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夏コミにあらわれた「インプレゾンビ」 コスプレイヤー「togo」さんに注目

 8月11日と12日に、東京ビッグサイトで開催された「コミックマーケット104」、通称「夏コミ」。同人誌即売会としてだけでなく、多くのコスプレイヤーが集う場としても知られていますが、会場やSNSで大きな注目を集めていたのが、togoさんです。

 togoさんがコスプレしたのは、なんとXではお馴染みの「インプレゾンビ」の「リプライ画面」。アラビア語のアカウント名に、やや不自然な日本語、謎にイケメンなアイコン写真……などが完全再現されています。

  • ■ きっかけは「たまたま」 元々は違うコスプレをする予定だった

     「インプレゾンビ」は、Xの収益化が始まったころから発生しだしたアカウント。収益化条件のひとつであるインプレッションの獲得を目的に、バズったポストのリプライにどこからともなく群がってくることから、この名前で呼ばれるようになりました。

     普段は会社員として働く傍ら、コスプレを楽しんでいるというtogoさん。夏コミへの参加にあたっては、元々「空気でくねくね動く人形」に扮する予定でしたが、熱中症の危険性を考慮し、コミケ2週間前ほどに急遽取りやめに。

     代わりに何しようかな……と悩みつつXを眺めていたところ、たまたま目に入ったのがインプレゾンビ。「ベタなコスプレだけど、準備は簡単そうだ」と、閃いたことからやってみることにしたのだそうです。

    ■ シンプルながら、こだわり満載の「リプライ画面風衣装」

     枠には白色のダンボールを使用し、そこに実際のインプレゾンビを参考にして制作したリプライ風画像をプリントして貼り付けています。

     アカウント名は「togo」をアラビア語に翻訳したもので、IDは誰も使用していない架空のものを記載。「あなたのそれはいつもありがとう」という文章は、数多く存在するインプレゾンビの中でも自身が特にお気に入りだという「自動翻訳したような文章をリプライしてくるタイプ」をイメージしたとのこと。

    衣装(?)制作中の様子

     さらに、枠を持った時に手が見えないように内側に取っ手を取り付けたり、自身もインプレゾンビに近付けるよう、ファンデーションで褐色肌にし、眉毛は濃く、付け髭もしてできるだけ濃い顔にするなど、さまざまなこだわりが施されています。

    内側には取っ手を取り付けて持ち手が見えないように

    付け髭を付けて準備万端

    ■ コミケ当日は本人も「まさか」の大反響 広がりはSNSにも

     こうして迎えたコミケ当日。「作りながらときどき『これ、本当に面白いのかな……』と不安になることもあった」と語るインプレゾンビのコスプレはすぐに来場者の目に留まったもよう。

    コミケ当日の様子

     一目見てすぐに理解して笑ってくれる方や、「いつもXで拝見してます」「今朝もブロックしました」といった声掛けをする方など、さまざまな反応が寄せられ、なんと写真の撮影列ができるほどの盛況ぶり。Xであんなに煙たがられているインプレゾンビが、まさかここまでの脚光を浴びるとは、togoさん自身も思ってもいなかったようです。

     その反響はSNSにも及びます。コミケ会場で写真を撮影した方が順次Xへ投稿すると、ポストを見た方からの反応が相次ぎ、中には8万件を超えるいいねがついたポストも。さらにはニコニコ生放送の公式放送でも取り上げられるなど、たちまちのうちに大きな注目を浴びることとなりました。

     こうした反響について「笑ってもらえるとやっぱり楽しいですね」とtogoさん。当日までの不安もどこ吹く風。ふたを開けてみれば、周囲はたくさんの笑顔であふれており、ホッと胸をなで下ろしたようです。

     特にXの投稿には本物のインプレゾンビの皆さんからも「ああ、これは素晴らしい写真だ!」といったコメントが寄せられ、これにはtogoさんも思わず吹き出してしまったとのことでした。

     なお、togoさんは12月に開催予定の冬コミにも参加予定。次はどんなテーマをモチーフにするのか、今から楽しみです。

    <記事化協力>
    togoさん(@1050_1015
    らぁ油さん(@toumeimegane

    (山口弘剛)

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  • 山口 弘剛‌Writer

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    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

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