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企画展「猪熊弦一郎展 夢をならべている」12月13日(土)から丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開幕。自分なりの視点で猪熊の絵画を自由に見出す。

update:
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
本展は、70年以上にわたって描きに描き続けた画家・猪熊弦一郎の、何ものにもとらわれない絵画をご紹介します。



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/142923/11/142923-11-9ac0b453238ea0a9ad031d83b2dccd8b-960x1417.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
猪熊弦一郎《ポートレイトの会話》1988年 (C)公益財団法人ミモカ美術振興財団

香川県で生まれた猪熊弦一郎(1902ー1993)は、東京美術学校に学んだ後も引き続き東京で制作を続け、第二次世界大戦が始まる前年の1938年から40年までパリで学んで帰国します。さらに50歳を過ぎて1955年からニューヨークで約20年間を過ごした後は、東京とハワイの両方にアトリエを構え、90歳まで制作に励みました。時代や環境の変化をも吸収して描いた作品は、写実的な具象からデフォルメの効いた具象へ、ニューヨークでは抽象へと変化しましたが、時々の自分を画面に力いっぱいぶつける点においては生涯を通して揺らぐことがありませんでした。
その猪熊が晩年に制作したのは、具象も抽象もない、形はすべて面白く美しいバランスでできていると考え、それらを自分の秩序で絵の中に住まわせた作品です。丸や四角といった形も、何とも形容できない形も、顔や鳥といった生き物の姿も区別なく、さまざまな形が共存する絵画を描きました。見ることを大切にし、ものの形を正確に描くことができた猪熊ですが、長い画業の間に蓄積されたたくさんの形は常識に捉われることなく素直に自由に描かれ、作品は不思議に満ちています。

「俺は俺なりの一つの画面の上で夢をならべているだけで、あなたはあなたでこの絵を見てなんて感じるか」*

本展では猪熊が80歳を超えて制作した作品をご紹介します。70年以上にわたって描きに描き続けた猪熊の、何ものにもとらわれない絵画をどうぞご覧ください。

*「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館オープン記念番組 guenまるがめの顔」(西日本放送、1991年11月17日放送)より

1.本展のポイント

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/142923/11/142923-11-b37561cf1cb6f15009d42a9e1b5a141e-905x1080.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
猪熊弦一郎《真昼のカーニヴァル》1992年 (C)公益財団法人ミモカ美術振興財団
1-1.「具象も抽象も区別なく描いた形が共存する絵画」をご紹介猪熊の画業は約70年にわたり、彼が生きた時代や環境を映すように画風も変化していきました。晩年には、具象も抽象形態の集合体であり、形はすべて面白く美しいバランス でできていると考えた、さまざまな形が共存する絵画に到達します。 本展では、猪熊が80歳を超えて制作した、丸や四角と、顔や鳥といった生き物の姿が区別なく描かれ、さまざまな形 が共存する作品をご紹介します。




[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/142923/11/142923-11-6ae7d52e18a1920ea3099c92dcda07ca-1080x805.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
猪熊弦一郎《三つの言葉》1989年 (C)公益財団法人ミモカ美術振興財団
1-2.鑑賞者自身が新たに見出す猪熊は88歳の頃に次のように言い、鑑賞者に自由な解釈を委ねています。
「俺は俺なりの一つの画面の上で夢をならべているだけで、あなたはあなたでこの絵を見てなんて感じるか」*
猪熊が描いた形をありのままに受け止め、自分なりの視点でそれらの関係性を見つけて画面の構成を考え、猪熊作品を新しく見出してください。本展では一つの展示室だけでなく、1階のエントランスから、2階、3階の展示室へと立体
的に広がっていく空間で、猪熊のおおらかな作品世界を体感できます。

*「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館オープン記念番組 guenまるがめの顔」
(西日本放送、1991年11月17日放送)より



1-3.二つの展覧会に共通するもの
猪熊の絵画作品を視覚に基づいて鑑賞する本展は、聴覚に働きかけるサウンドインスタレーション作品を出品する企画展「シャネット・カーディフ 40声のモテット」と同時開催します。鑑賞者がそれぞれに形の面白さや画面構成を見出す猪熊の作品と、音を聴きながら自由に移動することで彫刻的な空間を創造するカーディフの作品は、いずれも作品から得た体験をもとに鑑賞者自身が想像の中で作品を組み立て直し、より深い鑑賞体験ができる点が共通しています。二つの展覧会それぞれに異なる感覚を研ぎ澄まし、自分だけの作品をお楽しみください。

2.関連プログラム

2-1.キュレーター・トーク
本展担当キュレーター(松村円)が展示室で来館者に見どころをお話しします。
日時:2026年1月4日(日)、2月1日(日)各日14:00ー
参加料:無料(別途、本展観覧券が必要です)、申込不要
2-2.親子でMIMOCAの日
高校生以下または18歳未満の観覧者1名につき、同伴者2名まで観覧無料となります。
日時:2026年1月24日(土)、25日(日)10:00ー18:00(入館は17:30まで)

3.出品作家プロフィール

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/142923/11/142923-11-f44de9df9510a9bb14994cdf18da1000-1492x1500.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
撮影: 高橋章
猪熊弦一郎(いのくまげんいちろう)1902年 香川県高松市生まれ。少年時代を香川県で過ごす。
1921年 旧制丸亀中学校(現 香川県立丸亀高等学校)を卒業、上京し本郷洋画研究所で学ぶ。
1922年 東京美術学校(現 東京藝術大学)西洋画科に進学、藤島武二教室で学ぶ。
1926年 帝国美術院第7回美術展覧会に初入選する。以後、1934年まで毎年出品し入特選を重ねる。
1927年 東京美術学校を中退。
1935年 新帝展に反対し不出品の盟を結んだ有志と第二部会を組織、第1回展に出品する。
1936年 同世代の仲間と新制作派協会(現 新制作協会)を結成、以後発表の舞台とする。
1938年 渡仏、パリにアトリエを構える(~1940)。滞仏中アンリ・マティスに学ぶ 。
1950年 三越の包装紙「華ひらく」をデザインする。
1951年 国鉄上野駅(現 JR東日本上野駅)の大壁画《自由》を制作。
1955年 渡米、ニューヨークにアトリエを構える。
具象の面影は消え、直線と円を中心とした幾何学的な作品を多数制作。
1975年 ニューヨークのアトリエを閉じ、東京に戻る。冬はハワイで制作するようになる。
鮮やかな色彩で、不定形の複雑な形があふれる作品を描く。
1988年 妻、文子を亡くす。作品に顔や動物たちも描かれ、多様な形が共存するようになる。
1989年 丸亀市へ作品1,000点を寄贈。
1991年 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館が開館。 逝去、90歳。
1993年 逝去、90歳。



開催概要
展覧会名:猪熊弦一郎展 夢をならべている
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
所在地:香川県丸亀市浜町80-1
会期:2025年12月13日(土)ー2026年2月15日(日)
開館時間:10:00-18:00(入館17:30まで)
休館日:月曜日(2026年1月12日は開館)、2025年12月25日(木)-31日(水)、
2026年1月13日(火)
観覧料:一般1,500円(団体割引1,200円、市民割900円)
    大学生1,000円(団体割引800円、市民割600円)
高校生以下または18歳未満・丸亀市内に在住の65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方とその介護者1 名は無料
*同時開催企画展「ジャネット・カーディフ 40声のモテット」、常設展「猪熊弦一郎展 物
が在る」の観覧料を含みます。
*団体割引は20名以上の団体が対象です。
*市民割は丸亀市民が対象です。チケットご購入時に証明する書類(運転免許証、保険証な
ど)のご提示が必要となります。団体割引を含み、他の割引との併用は出来ません。

問い合わせ先:0877-24-7755
主催:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団


丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)について
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/142923/11/142923-11-6966d3d5f336767c0f101fbbb814eb6f-1616x1078.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
撮影:増田好郎

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(愛称:MIMOCA)は、丸亀市の市制施行90周年の記念事業として、丸亀市ゆかりの画家・猪熊弦一郎の全面的な協力のもと1991年11月23日に開館しました。
建築家の谷口吉生による美しい建築を丸亀駅前に構える当館は、猪熊本人から寄贈を受けた約2万点の猪熊作品を所蔵し、常設展で紹介するとともに、現代美術を中心とした企画展を開催しています。また、講演会やコンサートなどの多彩なプログラムや、子どもの感性や創造力を育むワークショップなどを開催し、教育を目的とした活動にも力を入れています。
これらの特色は、猪熊と丸亀市とで協議を重ねて作り上げられました。猪熊は、MIMOCAが常に新しいものを積極的に紹介する「現代美術館」であることを強く希望しました。また、自然光を取り込んだ明るく広々とした空間は、美術館に美しい空間を求める猪熊の意思を共有して谷口が形作りました。そして猪熊は子どもが美にふれることを重視し、子どもの観覧料無料や、子どもが造形活動をする「造形スタジオ」の設置などを提案しました。
気軽に立ち寄り、美しい空間でいい作品を見て、新鮮な刺激を受けて心が元気になる場所であることを美術館に求めた猪熊は、MIMOCAのあるべき姿として「美術館は心の病院」という言葉を残しました。猪熊の思いが込められたMIMOCAが、みなさまの「心の病院」となれば幸いです。
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