おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

リリースプラス

キヤノンが高ダイナミックレンジを実現したSPADセンサーを開発 独自の技術により暗所や明暗差のあるシーンでも被写体の検知が可能

update:
   
キヤノン株式会社


キヤノンは、156dBの高ダイナミックレンジを実現した2/3インチ・約210万画素のSPADセンサーを開発しました。独自の技術により、高ダイナミックレンジ、低消費電力、LEDフリッカーの抑制を実現しました。さらなる技術開発を進め、量産開始を目指します。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13980/1106/13980-1106-7de820a7babd531c1ccffb3df5e4e8e5-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
新開発のSPADセンサー(プロトタイプ)

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13980/1106/13980-1106-56c6fe622cd4d0d8ec9d8af5af1c6d3d-564x205.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
0.1lux(※1)の低照度下で120m先の歩行者を検知することが可能(焦点距離25mm、開放F値1.4で撮影)


SPAD センサーは、画素に入射した光の粒子(以下、フォトン)を1つひとつ数えるフォトンカウンティングと呼ばれる原理を採用したセンサーです。光を読み出す際にノイズが入らないため、暗い所でもわずかな光を検出し、ノイズの影響を受けずに被写体を鮮明に撮影したり、対象物との距離を高速・高精度に測定したりすることができます。

しかし、従来高照度下では、入射したフォトンが一定数を超えると処理のスピードが間に合わずにそれぞれを分離して検出できなくなり、画像が白飛びしたり、フォトンを1つずつ全てカウントすることで消費電力が大きくなるという課題がありました。

今回開発したセンサーは、独自の「重み付けフォトンカウンティング」という技術を採用しています。この技術は、照度によってフォトンがセンサーに届く頻度に差があることに着目し、所定期間内で最初にフォトンがセンサーに到達する時間を測定することで、その後の一定期間に到達する総フォトン数を推計するため、被写体を白飛びさせずに鮮明に映し出すことができます。

具体的には、従来は1つひとつフォトンをカウントしていたのに対し、所定期間内で一つ目のフォトンが届く時間から複数の到達するフォトンを推計する方式のため、検出できるフォトン数が格段に増加します。これにより、従来のセンサー(※2)と比較して、約5倍となる156dBの高ダイナミックレンジを実現し、1画素あたりの消費電力は、約75%減の低消費電力化にも貢献しています。さらに、本技術により、信号機などのLEDのフリッカー現象の低減も実現しています。

本センサーについては、監視、車載、産業用途など、多岐にわたる応用を想定しています。用途の一例として、自動運転(AD)(※3)や先進運転支援システム(ADAS)(※3)への応用が期待されます。自動運転技術の進展により、車載センサーの需要は増加しており、各国において安全基準を厳格化する動きが加速するなど、自動運転の安全性を担保する高度なセンサー技術が求められています。これまで、一般的に普及しているCMOSセンサーをそのまま車載向けに用いた場合には、低照度やトンネル出口などの明暗差の大きい環境下での視認性に課題があることが知られています。低照度下での撮影を得意とするSPADセンサーに独自の技術を組み合わせた本センサーによって、これらの課題の解決に貢献します。

本センサーの技術については、京都で開催された「2025 Symposium on VLSI Technology and Circuits」において、2025年6月12日に発表を行いました。

キヤノンは、これからもテクノロジーとイノベーションの力で新たな価値を創造し、社会課題の解決に貢献していきます。

※1 月明かりの夜の明るさの目安が0.2lux。
※2 当社が2022年にISSCC(International Solid-State Circuits Conference)で発表したSPADセンサー。
※3 システムが主体で全自動の運転を実現するAD(Automated Driving)に対して、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)は人が主体で安全な運転をサポートするシステム。

〈新開発のSPADセンサーについて〉
- 独自の技術である「重み付けフォトンカウンティング」により、従来は1つひとつフォトンをカウントしていたのに対し、所定期間内で一つ目のフォトンが届く時間から複数の到達するフォトンを推計する方式のため、検出できるフォトン数が格段に増加。
- 本技術により、信号機などのLEDのフリッカー現象の低減も実現。


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13980/1106/13980-1106-9b746643b2edb8e28cb5f6b2fd495730-781x331.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
重み付けフォトンカウンティングのイメージ 明るいほど1つ目のフォトンが入射する時間が短い

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13980/1106/13980-1106-13376b08537bc38d12c821f60ef81f86-508x264.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
重み付けフォトンカウンティングにより高照度から低照度下までフォトンの検出が可能

[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13980/1106/13980-1106-9aa716385a0f974fa6031ff82b01b548-1263x712.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
156dBの高ダイナミックレンジにより、明暗差がある場所でも優れた視認性を実現

最近の企業リリース

トピックス

  1. アトレ6月27日発表

    アトレ使用終了ドメインが第三者に取得される 旧カード記載のQRコード、不審サイトに誘導の恐れ

    JR東日本グループの駅ビル商業施設「アトレ」がかつて使用していたドメイン「atre-club.jp」…
  2. 宮城県女川町、イベントでの痴漢行為に激怒声明「犯罪行為を行う人は来ないで」

    宮城県女川町、イベントでの痴漢行為に激怒声明 「犯罪行為を行う人は来ないで」

    宮城県女川町が7月1日、同町の公式Xアカウントに「大切なお知らせ」と題した文書を掲載。町内で行われた…
  3. 取り調べかつ丼

    「取り調べかつ丼」が体験できる店 木更津に80日間限定でオープン

    株式会社味の駅が手掛ける体験型飲食ブランド「80/Eat(ハチマルイート)」は7月11日、取り調べ室…

編集部おすすめ

  1. トップバリュ ホームコーディ 5WAYスリムハンディファン(品番:HC-FS101)
    イオングループは、プライベートブランド「トップバリュ ホームコーディ」から販売していた「5WAYスリ…
  2. X日本公式アカウント(@XcorpJP)
    ソーシャルメディアプラットフォーム「X」は、検索機能に関する新たな仕様変更を2025年7月1日に発表…
  3. メルカリ、取引トラブルに全額補償制度 7月1日に運用スタート
    フリマアプリ「メルカリ」の「全額補償サポートプログラム」が7月1日にスタートした。購入者・出品者の双…
  4. 国民生活センター「体育祭・文化祭の当日になっても届かない!?“クラT”トラブルに注意」
    体育祭や文化祭の時期になると、クラスでおそろいのTシャツ、いわゆる「クラT」を作る学校が増えてきます…
  5. いつもここから・山田一成さん公式X
    お笑いコンビ「いつもここから」の山田一成さんが6月29日、自身のXに投稿したコメントが反響を呼んでい…

【特集】STOP!ネット詐欺!

  1. さまざまなネット詐欺に潜入調査!

    さまざまなネット詐欺に潜入調査!

     インターネット上にまん延する、さまざまな詐欺サイトに「わざと」引っかかる潜入調査記事をまとめました。
ネット詐欺へ潜入調査!記事特集

提携メディア

ページ上部へ戻る