「新緑に染まる着物がすごく綺麗でした」と紹介された写真には、色濃く染まった青もみじの柄の着物を着た美少女のイラストを手に持つ様子が写っています。

 季節を感じる美しいイラストですが、よく見てみるとこの写真に潜むある秘密に気付きます。そう、この着物は柄の部分が切り抜かれており、背景の青もみじが柄として写り込んでいる切り絵の作品なのです。

 切り絵と新緑が融合した美しい作品を披露したのはツイッターユーザーのEricaさん(@Erica__kirie)。この作品自体は過去に制作したもので、これまでにも四季折々の景色と切り絵の組み合わせをツイッターにて投稿してきました。春には桜、梅雨時期にはあじさい、秋には紅葉と、同じイラストでも季節により全く違った作品に生まれ変わります。

春には桜の花と融合

秋には紅葉と融合

 また、景色が写り込む作品であることから、一度撮影した写真と全く同じ写真を撮影することは実質不可能。一瞬を切り取った綺麗さと、再現できないはかなさを持つこともこの作品の魅力です。

 切り絵の制作にかかった期間は約4日とのこと。瞳の色も変わるように丁寧に切り抜かれていたり、髪の毛の部分には手に持っている一輪の薔薇に合わせて、薔薇の模様が入った折り紙を張り付けていたりと見せ方のこだわりも満載。切り絵作品としても美しい作品に仕上がっています。

 この景色と合わせる切り絵のアイデアは、3年ほど前にこのEricaさんの作品のように、切り絵と景色を合わせた方の作品を見て感動したことがきっかけだったのだそう。加えても元々着物が好きだったので、紅葉と組み合わせたらどんなにきれいな作品になるだろう?と見てみたくなり、自分でも作ってみようと思い立ったとのこと。

 ツイートには9万件を超える「いいね」がつくなど大きな話題に。

 Ericaさんは「まさかここまで反響があるとは思わなくて……正直びっくりしました。たくさんの方に見ていただけて感謝の気持ちでいっぱいです」とコメント。ツイートの返信欄には「四季がある国で良かった」「癒されてます!こんな着物着たいなー」と、作品を見た方からの感動の声が多数寄せられています。

<記事化協力>
Ericaさん(@Erica__kirie)

(山口弘剛)