おたくま経済新聞

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印刷技術と誠実な経営で、地域の未来を支える有限会社クラ工業。子供から高齢者、わんちゃんも安心!夜道で光るお散歩バッグをひっさげ「舎人公園千本桜まつり」の足立ブランドブースに出展!

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足立ブランド
有限会社クラ工業は2025年3月29日(土)、30日(日)の2日間、都立舎人公園で開催される「舎人公園 千本桜まつり」に「足立ブランド」として出展します。※クラ工業の出展は29日(土)



独自の印刷技術で時代の変化に対応し、地域に根ざした経営を実現する『有限会社クラ工業』。代表取締役・矢内克浩氏は、父の会社の倒産、勤務先の倒産という試練を経験しながら、シリコンゴムへの印刷や再帰反射印刷など、多様な技術を磨き上げてきました。交通安全用品や防犯用品など、社会的意義の高い製品を手がけ、技術と誠実さで地域社会への貢献を目指しています。
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職人技が織りなす多彩な印刷の世界

矢内氏の手は、いつも色とりどりのインクで染まっています。
「1年のうち7割くらいは、こんな状態です(笑)」
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『有限会社クラ工業』(東京都足立区梅田)が手がける印刷は、一般的な紙への印刷にとどまりません。ガラス、木材、鉄製品、そして多くの印刷会社が扱いを敬遠するシリコンゴムにまで及んでいます。シリコンゴムは難粘着性という特性があり、通常は印刷が困難とされています。

「印刷後は200度での焼き付けが必要です。工程は複雑を極めています。特に印刷に使う副資材の管理が重要となります。ウエスや材料を混ぜる道具にシリコンが付着しますと、他の印刷作業に影響が出てしまいます。そのため、専用の道具を使い分けるなど、細心の注意を払っています
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<シリコンゴムの難粘着性が印刷を困難にさせる>
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<耐熱性は抜群でマイナス40度から200度まで耐えられる>


インクの仕入れ先も限られており、技術の確立には長年の経験が必要でした。
「シリコンゴムはマイナス40度から200度まで耐えられる特性があります。インクも特殊なため、お互いの特性を引き出すには高度な印刷技術が求められます」

同社ではスクリーン印刷、パッド印刷、UVインクジェット印刷の3種類の印刷技術を使い分けています。それぞれの技術には特徴があり、製品やニーズに応じて最適な方法を選択しています。その印刷技術を駆使して、ガラスや木材、鉄製品、シリコン、プラスチックやビニール、布など、多彩な素材に対応しています。企業の様々な「これを作ってほしい」というご要望にお応えしています。
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<実際に使用しているシルクスクリーン印刷の機械>

幾多の試練を乗り越えて
クラ工業の歴史は、困難との向き合いの連続でした。
矢内氏は高校卒業後、父親の印刷会社に就職しました。しかし、バブル崩壊後に会社は倒産。その後、複数の印刷会社で経験を積みましたが、2002年に勤めていた会社も倒産。

しかし、この危機が起業のきっかけとなります。
「前の会社の取引先の方から『仕事は協力する、自分で会社を立ち上げてはどうか』とお声がけいただきました」
その言葉に背中を押されるかたちで、2004年に『クラ工業』を創業しました。
「社名の『クラ』は祖母の名前なんです。当初は社名にあまり思い入れがなく、苗字から矢内印刷でも良いかと考えていました。
ですが、祖母の名前をつけたら、やりがいというか、頑張ろうという気持ちになれるかもしれないと思い、『クラ工業』にしました。

仕事では社名で呼ばれます。『クラさん、クラ工業さん』って。うまくいけば『クラさん、ありがとう』と言っていただけますが、失敗すれば『クラさん、どうされますか?』となります。やはり祖母のことを思えば、良い声色で名前を呼んでいただきたいですから、気を引き締めて取り組んでいかなければと思っています」


