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NEC、既設の通信用光ファイバで突発的な渋滞の状況をリアルタイム且つ高精度に予測する技術を開発 ~予測誤差80%低減、渋滞最適対処に貢献~

update:
日本電気株式会社


 NECは、光ファイバセンシング技術を活用し全線の道路状況をリアルタイムに把握し、突発的な渋滞の状況を高精度に予測する技術を開発しました。既設の通信用光ファイバケーブルをセンサとして収集し、道路全線のリアルタイムな交通流データを独自のAIモデルで分析することで、予測誤差を従来比で80%低減しました。本技術により、迅速かつ効果的な交通制御や迂回路の設定が可能です。道路ネットワーク全体の効率が進むことで、物流2024年問題やCO2排出などの社会課題の解決に貢献します。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/78149/1037/78149-1037-ac6d93d2bd5182ccae06720237cee075-1299x646.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
本技術の概要


 交通渋滞は安全を脅かし、大きな経済損失を引き起こす深刻な社会問題です。特に、物流の大動脈である高速道路における渋滞は2024年物流問題といった経済面への影響も甚大です。その解決には、迅速な渋滞解消や事前の渋滞回避を可能にするリアルタイムな交通状況の把握と、そのデータに基づく高精度な渋滞予測が求められています。

 現在、交通状況の把握には、主にカメラやループコイルなどの断面交通量計、およびETC2.0プローブデータ(注1)を利用していますが、前者は設置・維持コストの問題により道路全線をカバーすることが難しく、後者は車両がデータを受信するスポットを通過した際にデータが収集されるため、状況把握のリアルタイム性に課題がありました。
 また、渋滞予測は過去の長期データを学習させたモデルで予測するため、突発渋滞のような過去データと傾向が異なる場合に、その渋滞の拡大過程を高精度に予測することが困難でした。

 NECはこれまで光ファイバセンシング技術を活用し、道路沿いに敷設されている通信用光ファイバを活用することで、道路全線の交通流データをリアルタイムに取得する技術を開発してきました。
 今回、さらに独自の渋滞予測モデルを開発し、突発的な渋滞が発生してもその延伸・解消過程をリアルタイム且つ高精度に予測することを可能としました。

【技術の特長】
 リアルタイムに取得した全線交通流データを精度良くモデル化し、シミュレーションに逐次適用させるため、新たにモデルパラメータ最適化手法とデータ適合手法を取り入れたデータ同化アルゴリズムを開発しました。

1)モデルパラメータの最適値を推定するアルゴリズム(モデルパラメータ最適化) 
シミュレーション結果が、取得した全線交通流データを再現するよう、車間距離調整などの車両挙動発生確率のような理論モデル内のパラメータを最適化するアルゴリズムを開発。

2)取得した全線交通流データをシミュレーションへ反映可能にするデータ変換アルゴリズム(データ適合)
交通流の“平均速度”から各車両の“位置/速度”といった取得データがシミュレーションの入力形式と異なるパラメータのデータをシミュレーションへ適用できるデータに変換するアルゴリズムを開発。これにより、取得した全線交通流データに基づいたシミュレーション初期条件が設定可能となり、シミュレーション結果の信頼度が向上。

 これらの技術により、渋滞発生直後から解消まで、従来のカメラなどの断面交通量情報と比較して、渋滞予測の1つの指標である旅行時間の予測誤差が約80%低減できることを実データで確認しました。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/78149/1037/78149-1037-19feb092ef9a5b3ad313aea83fa638fb-1299x511.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/78149/1037/78149-1037-d1d67da3ffb1361b4e0f352bea948855-1299x522.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



 NECは、道路全線の交通状況をリアルタイムに把握し、渋滞の成長過程を予測、最適な対処を可能とする動的な道路デジタルツインの実現に向けて技術開発を進めています。
 今回の予測技術の実用化に向けて、現在、実環境での実証実験を進めており、道路管理者との連携を強化しながら2026年度までの実用化を目指します。

 なお本技術は、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)提供のデータを活用し、検証した成果であり、交通工学に係る主要学会 第45回交通工学研究発表会にて発表しました (注2)。また、アメリカ合衆国(USA)・ジョージア州アトランタで開催されるITS(高度道路交通システム)に関する産官学専門家による会議、「第31回ITS世界会議2025」において、本技術を応用した高速道路の交通流監視の高精度化に関して論文発表します(注3)。

以上

(注1) ETC2.0車載器を搭載した車両の位置や速度などの走行データを数 km~数十 km間隔に設置されたセンサで自動的に蓄積するもの
(注2) 論文ID 89 「分布型光ファイバセンシングとデータ同化によるリアルタイム短期渋滞予測」、8月8日に交通流観測セッションにて発表。
(注3) セッションID:PS31 Transportation Systems: traffic management and operations, next generation traffic management approaches
タイトル:TSE (Traffic State Estimation) in Congestion to Extend Applicability of DFOS
関連情報:NEC、モビリティに関する会議及び展示会「第31回ITS世界会議2025」に出展
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001015.000078149.html

<光ファイバセンシングについて>
https://jpn.nec.com/ofs/index.html

<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>
NEC グローバルイノベーション戦略統括部
https://jpn.nec.com/cgi-bin/cs/opinion_form4.cgi

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