
株式会社LEAGUE(本社:東京都武蔵野市)が運営するクラウドファンディング専門メディア・CF NEWSは、2025年8月に自社メディア内で紹介したクラウドファンディングプロジェクトの分析レポートを発表しました。
本レポートでは、各プロジェクトのジャンル、支援総額、支援者数、リターンの特徴などのデータを集計・分析し、7月における人気ジャンル、資金調達状況、成功プロジェクトの傾向を明らかにしています。
調査会社:株式会社LEAGUE
調査方法:CF NEWSの記事にて取り扱ったクラウドファンディングプロジェクトを集計・分析
調査期間:2025年8月1日 ~ 2025年8月31日
調査結果サマリー
- プロジェクト件数が多いジャンル:ガジェット系、美容・ファッション系
- 平均支援総額が高いジャンル:ガジェット系、睡眠・リラックス系
- 支援者数が高いジャンル:ガジェット系、美容・ファッション系
ジャンル分析
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ジャンル別プロジェクト件数割合(2025年8月)
ガジェット最多、ファッション・季節需要アイテムも拡大
2025年7月に公開されたプロジェクトのうち、最も多くの件数を占めたのはガジェット系でした。全体の約3分の1にあたる31件が該当し、月間を通してクラウドファンディング市場を牽引したジャンルと言えます。
人気ジャンルの特徴
・ガジェット:生活改善、癒やし、復刻&リバイバル
・ファッション:快適さ&実用性
・その他:シーズンアイテム、防災系
癒しや遊び心を届けるエンタメ系プロダクト
ガジェット系の中でも、生活をより便利にする最先端のプロダクトが引き続き注目を集めました。厚さわずか5mmの超薄型モバイルバッテリー「SMARTCOBY ULTRA SLIM 3K」は、財布や手帳に収まる携帯性を実現し、スマートフォンと一体化するようなデザイン性で“日常に欠かせない安心感”を提供しています。
一方で、癒しやコミュニケーションといった情緒的な価値を追求した製品も登場しています。AIペットロボット「lopeto」は、頭をなでたり声をかけることで個性を育む感情成長型ロボットで、ふわふわのボディや着せ替えパーツを通じて、まるで本物のペットのような体験を支援者に届けています。
さらに、懐かしいデザインを最新技術で蘇らせた復刻モデルも支持を集めました。デジタルカメラ「YASHICA FX-D」は、クラシックな名機を現代仕様にアップデートし、レトロな外観とデジタルの利便性を兼ね備えることで“所有欲を満たすガジェット”として注目を浴びました。
このように、ガジェット系では「日常の利便性を高める技術」「癒しや体験を提供する製品」「情緒的価値を再構築する復刻モデル」と多彩な切り口からプロジェクトが展開され、8月もクラファン市場を牽引しました。
機能性とデザイン性を兼ね備えた美容・ファッション系が拡大
ガジェット系に次いで多かったのが、美容・ファッション系のプロジェクトです。単なるデザイン性だけでなく、快適さや機能性といった実用面にまで配慮した商品が多く展開されており、日常生活をより豊かにするアイテムとして幅広い層から支持を集めました。
その代表例が、新時代の老眼鏡「Opt.1093」です。スタイリッシュなフレームと最新レンズ技術を採用し、近距離から中距離までを1本でカバーすることで、従来の老眼鏡に伴う“かけ外しの煩わしさ”を解消しました。機能とデザインの両立が評価され、幅広い世代から注目を浴びています。
さらに、手を使わずに1秒で履ける次世代スニーカー「LAQUN(ラクーン)」シリーズ第5弾も好調でした。ハンズフリー設計による履きやすさと、長時間でも快適な履き心地が評価され、多くのリピーターを獲得。日常を快適にするファッションアイテムとして、大きな支援を集めています。
季節需要と社会背景を捉えた多様なジャンルの広がり
その他にも、アウトドア系、食品・飲料系、健康・フィットネス系といった幅広いジャンルが続き、8月も多彩なラインナップが目立ちました。夏休みやレジャーシーズンに合わせて登場したアウトドア用品(超小型ポータブル電源、携帯エアーポンプ、変幻自在の多機能スーツケースなど)や、防災意識の高まりを背景に開発された防災グッズが注目を集めています。
これらの動向は、クラウドファンディングが単なる「特別な商品を応援する場」から、より実生活に密着した「自分に合った生活アイテムを発見する場」へと進化していることを示しています。
