「取り付け後だと塗りにくそうだから、手だけは先に仕上げます」

 つぶやきとともに、1枚の写真を投稿したのはやすひでさん。そこには、手の甲と手のひら、2つの手が写っています。

 一見すると、単なる手を写した何気ない1枚ですが……ん、塗る?実はこの2つの手は、やすひでさんが塗装したフィギュアの手なんです。これはすごいぞ……!

 2年ほど前から「リアルフィギュア」の存在を知り、さらに模型フィニッシャーの田川弘氏の著書「PYGMALION 女子フィギュア惑溺仕上げ」に感銘を受け、以降はフィギュアの塗装にのめり込むようになったというやすひでさん。

 昨年(2021年)3月に開設したというTwitterアカウントでは、「こんな感じで塗っています」という趣旨で、塗装工程を投稿しています。

 今回投稿した「手」は、関節部分の「皺」や血管部分にこだわって塗装されました。ちなみに血管部分は、まず線描きをしたのちに「スパッタリング」という手法で、様々な色で複数回吹き付けています。結果、うっすらと見えるような「血管」に変貌。

線描きしたのちにスパッタリングを用いた血管。

様々な色で複数回実施した結果、うっすらと見える血管に。

 「一瞬でも『本物』と見間違えてもらえるような塗装をしたく思っています」という狙い通り、本作は、フィギュアであることが逆に“疑問”に感じてしまうほどの精巧さ。投稿のリプライ(返信)欄でも、勘違いしてしまったユーザーが続出しています。

<記事化協力>
やすひでさん(@YasuPj)

(向山純平)