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2月19日(水)、
一般社団法人シルバーサービス振興会主催による、
第321回月例研究会があり、
特定非営利活動法人市民福祉団体全国協議会(市民協)
とよしま亮介代表理事が参加してきました。
●テーマ : 「地方創生の最新動向とシルバーサービスへの期待」
●講 師 : 石坂 聡 氏 内閣府 地方創生推進事務局長氏
●日 時 : 令和7年2月19日(水)14:00~16:00(13:40より入室受付)
●場 所: TKP秋葉原カンファレンスセンター カンファレンスルーム4A
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/150020/11/150020-11-1fb99d58ca15f3bc80ac168cd3f5ccf1-3900x2925.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
以下受講メモ
0、はじめに
・旧建設省出身。厚労省で介護保険前夜に活躍、住宅局長にも就いていた。
・石破内閣になり地方創生事業が増えている。産官学金労言での連携が必要。
1、近年の人口動態
・コロナ禍で人口減少や婚姻件数が進んだ。一方で死亡数は増えなかったがその後増えた。離婚件数も増えなかったのは経済が厳しく離婚できなかったのか。
・いずれ死ぬ場所がなくなると昔から言っている。
2、人口の推移
・1995年から生産年齢人口減少。少子高齢化が始まった手を打てていたら結果が違っていたのかもしれない。もうすぐ2000万人減ることになる。
・出生数・出生率は1970年代半ばから長期的な減少傾向。2024年には70万人割れ(速報値)。
3、東京圏の転入超過数
・2023年の転入超過数は11.5万人。過度な一極集中は防災上からもリスクがある。東京の木造住宅は減った。でも燃えにくいだけで燃えてしまう。茅ヶ崎など延焼遮断帯がない戸建て住宅地帯は消防が機能しないと延焼し続けてしまう。
・東京の人は避難所に行けない入れない。2地域居住も手だと思う。
・進学就職を機に東京圏にくる人が圧倒的に多い。親元を離れたい、新しい人間関係を築きたいなど地方での生きにくさ(アンコンシャスバイアス)の解消も課題。
4、地方創生2.0
・10年間の基本構想を策定。新しい地方経済・生活環境創生交付金(デジタル田園都市国家構想交付金の組み替え)を創設役場のデジタル化も可能。当初2000億+補正1000億=3000億円規模。
・第2世代交付金:ソフト・拠点整備・インフラ整備を一体的で支援が可能に。デジタル実装型、地域防災緊急整備型、地域産業構造転換インフラ整備推進型もある。
・道の駅での人材育成:名産特産を記録に残したりして伝承していく。
5、地方創生事例
・宮城県七ヶ宿町(移動支援および買い物等の地域の生活環境整備の一体的な推進)
・岩手県紫波町(まちづくり、地域交通)
・茨城県笠間市(動く市役所と移動販売車(買物支援)による地域コミュニティへの支援)
・長野県伊那市(買物・移動・医療困難者への支援)
・奈良県奈良市月ヶ瀬地区(買物サービスおたがいマーケット)
6、高齢者世帯の動向
・単身世帯に社会構造を合わせていかないと不具合が出てしまう。
・借地借家法:戦後、借り手権利を重視。なので入居段階での選別が必要。
・1999年、介護保険が提出前に政調会長の一言で止まった。家族介護という理由。
・仕組みを変えると叩かれるので仕組みを変えようとしない国民性。区分所有法やマンション建替法もみんなでやろうとする仕組みで破綻している。
・認知症:最大の問題。家具も含めて建物で認知症にならない仕組みができないか。
・サ高住:かつては保険あって介護なし、特養待機者30万人の時代もあった。担当当時は定員2万人の時代。訪問介護の囲い込み問題があり総量規制になった。現状の問題は2000年から分かっていたのに対策しなかったのはけしからん。しかしサ高住は待機者の解消に貢献した。月額制になったのも功績。それまでは一時金を払ってしまい施設が潰れる案件もあった。今は月額制だから引越すことが可能、リスク減らせる。2003年の改正で賃貸型に変更した。
7、サービス付き高齢者向け住宅
・日中常駐:無理ゲーではないか。リモートでもいいのではないかと思っています。そもそもサ高住は無くすかも。住宅モデルに寄せていくのでも良いと考えている。
・賃借権:移ってしまうと残置物は処理できない契約解除できないので大家は困る。住宅難時代のルールで時代に合っていない。
・見守り:機械でも対応できるレベル。常駐が必要ない。腐乱しないうちに発見できれば良い。
・福祉サービスに繋ぐ、サ高住もこれくらい軽くていいのではないか
8、デンマークの高齢者住宅
・視察レポートがサ高住のKPIになった。住まいの仕組みは厚労省がやってもいい。公営住宅のようなハードで完全マンション型が良いのではないか。
・日本のサ高住18平米で半数は基準ギリギリ。エルダボーリは60平米。サ高住が狭く自宅を残しながら入居してしまう、無駄が増える。北欧のように引っ越しができれば空き家対策にもなる賃貸や売買ができる、老後のお金になる。サ高住はいつ廃止してもいいと思う
・デンマークでも相部屋型もある。欧米は個室・ユニット型だというがそうではなかった。役所は良い所しか見せない
・日本の入浴は浴槽があるので大変。デンマークはキャリーに乗せてシャワーだけ。入浴や食事が一番大変だと思う
・デンマークの死亡率は2%、日本は80%。食事できなくなったら胃ろうしないから負担が少ない。死生観の違いもある
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/150020/11/150020-11-3b0021dc2499b8ca3bf41a34fa3de83f-2025x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
質疑応答の時間には、意見も含めて私から以下を述べさせて頂きました
0、前置き
・地方創生交付金を取得し日光街道の宿場町活性化イベントも経験がある
1、1995年生産年齢人口ピーク、その時に手を打つことができたら。とのことだったが、今打つことができる手はあるのか
2、新しい地方経済・生活環境創生交付金についてのアイデア
・道の駅などの拠点で車両を持ち、介護施設の移動輸送支援はできるのか
・道の駅にリハビリ施設を作り、介護事業者が利用しても報酬もらえる特例や特区は可能か
3、認知症空間
・構造化は必要だと思う(時間の構造化、空間の構造化、手続きの構造化)4、居住支援
・賃借権を相続されない、残置物促進、滞納に困らないは必要。事故物件にさせない仕組み(商習慣の変更)も必要ではないか。誰でもが死ぬ時代だからこそ。
・居住支援法人:70%が年間20件しか対応していない。基本報酬のために建てられたゾンビ法人がほとんど。支援措置の対象期間が10ヶ月だけで2ヶ月はタダ働き