
株式会社 酉島製作所(以下トリシマ)は、このたび、新たに開発した商用サイズのアンモニアポンプを用いて、実際の液化アンモニアを使用した運転試験を行い、想定通りの性能を確認することができました。
1. 背景
日本国内では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの一環として、燃料アンモニアの普及が着実に進められています。アンモニアは、燃焼時にCO2を排出しないという特性を持ち、次世代のクリーン燃料として注目されています。 政府は「グリーン成長戦略」の中で、アンモニアを水素と並ぶカーボンフリー燃料と位置づけ、燃料アンモニアの供給インフラの整備や、火力発電への混焼技術の開発など、官民一体となって実用化に向けた取り組みを加速させています。
アンモニアを本格的に燃料として使用するためには、燃料供給設備の大容量化・大流量化が必要です。一方、アンモニアは毒性が強いため、大容量化・大流量化に伴い取り扱い設備にはより高い安全性が求められます。
そこで、トリシマでは、使用中だけでなく、メンテナンス時におけるアンモニアの拡散も最小限に抑えられるよう没液型インタンクポンプを開発しました。ポンプの開発にあたって最も重視したのは「安全性への配慮」。貯蔵タンクからポンプを引き上げてメンテナンスを行う際、コラムパイプの開口部から漏れ出すアンモニアガスの量を極限まで低減する構造を備えています。さらに、トリシマの排水ポンプで培った技術を応用し、貯蔵タンク底部の液を極力残さず吸い上げられる高い吸込性能も実現しました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/136252/16/136252-16-cab0b4ae1ef711f14725a3ba9743e764-100x465.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2. 試験の概要
2025年1月~2月にトリシマの子会社であるインドネシアのP. T. TORISHIMA GUNA ENGINEERINGの工場内にてENGINEERINGの工場内にて、新たに開発した
商用サイズのインタンク型ポンプで、アンモニアの実液を用いた運転試験を実施し、
想定通り良好な結果が得られました。
本試験で確認された流量は4万トン規模のタンクでのアンモニア払出量に相当し、大規模な燃料アンモニアの利用に不可欠となります。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/136252/16/136252-16-02efe2cd1ca3df9ff00192f1b7ed559a-1513x1307.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
3.今後
今回の実液試験により、本ポンプシステムの性能と安全性が実環境において確認され、大規模な燃料アンモニア供給に対応可能な技術であることが実証されました。
今後トリシマは、本技術を核として、国内外の燃料アンモニア関連プロジェクトへの提案活動を積極的に展開してまいります。
さらに、お客様のニーズや現場条件に即したソリューションを柔軟に提供し、次世代クリーンエネルギーの普及とカーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社酉島製作所 総務部 コーポレートブランディング課 072-695-0551
【株式会社 酉島製作所概要】
1919年創業のポンプ専業メーカー。上下水道施設や発電所、海水淡水化など向けの大型・高圧ポンプに強みを持ち、世界100ヶ国以上にポンプを納入。ポンプを通して「安心・安全な社会の構築」と「省エネ」に貢献し、「社会に欠かせない企業」をめざす。
本社:大阪府高槻市宮田町1-1-8
上場市場:東証プライム 6363
公式ウェブサイト:https://www.torishima.co.jp/