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<スクリーン印刷中の代表矢内克浩氏>

創業後は携帯電話のボタン部品の検品作業からスタートしました。仲間3人との小さな始まりでしたが、事業は順調に拡大し、最大15人まで増えていきました。
「2000年の初め頃は携帯電話が全盛期で、大量の製品が出回っていました。しかも、発売時期が重なっているので、ひとつの機種に対して何十万個という数のパーツが入ってきます。その規模に対応するため、体制も整えていきました」

しかし、2011年、再び大きな試練が訪れます。スマートフォンの普及により携帯電話ボタンの需要が激減しました。「仕事は100から0になった」と矢内氏は振り返ります。ただ印刷の仕事も並行してスタートしていたこともあり、なんとか事業を継続すべく、努力を続けていました。

そんな中での東日本大震災です。取引先も被災し、来るはずの大ロットの仕事が全てなくなりました。いよいよ事業の継続が危ぶまれる状況となっていました。
「東日本大震災が発生する前から、検品だけではなく、もっと事業を広げていきたいという思いがありました。ただどうしていいかわからず、同じ印刷業ということで、『安心堂』さんに伺ったんです。つてもありません、完全な飛び込みでした」

現在、『安心堂』は二代目の丸山有子さんが継いでいますが、当時は先代の故 丸山寛治氏が社長を務めていました。土・日や休日に足を運んでは、印刷業界の将来について語り合っていました。
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<『安心堂』の先代丸山寛治さんと二代目の有子さん>


この出会いが転機となります。

丸山氏自身も阪神・淡路大震災で洋服のボタンの量産事業を失うという経験をされていました。大きな取引を失った矢内氏の相談に、親身になって乗ってくれたそうです。
ある時、丸山氏からこう言われました。
「あなたには印刷するという技術がある。これは他者から見れば凄いこと。もっと印刷を突き詰めていったらどうだろうか。自信を持って技術を伸ばせば生き残る道はいくらでもある」

ひと口に印刷といっても様々な種類があります。矢内氏が持っているノウハウがもったいないと、もっとお客様を開拓したほうが良いともアドバイスをくれました。これを機に、足立区内での新規取引開拓に力を入れていきました。

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<誠実な仕事ぶりで信頼関係を築き、足立区内で新たな取引先を開拓>
特に大きな転機となったのが、足立区北千住の交通安全用品・防犯用品を扱う商社との出会いでした。最初は製品の袋詰めやシールを貼るといった作業から始まり、付き合いを重ねる中で誠実な仕事ぶりが認められ、徐々に印刷の仕事も任されるようになっていきました。

ここで活きたのが「再帰反射印刷」です。リフレクター印刷とも言われますが、プリント部分に光が当たると反射する特殊なインクを使った印刷技法です。交通安全のアイテムに、"反射"は不可欠となっています。

「信頼関係を築くのに1年半ほどかかりましたが、お客様のご要望に一つひとつ丁寧に対応させていただきました」
その努力が実を結び、現在では20年近く続く重要な取引先となっています。



地域に根ざし、未来を見据える
矢内氏が「足立ブランド」の存在を知ったのは、『安心堂』での丸山氏との会話でした。
「丸山さんは、足立区が本当にお好きでした。いつも足立区に恩返ししたい、足立区の知名度を上げたいと仰って、本当に一生懸命でした。出会った当時も『一緒にやりませんか』とお声をかけていただきましたが、当時は経営状況が厳しく、お断りするしかありませんでした」

その後も外部から活動状況をホームページで確認し続け、いつか参加したいという思いを温めていました。令和に入り、会社の状況が安定してきたことで、ようやく参加への機会が訪れます。令和3年、年末の募集期間に申請し、念願の参加が実現しました。

「足立ブランドの知名度をもっと高められればと考えています。微力ながら貢献させていただければ」と矢内氏は意欲を示します。

現在は「足立区生物園」とコラボレーションし、独自の印刷技術を活かしたオリジナルグッズを製作しています。再帰反射印刷技術を活用した「蓄光でさなぎが光る!オオゴマダラトートバッグ」「蓄光で光るホタルトートバッグ」は、昼は美しいデザイン、夜は安全性を兼ね備えた商品として好評です。

