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【海外で愛された“超絶技巧”】大阪歴史博物館 特集展示「YABU MEIZAN」を開催します

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大阪市博物館機構
大阪歴史博物館では、令和7年(2025)9月3日(水)から11月3日(月・祝)まで、8階特集展示室において、特集展示「YABU MEIZAN」を開催します。



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135074/100/135074-100-3f119129e70ccf6f1185e0b8b3522ffe-1500x589.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 江戸時代の終わりから明治時代にかけて、日本から諸外国に輸出された鹿児島の薩摩焼は“SATSUMA”と呼ばれ一大流行を巻き起こしました。この流行に乗って全国の窯業地や輸出港に近い地域でも「薩摩焼」風陶磁器の製産や上絵付(うわえつけ)を行う産業が見られるようになりました。そうしたなか、明治初期から昭和初期までのおよそ半世紀にわたり、大阪市北区でも輸出向け薩摩焼の上絵付と販売が行われており、YABU MEIZAN(藪明山 やぶめいざん)はその工房主の名前でありブランド名でもありました。
 工房主の藪明山こと政七(まさしち)(1853~1934)は南画家・藪長水(ちょうすい)(1813~1867)の子として嘉永6年(1853)に大阪で生まれ、明治初年から大阪で実業に従事し、明治13年(1880)に工房を構え活動しました。大正9年(1920)には、その功績をたたえ大阪府より実業功績者表彰を受けるなど、近代大阪の美術工芸界に重きをなした人物のひとりでもありました。
 本展覧会では、平成17年(2005)に開催した特集展示「明山薩摩の美―万国博覧会で愛された近代大阪のやきもの―」から20年間の研究成果をもとに、YABU MEIZAN(藪明山)の実像に迫ります。

主な展示資料

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135074/100/135074-100-914951e76748d3c081935ec9acbff47e-1000x739.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

(1)藪明山肖像写真(左)と藪恒夫肖像写真(右) 大阪歴史博物館蔵(菅野京子氏寄贈) 藪明山(1853~1934)こと政七は、明治13年(1880)10月には大阪市北区中之島二丁目に薩摩焼上絵付工房を開設して“SATSUMA” (薩摩焼)の上絵付と欧米諸国向けの販売事業を手がけました。
 明山の養嫡子・藪恒夫(つねお)(1868~1941)は、岡山県津山の士族・中西家に生まれました。明治16年(1883)に明山の妻カヨの実母の養子となり、のちに明治28年(1895)に藪家に入籍、明山とともに工房の運営を担い、明山の引退後二代明山を継ぎました。




[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135074/100/135074-100-9a940d675ff8df4e04d649ce3811347d-1200x900.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

(2)白象唐子遊図皿 藪明山 明治時代 大阪歴史博物館蔵(森田まみ子氏寄贈) 海外の「薩摩焼」の需要に応え、いち早く輸出事業を手がけた窯場のひとつが京都の粟田焼(あわたやき)でした。明山の工房では、はじめ粟田焼の帯山(たいざん)窯などから素地を仕入れ、「薩摩焼」の製産を始めたため、いわゆる「京薩摩」と呼ばれる作品に酷似した品を手がけました。
 本作品は「明山製」という金彩銘から明山工房の初期作品で明治20年代初頭までの製作と推定されます。唐子たちが白象に群がり遊ぶ図様の皿は、欧米における東洋趣味(オリエンタリズム)と巧みに呼応し欧米で人気を博しました。力強く大胆な絵付が見られますが、最盛期の明山作品に見られる緻密さは未だ感じられません。




[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/135074/100/135074-100-ffad68e101c9629b0ddeaeac04777685-1200x900.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

(3)風景図花瓶 藪明山 明治時代 大阪歴史博物館蔵(森田まみ子氏寄贈) 明山工房の小さく細密な仕上がりの薩摩焼作品は日本の他産地のSATSUMAの追随を許さないものでした。本作品は直径約40mm、ちょうど掌に収まるほどの小さな花瓶で、全体に隙間なく細密な紋様が上絵付けされています。
 明治26年(1893)に開催されたシカゴ万国博覧会では明山の工房で製作された「密画の薩摩陶器は一度に皆売れた」といい、「貴婦人が皆明山の陶器はなきやと尋ね来るに驚いた」との逸話が残されています。明山はこのような小作品の人気を背景として、小型で細密な上絵付作品の製作に注力していったのです。



開催概要

[表1: https://prtimes.jp/data/corp/135074/table/100_1_23609e3c6505316d8f27591f35646aa2.jpg?v=202506230446 ]

関連行事(展示解説)

[表2: https://prtimes.jp/data/corp/135074/table/100_2_9efbbec0b09866b8cd8c28ffab32958d.jpg?v=202506230446 ]

その他

本展は、JSPS科学研究費19K00209の助成を受けた研究成果の一部です。

取材について

取材をご希望の場合は、事前に下記担当までご連絡ください。
(連絡先)大阪歴史博物館 企画広報課 企画広報係
電話 06-6946-5728 ファックス 06-6946-2662

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