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Googleマップ風の古地図が楽しすぎる!街歩きにも使える最高ツール爆誕

 歴史の教科書に登場する古地図には、「昔はこんな地名だったのか」「ここは森だったのか」とロマンが詰まっています。しかし、古すぎて読みにくかったり、大雑把すぎて分かりづらかったりと、見づらさがネックになることも。

 そんななか、Xアカウント「地図とかデザインとか」さんが、そんな“歴史の地図”に新しい風を吹き込むツールを発表しました。

  • ■ Googleマップの用にお手軽に操作して楽しめる「れきちず全国版」

     同アカウントがこのほど発表したのは「れきちず全国版」(以下、れきちず)。1800〜1840年頃の日本を想定した地図がデジタルで確認できるツールです。タイトルが「歴史+地図」の組み合わせなので「歴史の地図なんだろうな」ということが分かりますが、何がすごいのか……。

     まずこれは教科書や資料集などではページの片隅で断片的にしか表示されない「歴史の地図」を、全国規模で一括して見られるようにしています。北海道や沖縄・奄美は2025年4月14日現在では未対応ですが、それ以外の地域は抑えてあるとのこと。

     さらにGoogleマップのようなデザインで、現代人も親しみやすいという特徴があります。拡大縮小も自在で、縮小すれば列島のおおよそ全体を俯瞰して見られますし、拡大すれば村単位で見ることもできます。またGPS機能と連動して、現在地が古地図のどこに該当するのかを確認することもできます。

    列島のおおよそ全体を眺めることもできる

     まるで暇つぶしにGoogleマップを眺めるときのような手軽さ&わかりやすさで、およそ200年前の日本に思いを馳せることができるのです。

     「古地図をGoogleマップ風に読むことができる」これだけで歴史へのハードルが大きく下がります。時代は限定されてしまいますが、勉強中にふと「この地名って今のどのあたりなんだろう?」と思った時などにさっと調べることで理解度も上げられそうです。

    Googleマップのようなデザイン

     また該当の時代を舞台にフィクションを描こうと思ったときも「このあたりは人が住んでたのかな?」といったことも気軽に調べることができますね。

     さまざまな可能性を感じさせる「れきちず」について、Xアカウント「地図とかデザインとか」を運営するグラフィックデザイナーの加藤さんに、詳しくお話をうかがってみました。

    ■ 「れきちず」の使い道はいろいろ!「『街歩き』や『歴史散歩』にも使ってくれたら」

    −− 「れきちず」を見たとき、「ありそうでなかった!」と膝を打ちました。本地図の発想・制作に至ったきっかけについてお聞かせください

     古地図を見るのは楽しいものですが、くずし字で描かれていたりして、初見では読みづらいものが多いと感じていました。また、すでに江戸を再現した地図サービスも複数ありましたが、どれも「古地図風」のデザインで、やや敷居の高さを感じていました。

     そこで、「現代の地図デザインで古地図を描いたら、もっと多くの人にとって親しみやすくなるのでは?」と考え、2019年にGoogleマップ風の地図画像を作成したところ、当時のTwitterで大きな反響をいただいたことが「れきちず」のきっかけです。

    −− 2019年からあるんですね……!これまではどんな風に公開されてきたのでしょうか?

     2023年8月に関東地方のデータを公開し、その後、同年末には甲信・静岡地方までエリアを拡大しました。

     今回、全国の主要街道をCODH(人文学オープンデータ共同利用センター)さんと共同で作成したことで、「全国版」として公開する形となりましたが、現在も大半の地域は作成途中の暫定版であり、北海道や沖縄・奄美といった一部地域については、未公開の状態です。今後も順次、精度向上と地域拡充を進めていきたいです。

    −− 拡大すると「ここまで!?」と思うほど詳細に情報が記載されており驚かされます。史料によっては記述の齟齬なんかもありそうな気がするのですが、そのあたりはどのように対処されたのでしょうか?

     まずは、幕府が作成した「国絵図」や「伊能図」などの信頼性の高い地図をベースとし、複数の資料を突き合わせながら、地点等の選定を行いました。

    −− 60以上の文献をあたられたとのことですが、特に大変だった部分についてお聞かせください。

     街道を中心に全国の歴史的な経路を網羅するにあたり、私自身が北海道在住ということもあり、各地の都県立・市立・国会図書館に直接足を運んでの資料探しに非常に時間と労力を要しました。

     また、全国約6400kmにもおよぶ街道をパソコンの地図編集ソフト上で描画する作業も、なかなかに骨の折れるものでした。

    −− 6400kmを手作業……想像するだけで目と手が痛くなります。地図内で特にここに注目してほしい部分などありますか?

     海岸線については関東〜中部がれきちずが独自に作成、それ以外の全国はCODH/平凡社さんが作成・公開したデータセットを活用しています。

    かつては品川あたりまで東京湾だった

     たとえば、横浜が本当に「横に伸びた浜」だったことや、東京湾が品川のあたりまで入り込んでいた様子など、現代とは大きく異なる地形が見どころだと思います。

    −− 地図は勉強や創作活動など様々なものに役立ちそうですが、加藤様はどんな使い方をしていって欲しいと考えていますか?

     近年人気の「街歩き」や「歴史散歩」といったアクティビティに活用していただけると嬉しいです。

     また、ご自身の住んでいる地域や、縁のある土地がかつてどのような姿だったのかを調べてみるのも、新たな発見があるかもしれません。

    −− 「れきちず」片手に街歩き!絶対に楽しいですね笑

    * * *

     お手軽な操作で、簡単に“タイムスリップ”体験ができる「れきちず」。眺めているとついつい時間が経つのも忘れてしまいます。

     ボタンを切り替えると現代地図に変更することもできるので、自分が住んでいる街や実家の過去と今の姿を見比べるのも、面白いかも知れませんね。

    <記事化協力>
    「地図とかデザインとか」さん(@chizutodesign
    れきちず全国版

    (ヨシクラミク)

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