[画像10: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/136487/111/136487-111-8801869c3b89fbb6454d29c06b2b6de6-1200x800.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
<蓄光で光るホタルトートバッグ>
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<足立区生物園のオンラインショップより>


また「金魚定規」「カブクワ定規」「生まれた時からすでにデカイ!モルモット定規」など、細部まで丁寧に印刷された文具類も大人気となっています。これらの商品には「足立ブランド」のロゴのシールを添付しています。「ひとつひとつの商品を通じて、足立ブランドを知っていただければ」という思いから始めた取り組みで、地道な普及活動を続けています。
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<金魚定規>

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<生まれた時からすでにデカイ!モルモット定規>
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<カブトムシ定規・クワガタ定規>

[画像15: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/136487/111/136487-111-c5e474cdd1c7d7c6fea846a3fcce05d8-3900x2925.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
<「足立生物園」とコラボレーションし、独自の印刷技術を活かしたオリジナルグッズの数々>


「舎人公園千本桜まつり」の足立ブランドブースに出展!

現在は再帰反射印刷を活かし、暗所でも安心の「お散歩バッグ」を展開しています。
犬のお散歩で使用する目的で作成されましたが、わんちゃんだけでなく、お子さんからおじいちゃん・おばあちゃんの安全も守れる、夜道で光るバッグです。
この製品からペットサロン向けの商品の開発なども始めていますが、これらの新規事業についてはスタッフに任せていく考えです。
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<暗闇で光るから、夜のお散歩も安心!!>

創業から20年を迎え、徐々にスタッフだけで対応できる仕事を増やし、経験とノウハウを蓄積してきました。そして創業25年の頃には、オリジナルグッズへと結実させていきたい--。それが矢内氏の目標となっています。「会社を経営されている方は多くいらっしゃいますし、私と同じように苦労されている方もいらっしゃると思います。ですが、やる気さえあれば、そして誠実に取り組み続ければ、必ず道は開けると信じています」

丸山氏が矢内氏に仕事に対する思いを伝えたように、これからは矢内氏が足立区の次世代に、その心を伝えていく番なのかもしれません。地域に根ざした経営と、人を大切にする姿勢。そして確かな技術力。これらを大切にしながら、『クラ工業』の挑戦は続いていきます。

今回の「舎人公園千本桜まつり」では2025年3月29日(土)に「足立ブランド」のブースに出展、お散歩バッグ・おやつ缶・反射キーホルダーの販売を予定しています。
みなさまのお越しを心よりお待ちしております。
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<選ぶのが楽しい!豊富なデザイン展開のおやつ缶>
[画像18: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/136487/111/136487-111-f206b20b210d4f0d2169cc150f7b3435-2025x1519.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
<グレイや黒のバッグも再帰反射印刷でキラリ>

企業情報
有限会社クラ工業
https://print-kura.net/

会社名:有限会社クラ工業
住 所:東京都足立区梅田5-1-14
電話番号:03-5845-0032
代表者:矢内 克浩

事業内容:
各種スクリーン印刷、各種パット印刷、各種水転写印刷、製品検査代行、簡易
プレス抜き加工、ポッティング加工、パッキング及び出荷代行


「足立ブランド」は、区内企業の優れた製品・技術を認定して、その素晴らしさを全国に広く発信することで、区内産業のより一層の発展と足立区のイメージアップを図ることを目的とした事業です。
『有限会社クラ工業』は、この「足立ブランド」認定企業です。
取材など掲載情報に関するお問い合わせは、「足立ブランド」の運営事務局でもある足立区役所産業経済部産業振興課ものづくり振興係でも受け付けております。

足立区役所産業経済部 産業振興課 ものづくり振興係
電話番号:03-3880-5869
ファクス:03-3880-5605

足立ブランド公式Webサイト
https://adachi-brand.jp/

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