イラストは二次元の世界で描かれるものですが、三次元との境界線を踏み越えたように感じさせてくれるのが、トリックアートの魅力。パッと見た目では気づかないところに、仕掛けが隠れています。

 Twitterに投稿されたのは、背中をつまみ上げられたハリネズミのイラスト。よく見ると、つまみ上げているのは本物の指です。一体どうなっている?

 このイラストを投稿したのは、北海道を拠点に活動する画家の晴夏さん。さまざまなモチーフを手掛けていますが、特に知られているのは「罫線で遊ぶ動物」シリーズです。

 今回の作品ですが「もともと少し遊び心を加えたような絵を描くのが好きで、よく描いているうちの一環です」と話してくれました。罫線で遊ぶ動物も、そんな遊び心から生まれたものなのだといいます。

宙に浮かぶ魚(晴夏さん提供)

 ハリネズミは背中のトゲが刺さらないよう、抱っこする際にはつまみ上げられることもしばしば。そんな様子がシャープペンシルと色鉛筆で描かれています。

晴夏さんのツイート

 実際の指でつまみ上げている仕掛けは単純明快で、背中部分の境界線に沿って切れ目を入れ、そこに指を通したもの。背中がちょうどタグのようになるので、イラストを「つまみ上げた」形になります。

 種明かしされると納得ですが、写真としてツイートされるだけに二次元と三次元がごちゃ混ぜになり、一瞬目がバグってしまいますね。これには実際につまみ上げられたハリネズミの写真をリプライで寄せている方もいて、晴夏さんは「各々楽しんで頂けて嬉しいです」と反響に対してお礼を述べていました。

 トリックアートはアイデアが先行していると思いがちですが、確かな画力あってこそ、より効果を発揮します。晴夏さんの素敵なイラストは、それを再確認させてくれますね。

<記事化協力>
晴夏さん(@_harenatsu)

(咲村珠樹)