今や全国的にも知られている、朝ラーメンを食べる風習、通称「朝ラー」。朝からラーメンなんて、重くない?と思うかもしれません。
実は筆者も、最初「朝ラー」に誘われた際には、躊躇なくお断りをしておりました。もちろん朝からラーメンなんて信じられないという理由で。しかし、時が経ちその文化が徐々に知られることとなった現在。めちゃめちゃ「朝ラー」を食べたい。そう思えるようになりました。
今回はそんな「朝ラー」の中で、静岡県藤枝市にある「朝ラー」発祥の地とされる「マルナカ」に行ってきました。
■ 「朝ラー」発祥の地「マルナカ」とは
「朝ラー」といえば、静岡県藤枝市が発祥とされております。県内に住む筆者としても、もちろんその事実は知っていたのですが、残念ながら「藤枝」の地で「朝ラー」を食べたことがありません。
せっかくであれば「朝ラー発祥の店」とされる「マルナカ」に行ってこよう、ということで「藤枝」にやってまいりました。いやあそれにしても暑い。
創業1919年という「マルナカ」の所在は、駅前ではなく「志太郡」とよばれるエリア。藤枝駅から2km弱で、車でいくと7分程度。歩いていけなくもない距離ですが、この時期に歩きはかなりつらいので、観光のついでなどで行く場合にはタクシーがオススメ。
ということで、この日もタクシーを使って「マルナカ」に向かいました。タクシーの運ちゃんに朝ラーの「マルナカ」といったら速攻わかってくれたので、やはりこのエリアではかなりの知名度があるようです。
入り口では「たぬき」がお出迎えしてくれます。なお、訪れたのは朝10時でしたが、行列ができているということはありませんでした。開店から2時間半ほどたっていたので、少し落ち着いているのかな?
■ 朝10時でも結構混んでいた
そのままスムーズに店内へと入ると、外からは想像つかないほど混んでいました。昼でもなく、早朝モーニングでもない10時というビミョウな時間帯にも関わらず満席。さすが100年以上の歴史のある老舗、としかいいようがないわけです。
入り口すぐに券売機があるので、「朝ラー」のチケットを購入。ちなみに「朝ラー」という商品があるわけではなく、朝にラーメンを食べるから「朝ラー」。つまり、商品名ではなく文化のことを言います。
メニューもシンプルで「中華そば(並:600円/大盛:700円)」、「冷やし(並:700円/大盛:800円)」、「チャーシューメン(並:750円/大盛:850円)」の3種類。
この中から、夏の朝といえばサッパリと食べたいので「冷やし」を選択。ただ店内の客を見てみると、その多くが「中華そば」を頼んでいました。
■ 「マルナカ」の「朝ラー」特徴は……
席に座り数分ほどで「冷やし」が到着。素晴らしい、自分が想像していた通りの「朝ラー」。やはり夏の朝は「サッパリ」としたい、というわけで自分の中で「冷やし&醤油ベース」と勝手に決めつけておりました。
箸で麺を持ち上げるとスープと絡み、結構重みを感じます。見た目は「あっさり」ですが、決してサラサラのスープではないようです。チャーシューはトロットロのものではなく、硬めの昔ながらのチャーシュー。
では、食べていきます。
はい、おいしい!これは文句なしですね、見た目からして既に美味しいのですが、食べてみるとやはりウマイ!麺は「中太麺」で、まるで「冷麺」のように、コシと弾力が結構あります。
そして、醤油ベースのスープが麺に絶妙に絡み合い、上品で程よい甘さと旨味を感じます。さらに、「わさび」がうまい具合にラーメン全体の味を調え、クセのない味わいに仕上げてくれております。
ラーメンにわさびなんて合うの?と思うのかもしれませんが、「冷やし」には必需品だと感じるレベルです。
あっという間に完食、ごちそうさまでした。
ちなみに、マルナカ通ともなると「冷やしと温」を頼んで、1度に2杯食べると聞いたことがあります。「冷やし」がやや甘口なので、通常の「中華そば」も注文して、味を切り替えつつ楽しむのだとか。人によっては、冷たいもののあとに温かいもの、温かいもののあとに冷たいものというパターンも。こうした食べ方もあり、サッパリ食べやすいように作られているのかもしれません。
朝ラーの聖地ともいえる静岡県藤枝市の「マルナカ」。訪れてみるとさすが名店とうならざるを得ない、素晴らしい一杯に出会えました。なお、営業時間は朝の8時30分~13時20分までの、朝特化型となっているので訪れる際には注意が必要です。
<参考>
マルナカ中華そば
(たまちゃん)