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厳冬期の上高地で次世代GPS首輪『LoggLaw G2C』の実証実験を開始

update:
   
Biologging Solutions株式会社
~極寒環境下でのニホンザルの生態解明とGPS首輪の性能実証、将来的な順応的管理への応用を目指す共同プロジェクト~



 Biologging Solutions株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役:小泉 拓也、以下 Biologging Solutions)は、一般財団法人自然公園財団上高地支部(所在地:長野県松本市、以下 自然公園財団)と共同で、2024年12月より上高地(長野県松本市)において、次世代GPS首輪「LoggLaw G2C」を用いたニホンザルの生態調査および実証実験を開始しました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/114250/6/114250-6-7bad67ee5df5a3c99c844063e63253d0-3900x2925.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
厳冬期の上高地(長野県松本市)(写真:一般財団法人自然公園財団)

プロジェクトの背景と目的
 中部山岳国立公園および特別名勝・特別天然記念物等に指定される上高地(標高約1,500m)は、ニホンザルが年間を通じて生息し、冬季に気温氷点下20℃を下回ることもあることから、世界で最も寒い霊長類(ヒトを除く)の生息地として知られています。また、上高地のニホンザルは、厳格な法的規制の下で保護され、人為的影響が最小限に抑えられてきた経緯から、人に被害を与えることなく生活する、日本でも数少ない「自然群」としての特徴を有しています。夏季には、標高3,000m付近の高山帯に“登山”する群れも見られ、また厳冬期(閉山期)には、ササや樹皮等のわずかな餌資源を頼って越冬しますが、この不足を補うためサケ科魚類や水生昆虫を捕食するという、他地域には見られない特異な生態も確認されており、世界的にも注目されています。
 この貴重な生態を維持するためには、人の生活に頼らない自然群の状態を維持する必要がありますが、近年、観光客の観察・接近等により人馴れが進行しており、距離感が近いために安易な餌付け行為が報告されるなど、希少な生態の喪失とそれに伴う人的被害の発生が強く懸念されています。
 上高地では、地域を挙げた追い払い活動と餌付け防止等の普及啓発活動を継続して実施し、ニホンザルの保全活動および公園利用の安全(すみ分け)に努めてきました。自然公園財団も、ニホンザルへのGPS首輪装着を検討し、これら保全活動の効率化を目指してきましたが、上高地の法的規制による受信基地局の設置の難しさや、山岳地域における電波状況、および厳冬期における性能への懸念等の課題があったことから、GPS首輪の運用が難しい背景がありました。
 そこで、本プロジェクトでは、Biologging Solutions開発の次世代GPS首輪「LoggLaw G2C」をメスのニホンザル1頭に装着し、冬季上高地での極寒環境における性能と、標高1500m以上の山岳地域における稼働状況を検証し、ニホンザルの行動パターンの効率的な把握に基づいた野生動物管理への有用性を実証することを目的としています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/114250/6/114250-6-0edc8168f09bd6e5f75eaabbf6774acd-3900x2925.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
厳冬期のニホンザル(上高地)(写真:一般財団法人自然公園財団)

『LoggLaw G2C』と『アニマルポータル』
 次世代GPS首輪「LoggLaw G2C」は、Biologging Solutionsが独自開発した、動物の生態調査および獣害対策を目的としたGPS首輪です。取得されたデータは、セットで提供されるウェブプラットフォーム「アニマルポータル」を通じて活用されます。
次世代GPS首輪『LoggLaw G2C』
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/114250/6/114250-6-06a3c37bee02a0ed6cbe7ccb20a8570d-1022x730.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
次世代GPS首輪『LoggLaw G2C』

- 広範囲・リアルタイム通信:
LTE-M通信を採用し、人口カバー率99%以上の広範囲でGPSデータをクラウドサーバーへ自動で送信します。準リアルタイムでの位置情報把握が可能です。

- 長期運用:
太陽光発電による自己充電機能を搭載することにより、長期間にわたる継続的なデータ収集を実現します。

- 調査効率の向上:
動物に接近することなく遠隔でデータを収集できるため、調査員の負担を軽減し、動物への影響も最小限に抑えます。

データ活用プラットフォーム『アニマルポータル』
 「LoggLaw G2C」によって収集されたGPSデータは、Webアプリの「アニマルポータル」上で準リアルタイムに確認できます。地図上での位置表示、移動軌跡および位置分布の表示、データのエクスポート機能などを備え、直感的なデータ分析と状況把握を支援します。
本実証実験の意義と成果
 本実証実験により、北アルプスの急峻な山岳地域、および氷点下20℃に達する厳しい環境下においても「LoggLaw G2C」が安定して動作することが確認されました。これにより、従来は困難であった上高地冬季閉山期間中のニホンザルの詳細な位置情報を準リアルタイムで把握することが可能となりました。本プロジェクトにて得られたニホンザルの詳細な行動データは、その生態解明に貢献するだけでなく、行動パターンに基づいた効果的な管理手法や管理計画の策定、普及啓発事業にも応用できる貴重な情報となることが期待されます。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/114250/6/114250-6-046f250da4cba00d1f93f8bd622127c5-3164x2062.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
上高地(長野県松本市)でGPS首輪を装着中のニホンザルの軌跡

今後の展望
 Biologging Solutionsと自然公園財団は共同して、本プロジェクトで得られた知見やデータを活用し、野生動物の生態解明を促進するとともに、国立公園における自然環境保全活動や全国的な鳥獣対策、順応的な野生動物管理の実現に貢献していくことを目指します。将来的には、ニホンジカやツキノワグマなど他の野生動物を対象とした「LoggLaw G2C」の実証実験や生態調査も検討しています。

各種許認可について
 「LoggLaw G2C」を装着する上高地のニホンザルは、特別天然記念物上高地の本質的価値を構成する要素(種)であることから、文化財保護法第125条第1項の規定に基づき申請を行い、松本市教育委員会から現状変更に係る許可を得ました。また上高地は、国指定北アルプス鳥獣保護区内にあることから、環境省から鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第9条第1項に規定する学術研究捕獲許可を得たうえで、ニホンザルの保定(麻酔捕獲)作業を実施しました。

アニマルウェルフェアへの配慮
 ニホンザルへの負担軽減を目的として、「LoggLaw G2C」の重量は、装着個体の体重12kgに対し5%以内であることを確認しました。また、筐体が白色塗装されていることによって日射による温度上昇を防ぎ、装着個体の体温上昇を軽減することができます。また、「LoggLaw G2C」には経年劣化により破断する脱落装置が装着されていますが、仮に一定期間以上で脱落が見られない場合は、当該個体の再保定による撤去を検討します。引き続き、自動脱落装置の実装を検討するなど、野生動物への負担を軽減するアニマルウェルフェアへの配慮を推進していきます。


プロジェクト概要
場所: 上高地(長野県松本市)
期間: 2024年12月~
対象動物: ニホンザル
使用機器: 次世代GPS首輪「LoggLaw G2C」(Biologging Solutions株式会社)
製品情報: https://biologging-solutions.com/products/application/wildlifemonitoring/
共同実施: 一般財団法人自然公園財団上高地支部(担当:香取 草平)

【本件に関するお問い合わせ】
Biologging Solutions株式会社
営業担当:藤本 詩織
TEL:075-746-7858
E-mail:contact@biologging-solutions.com
URL:https://biologging-solutions.com/

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