でよく見るアイテム」3選 X投稿が話題に

  • 早すぎた名機「バーチャルボーイ」が令和にまさかの復活 Nintendo Switchでプレイ可能に
    ゲーム, ニュース・話題

    早すぎた名機「バーチャルボーイ」が令和にまさかの復活 Nintendo Swit…

  • 任天堂の新アプリ「かおマリオ」レビュー 大人にこそ遊んでほしいゆるゲーだった
    ゲーム, コラム・レビュー・取材

    任天堂の新アプリ「かおマリオ」レビュー 大人にこそ遊んでほしいゆるゲーだった

  • Nintendo Switch 2、販売方式が「抽選」から「招待」へ マイニンテンドーストアで9月から開始
    ゲーム, ニュース・話題

    Nintendo Switch 2、販売方式が「抽選」から「招待」へ マイニンテ…

  • 連休明け、PCのログイン画面で思考停止…「パスワードイップス」に共感
    インターネット, おもしろ

    連休明け、PCのログイン画面で思考停止…「パスワードイップス」に共感

  • RTA in Japan、任天堂作品を2025年夏大会で除外 無許諾利用の指摘受け
    ゲーム, ニュース・話題

    RTA in Japan、任天堂作品を2025年夏大会で除外 無許諾利用の指摘受…

  • 山口 弘剛‌Writer

    記事一覧

    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 「RTA in Japan Winter 2025」ゲームスケジュールが公開 任天堂タイトルが復活
    ゲーム, ニュース・話題

    「RTA in Japan Winter 2025」ゲームスケジュールが公開 任…

  • 南里美希が8年ぶりにシリーズ復帰 最新作「牙狼<GARO> 東ノ界楼」2026年1月放送決定
    TV・ドラマ, エンタメ

    南里美希が8年ぶりにシリーズ復帰 最新作「牙狼<GARO> 東ノ界楼」2026年…

  • ニッセンが「ぬい活枕カバー」を発売 「夢でも一緒」を叶える新しい推し活寝具
    商品・物販, 経済

    ニッセンが「ぬい活枕カバー」を発売 「夢でも一緒」を叶える新しい推し活寝具

  • カメラを向けたら同時に「プイッ」 息ぴったりにそっぽを向く2匹の猫ちゃん
    インターネット, おもしろ

    カメラを向けたら同時に「プイッ」 息ぴったりにそっぽを向く2匹の猫ちゃん

  • センター長が又市に!「都市伝説解体センター」と角川文庫が期間限定コラボ
    ゲーム, ニュース・話題

    センター長が又市に!「都市伝説解体センター」と角川文庫が期間限定コラボ

  • ヤフオクとフリマ、新作ゲームは定価超え出品を禁止 11月13日から実施
    ゲーム, ニュース・話題

    ヤフオクとフリマ、新作ゲームは定価超え出品を禁止 11月13日から実施

  • トピックス

    1. アカウント1の投稿

      【前編】それでも私は、書くことを選んだ―― Temu不審アカウントに挑んだ無名記者の記録

      ある日の調査作業の過程で、SNS「X」上において、急成長中の越境EC大手「Temu」のサポート担当を…
    2. Shuffle Town

      キーボードを叩くと家が出現!文書に「町」を作るフォント「Shuffle Town」が面白い

      手書き風の文字だったり、ホラー風の文字だったり、一風変わった文字を簡単に使用することができるデジタル…
    3. “すっぱいペヤング”が爆誕!?超大盛りハーフ&ハーフシリーズ最新作を実食

      “すっぱいペヤング”が爆誕!?超大盛りハーフ&ハーフシリーズ最新作を実食

      まるか食品は11月4日、「tabete だし麺×ペヤング超大盛やきそばハーフ&ハーフすっぱゆず」を発…

    編集部おすすめ

    1. アカウント1の投稿

      【後編】それでも私は、書くことを選んだ―― Temu不審アカウントに挑んだ無名記者の記録

      ※この記事は前編からの続きです。前編では、Temuを名乗る複数のアカウントを調査する中で見えてきた構図をお伝えしました。ここからは、Temu…
    2. ヤマト運輸、「当日配送サービス」開始 同一都道府県内運賃も新設

      ヤマト運輸、「当日配送サービス」開始 同一都道府県内運賃も新設

      ヤマト運輸株式会社は、11月10日から「宅急便当日配送サービス」の提供を開始し、併せて新たに「同一都道府県内運賃」を導入すると発表した。午前…
    3. 1回1万円の「大人のセボンスター」カプセルトイ登場 女児ゴコロときめく本格宝石入り

      1回1万円の「大人のセボンスター」カプセルトイ登場 女児ゴコロときめく本格宝石入り

      株式会社KARATZが、カバヤ食品の玩具菓子「セボンスター」45周年を記念したジュエリー企画「大人のセボンスター」第3弾を発表。11月5日に…
    4. 嵐・四宮社長が偽アカウント多発に注意喚起 「来年のツアー用新アカウントの予定もなし」

      嵐・四宮社長が偽アカウント多発で注意喚起 「来年のツアー用新アカウントの予定も現時点なし」

      人気グループ「嵐」の公式SNSをめぐり、偽アカウントの出現が相次いでいることを受け、所属する株式会社嵐の四宮隆史社長が11月4日、自身のX(…
    5. ヒャダイン氏おすすめ 「ブロッコリー×ごはんですよ×ねぎ油」レシピ作ってみた

      ヒャダイン氏おすすめ 「ブロッコリー×ごはんですよ×ねぎ油」レシピ作ってみた

      音楽クリエイターのヒャダイン(前山田健一)さんが、Xで紹介した超手軽レシピ。それは「ブロッコリーを桃屋『ごはんですよ』と『ねぎ油』で和えたら…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト