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日本に暮らす避難民の“今”を明らかに――プラン・インターナショナルが新調査発表

update:
国際NGOプラン・インターナショナル
避難の先にある暮らし:日本に暮らす避難民の現実とは? 調査から見えた生活の実態と支援の必要性



国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、日本で暮らす強制避難民の生活実態と課題、必要な支援を明らかにした新たな調査「避難の先にある暮らし 日本で生き抜く人々の物語」を発表しました。本調査は、日本に暮らすさまざまな国籍の避難民62名のアンケート回答および11名の避難民へのインタビューにもとづき、就労機会と在留資格をめぐる不安定さ、言語・文化の壁、ウェルビーイングへの影響を可視化しています。

避難民を巡る状況

≫グローバル:
世界的な強制移住は拡大傾向にあり、2024年時点で1億2,200万人が強制的な移動を余儀なくされ、約3,200万人が難民(難民に準ずる状況を含む)と推計される。主要な難民発生国はシリア、ウクライナ、アフガニスタン、南スーダン、スーダン、ミャンマー、コンゴ民主共和国などである。

≫日本における避難民受け入れ状況:
日本では受入と支援が依然厳しく、在留資格の取得・更新条件などが不明確で、難民認定率は全体の1~2%にとどまっている。こうした状況は、強制避難民の生活や就労の安定化困難をもたらしている。
- 難民認定は累計申請11万7,860件のうち1,610人(認定率1.5%未満)。2024年は申請1万2,373件、認定190人(アフガニスタン102人等)
- 再申請は2024年3,273件で前年より約37%減(改正入管法の影響が指摘される)
- 補完的保護は制度開始後1,661人が認定、約95%がウクライナ出身。
- 主な在留者数:アフガニスタン6,402人、ウクライナ4,543人、シリア1,711人、コンゴ民主共和国884人、スーダン470人、パレスチナ127人。


[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/12939/285/12939-285-3344bab8b424ee66154233cc3779a315-200x283.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

調査の概要・対象:日本で暮らす各国出身の強制避難民
・方法:定性・定量調査(インタビュー11名、オンライン調査62名)
・期間:2025年1月~4月
・目的:直面する課題、在留資格・生活状況に応じた必要支援の把握



≫調査要約版
d12939-285-bf627832331ecb303c1b3c73b72878e8.pdf≫フルレポートはこちらのページからご覧いただけます

主な調査結果(サマリー)

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/12939/285/12939-285-c618eefb9e6c4afab45332689e15e63c-1000x501.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


1.在留資格と就労が最大のボトルネック
・今後の生活での最大懸念として「在留資格」を挙げた人が35%(22名)。
・「就労ビザ等への在留資格変更支援」を必要とする人が約40%(24名)。
・雇用に関する懸念を挙げた人が47%(29名)。約70%(43名)が就職支援を必要とし、63%(3名)が自身の職歴・スキルに合致する仕事の確保に困難、40%(25名)が生活費を賄える仕事の確保に困難。
・ 短期ビザ滞在者は、雇用主の在留資格制度への理解不足や懸念から、より大きな障壁に直面。
2.言語・文化・情報へのアクセスの壁
・約70%(43名)が言語的な課題・コミュニケーション困難・交流機会の不足を経験。57%(35名)が地域住民との交流機会をほとんど/全く持たない。
・就職活動・採用過程での意思疎通困難は60%(34名)。進め方の理解困難が40%(21名)。
・国籍を理由とした雇用拒否の経験は6人に1人(10名)。考え方・文化差による誤解経験は約35%(21名)。
3.生活の不安定さがウェルビーイングに影響
・将来不確実性によるストレス・不安を感じる人が40%(26名)。感情的疲弊25%(15名)。社会的圧力を感じる27%(17名)。それでも55%(34名)が日本に住み続けたいと回答し、その意思は自己成長やキャリア機会に左右。

日本に住む避難民の声~インタビューから抜粋~
・言語・文化の壁がキャリア形成を妨げる
「女性として日本では自分らしさを感じますが、言語の壁がキャリアの構築を妨げています。」(アフガニスタン出身・女性))
・在留資格の不安定さが就労・住居を阻む
「専門職に採用されたが在留資格を取り消された。在留資格の関係で賃貸契約を断られたことも。」(シリア出身・男性)
・安定的就労と家族の再統合の希望
「就労ビザを得て妻を日本に呼ぶことができ、本当に嬉しい。」(コンゴ民主共和国出身・男性)
・専門性を活かす仕事へのアクセスの難しさ
「専門性を活かして生活を支えられる職に就きたいが、困難な場合は他国への避難も考えざるを得ない。」(ウクライナ出身・女性)


アンナ・シャルホロドウスカー職員のコメント(ウクライナ出身、本調査担当)

多くの避難民が優れた専門的経歴を有しているにもかかわらず、言語の壁、情報不足、文化的な違いにより、自身の能力や資格に見合った職に就くことが困難となっています。加えて、雇用主側の在留資格制度に対する理解の乏しさが、雇用機会をさらに制限する要因となっています。このような状況を踏まえれば、強制避難民に対してより包摂的な環境を整備することは、彼らの自立支援に資するだけでなく、日本社会および経済全体にも好ましい影響を与える可能性が高いといえます。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/12939/285/12939-285-6dfa3b50906e7d389e1eec50fddf3b16-627x418.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
アンナ・シャルホロドウスカー職員

≫調査に関するアンナ・シャルホロドウスカー職員のブログはこちら

※本調査に関するご取材やアンナ・シャルホロドウスカー職員へのインタビューをご希望の場合は、広報担当までお問い合わせください。

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

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