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がん患者さんのQOL向上と心のケアを考える専門医によるセミナーを開催【2/4はワールドキャンサデー セミナー実施レポート】

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株式会社DUMSCO


株式会社DUMSCO(所在地:東京都港区、代表取締役CEO 西池成資、以下 当社)は、2025年1月23日(木)、がん患者さんやご家族の方を対象に、QOL(生活の質)の維持・向上と心のケアをテーマとしたオンラインセミナーを開催しました。本イベントは、毎年2月4日に定められている「ワールドキャンサーデー」に向けた取り組みの一環として実施し、がん患者さんが「患者力」を高め、治療生活をより良いものにするための具体的な方法について専門医が解説しました。

本セミナーでは、「がん治療中のQOLを高める鍵」をテーマに京都大学大学院医学研究科の東山希実先生が、また「がんと向き合う上で知っておきたい心のケア」についてがん研有明病院 腫瘍精神科の清水研先生が、それぞれの専門的視点から、実践的なアドバイスを提供しました。本レポートでは、当日の先生方の講演の一部をご紹介します。

[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/45932/23/45932-23-27713a64770d968306b633dbe8a7c23a-2560x1340.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


~がん治療中のQOLを高める鍵  QOL向上のポイントやHRVに関する最新の研究成果を解説~

東山希実先生は、がん治療の進歩とともに重要性が増している「がんとの共生」とそのために必要なQOLの維持向上について講演されました。
近年、がんの罹患者数は増加していますが、治療の進歩により5年生存率も上昇しており、がんは「不治の病」ではなく「共に生きる疾患」へと変化しています。そのため、治療中でも生活の質(QOL)を保つことの重要性が見直されてきています。

がん患者さんのQOLは、身体的・心理的・社会的要素などから構成され、痛みや倦怠感、抑うつ、不安、社会的な孤立などが影響を及ぼします。研究によると*、がん治療後もQOLが十分に回復しないこ
とがあり、QOL維持・向上には治療中の症状管理が重要であることが示されています。しかしながら、様々な研究で、医師は患者さんの訴えを過小評価していると報告されています。特に、痛みやしびれ、倦怠感、不眠といった主観的な症状について医師が患者の訴えを過小評価したり、実態を捉えにくかったりすると言われています。**そのため、患者さん自身が日々の症状を記録することができ、自身の症状の悪化に気づくことで、不調の早期発見・早期対応が可能となります。研究では、症状記録を行った患者さんは、QOLが向上し、転移性がんを対象とした研究では生存期間が平均6か月延長したという結果も報告されています***。

症状記録の方法について、がん患者サポートアプリ「ハカルテ」を用いた記録方法の説明や、自律神経を反映する心拍変動(Heart Rate Variability; HRV)測定の意義についても解説されました。本講演を通じ、QOLを維持するためには、患者自身が積極的に症状を記録し、医師と共有することが重要であるという学びを得ることができました。

~がんと向き合う上で知っておきたい心のケア~ 

清水先生の講演では、がんを体験した後の心の変化と、周囲の人が寄り添うことの重要性について、実際の患者さんの事例を交えながら解説されました。

がんの告知を受けると、多くの患者さんは「生きる意味がわからない」と感じ、絶望や混乱に陥ります。しかし、時間とともに「病気になった自分は、これからどう生きるのか」を問い直し、新しい価値観が生まれるといいます。がん体験後、患者さんの多くは、1.人生に対する感謝(一日一日を大切にするようになった、生きていることに感謝する)2.新たな視点(生きがいについて考える、人生の優先順位が変わる)、3. 他者との関係(周囲に支えられていることに気づく、人の痛みや苦しみがわかる)4. 人間としての強さ(人生の終わりを受け入れる、自分の気持ちに素直になる)5. 精神性的変容(超越的な力を感じる、自然への感性が鋭敏になる)といった5つの新しい世界観を持たれます。一方でがん罹患後1年以内にうつ状態になられる患者さんも少なくありません。そのような時、無理にポジティブになろうとするのではなく、しっかり悲しむことが必要です。特に人前で泣くことは重要で、相手に受け入れられることで心の痛みは最も和らぎます。

また、がん患者さんの心理的負担を軽減するには、周囲の「寄り添う姿勢」が重要です。他者に寄り添われることによって、患者さんの苦しみが癒されるため、解決策を提示するのではなく、相手の気持ちを理解しようとすることが大切だと講演の中では強調されました。本講演を通し、がん患者さんがより良い治療生活を送るための心のケアの在り方について、多くの示唆を得ることができました。

ハカルテについて

「ハカルテ」はスマホで簡単に体調を測定・記録でき、がん患者が医療者に心身の状態を伝える手助けをするアプリです。がん患者が自分の状態を知り、より主体的に治療やケアを受けられるようサポートすることで、がん患者の自己効力感を高め、QOL(生活の質)向上に寄与します。


詳細は下記をご確認ください。
ハカルテWebサイト
https://hakarute.com/
ハカルテ公式note
https://note.com/hakarute/
SNS(がん患者さんに役立つ情報を発信しています)
https://www.instagram.com/hakarute/
https://x.com/hakarute

株式会社DUMSCOについて

「持続可能なパフォーマンスをデザインする」をミッションに、データ分析とテクノロジーで課題を解決するべくサービス開発や企業向け生産性向上コンサルティングを提供しています。
 ハカルテ事業にとどまらず、ストレス測定・セルフコンディショニングアプリで累計300万DLを突破した「ストレススキャン」「ANBAI」、ポーラ化成工業と共同開発している熱中症リスク判定AIカメラ「カオカラ」など、さまざまな事業を展開しています。

コーポレートサイト
https://dumsco.com/

ーーーー
*現在東山希実先生らが論文投稿中
**
1.NEJM 2011 Mar 11; 362 (10): 865-9
2.Eur J Cancer 2006 May; 42 (8) :1159-66
3.Supportive Care Cancer 2009 Dec; 17 (12) :1483-91
***J Clin Oncol 2016 Feb 20;34(6): 557-65
JAMA 2017 Jul 11; 318 (2): 197-198

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