支援金分析
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/59927/290/59927-290-defb371c5ae5136de1bdb4d341d5a4ae-2437x1237.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ジャンル別支援総額(2025年8月)
支援金額が高くなったジャンルの特徴
・睡眠・リラックス系:少数精鋭で高額支援
・アウトドア系:旅行・キャンプ需要+夏シーズン追い風
・その他:幅広い層から支持される生活密着型アイテム
ガジェットが首位、睡眠系・アウトドア系も高額支援を獲得
8月に集まった支援金額をジャンル別に集計したところ、ガジェット系が合計1億8,627万円超を記録し、圧倒的な存在感を示しました。高機能かつ洗練されたデザインの商品が多く並び、ビジネスや日常生活を快適にするプロダクトが支援者のニーズに応えた形です。
続く睡眠・リラックス系は、支援総額8,368万円超で2位にランクインしました。1件あたりの支援単価が高く、少数精鋭で大きな資金を集めた点が特徴です。特に、快眠マットレスや高機能枕といった数万円規模のリターンが人気を博し、「質の高い休息」に対する消費者の投資意欲の高さを裏付けています。
アウトドア系は5,544万円超で3位に入りました。旅行やキャンプ需要に応えるプロダクトが多く、夏シーズンも追い風となりました。持ち運びやすい超小型ポータブル電源やキャンプ用エアポンプといった製品が高額支援を獲得しています。
また、美容・ファッション系(5,513万円)や健康・フィットネス系(5,314万円)も高い資金調達を達成。さらに食品・飲料系(4,753万円)も続き、幅広いジャンルで支援が集まりました。専門性の高いニッチ分野にも根強い支援者層が存在し、クラウドファンディング市場の裾野が広がっていることが確認できます。
支援者数分析
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/59927/290/59927-290-44f2e6defd8e14dc72dfafe810916755-2436x1237.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ジャンル別総支援者数(2025年8月)
支援金額が高くなったジャンルの特徴
・睡眠・リラックス系:少数精鋭で高単価支援
・美容・ファッション系:気軽に支援しやすい低単価商品で拡大
・その他:ギフト・日常消費で支援者数を押し上げ
ガジェットが最多、支援者数は価格帯や手軽さで差が生まれる
ジャンル別の支援者数を見ると、ガジェット系が15,706人で最多となり、続く美容・ファッション系の6,197人に大差をつけました。ガジェット系は支援総額だけでなく支援者数においても他ジャンルを圧倒しており、幅広い層から支持を集めたことがわかります。
興味深いのは、支援金額では2位だった睡眠・リラックス系が支援者数では5位(2,722人)にとどまっている点です。睡眠グッズは高価格帯の商品が多く、支援者数は絞られる一方で一件あたりの支援額が大きい傾向が見て取れます。実際、今月最大の支援総額を集めた快眠マットレスのプロジェクトでは約1,000人の支援者で5,800万円超を集めており、少数精鋭型の資金調達となりました。
一方、支援者数で2位となった美容・ファッション系は支援総額では4位にとどまっており、比較的低単価で気軽に支援しやすい商品構成が寄与したとみられます。また、食品・飲料系も支援者数では4位(4,753人)である一方、支援総額は6位にとどまります。これらのジャンルでは、“自分用にもギフトにも選びやすい”価格帯の商品が多く見受けられ、気軽に応援購入しやすい点が支援者数を押し上げた要因と言えるでしょう。
美容ジャンルでは、リピーター向けの再販プロジェクトやユニセックスで幅広い世代に対応するサイズ展開など、多様なユーザー層を取り込む工夫が見られ、今後も安定した人気が見込まれます。支援金額の章でも紹介した「LAQUN(ラクーン)」は、過去の成功を受けて改良・再登場したプロジェクトが既存ファンからの支持を集めました。
このように、支援者数では価格帯や手軽さ、共感性が重視される一方で、支援金額では製品の高付加価値が結果に大きく影響しており、プロジェクトごとの支援動機の違いが明確に表れる結果となりました。
リターン(支援特典)の特徴と傾向
クラウドファンディングにおけるリターンは単に「商品が届く」だけではなく、支援者が納得しやすい仕組みづくりや、ファンとの関係を深める仕掛けとしてますます重要になっています。2025年8月のプロジェクトでも、実用性・選択肢の広さ・継続性といった観点から、ジャンルごとに異なる工夫が見られました。ここでは代表的なジャンルごとの傾向を紹介します。
【ガジェット系】使い方を広げるオプションやセット割引
ガジェット系は8月も最多のプロジェクト数を誇り、リターン設計でも“長く使える工夫”が目立ちました。
AIペットロボット「lopeto」では本体カラーの選択や着せ替えアクセサリー、専用アプリなど、利用者が好みに合わせてカスタマイズできるリターンを用意。
さらに、超薄型バッテリー「SMARTCOBY ULTRA SLIM 3K」では早期割引に加えて複数台をお得に購入できるセットプランを展開し、ヘビーユーザーや予備用途まで想定した設計となっています。
【美容・ファッション系】幅広い選択肢でライフスタイルに適応
美容・ファッション系では、日常に取り入れやすく、かつ機能性とデザイン性を両立したリターンが多く見られました。
「Curly Hair用トリートメント」のプロジェクトでは、髪質や使用頻度に合わせて通常サイズ・お得な複数本セットが用意され、リピーター向けの継続購入を意識した構成となっていました。
さらに、携帯性を重視したモバイルサングラス「スリムグラス」では、カラー選択や限定ケース付きのリターンが提供され、普段使いから旅行まで幅広いシーンに対応しています。
このように、美容・ファッション系ジャンルでは「サイズ展開」「カラー選択」「セット割引」など、ライフスタイルに合わせて自由に選べるリターン設計が支持を集めているのが特徴です。
【食品・飲料系】試しやすさと継続性を意識したプラン
食品・飲料系では、「少量で試せる」「ギフトにしやすい」といったニーズに応えるリターンが充実しました。
人気のクラフトコーヒープロジェクトでは「3杯分のお試しセット」や「限定マグカップ付きセット」が用意され、プロダクトだけでなく体験そのものも届けています。
さらに「1か月分定期配送プラン」といったサブスクリプション型リターンを導入する例も増加。継続的に商品を楽しめる仕組みがファンとの関係構築につながり、ECやD2Cへの展開を見据えたモデルケースにもなっています。
2025年8月の傾向と今後の展望
2025年8月のクラウドファンディング市場で見えてきたのは、支援者が「日常の質を高める製品」や「安心感を提供するアイテム」に強い関心を寄せていることです。
ガジェット系は件数・支援金額・支援者数のいずれでも首位となり、生活を便利にするプロダクトが市場を牽引しました。さらに、睡眠・リラックス系では支援者数は限定的ながらも、1件あたりの高単価リターンによって大きな資金を集める少数精鋭型の傾向が顕著でした。
一方で、美容・ファッション系や食品・飲料系では、価格帯や選択肢の幅広さを活かした「支援のしやすさ」が多くの支援者を呼び込みました。また、アウトドア用品や防災グッズのように、季節需要や社会的背景を反映したプロダクトも支持を集め、クラウドファンディングが「暮らしに密着した選択肢を見つける場」としての役割を強めています。
今後に向けては、単なる便利グッズや話題性だけでなく、支援者が納得できる価格設計やリターン設計、さらにはブランドとしての継続的な関係構築が一層重要になると考えられます。クラウドファンディングは引き続き、生活者の課題に寄り添いながら、共感と価値を共有する場として進化を続けていくでしょう。
クラウドファンディングの最新情報や成功事例について、さらに詳しく知りたい方は、クラファン専門メディア・CF NEWSをご覧ください。業界の最新動向や注目プロジェクトについて、常に最新の情報を提供しています。
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会社名:株式会社LEAGUE
代表者:代表取締役 武智 翔太郎
本社所在地:〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2丁目8番4号 i-office吉祥寺
設立:2020年4月
事業内容:小売・卸事業、販売代行業、コンサルティング業
URL:https://league-jp.com/