「子ども用の補聴器なくしました……」Xにて、落胆した様子でこうつぶやいたのは3児の母「ウルフ」さん。投稿をよく見ると、おたくま経済新聞が2月3日にポストした「補聴器を拾ったら警察へ!シリアル番号で持ち主が特定できるようになっていた」の記事を引用しています。
投稿は7千回以上リポストされ、374万回ビューを記録。多くの方が事の行く末を見守ることとなりましたが、その翌日には無事補聴器が見つかった、との報告が。これは良いXの使い方!……ということで、今回ウルフさんに事のいきさつをうかがってみました。
先に補足として説明しておくと、難聴患者の聴力を補う補聴器は、実は片耳だけで数十万円もする高価な物。そのため紛失してしまった場合、新たに買い替えることは経済的に大変大きな負担となります。
こうした問題を解決するために、補聴器にはひとずつにシリアルナンバーが振られていて、警察に届けることで持ち主が特定できるようになっており、これを紹介したのがウルフさんが引用した元記事の内容でした。
■ 補聴器発見までのいきさつ
ウルフさんがお子さんの補聴器を紛失したことに気付いたのは、6月10日の外出から帰宅した後。その日訪れた施設にすぐさま連絡したものの、届け出はされておらず、弊社記事を引用してポストを行いました。
翌日は現地に再度足を運んで問い合わせを行うと、やはり届いてはいなかったそうですが、複数の方が探しに来てくれていたことを教えてもらったといいます。投稿を見て行動してくれた方がいるなんて、それだけでもなんだかうれしくなりますよね。
するとその日の夕飯時に、紛失した日に訪れたうなぎ店から発見の連絡が。当時の心境を「もう諦めかけてたのでめちゃくちゃ嬉しかったです!」とウルフさん。13日に無事受け取りを完了したもようです。
■ 持ち主も知らなかった補聴器の仕組み
実はウルフさん自身も補聴器を購入した際、落とした補聴器が警察に届けられた場合には、持ち主が特定できる仕組みがあることを聞かされていなかったのだそう。当事者でも知らないことなので、一般の方だとなおさらでは?と感じたことから、引用することにしたのだそうです。
ウルフさんの予想を超え、投稿は広く拡散され、周知を広めることに成功しましたが、一方で補聴器の再購入を躊躇することに対する心無い声も寄せられていました。
それでも「悪い反応もありましたが、圧倒的に優しい反応のが多く、知らなかった事もたくさん教えてもらえて、いい経験になりました!」と明るく応じたウルフさん。こうした声に臆することなく、あきらめずに一生懸命探したからこそ、多くの協力者があらわれたのでしょう。
今回の場合はお店からの連絡という流れで無事持ち主の元にもどりましたが、もしそれ以外の場所で拾った場合には警察に届けるようにしてください。また、お店の方も「忘れ物」として届いた場合には、各お店のルールに従いつつ、あまりに取りにこない場合には同じく警察に届けてみるとよいでしょう。
なお、今回拡散されたポストは、ウルフさんの「消した方がいいのかな…でも優しさに触れた証というか思い出というか…消したくない」という思いから、現在も消さずに残されています。かわりにHNを「ウルフ@補聴器見つかりました!!」と変更して見つかったことを周知。あわせて、発見報告したポストを固定ポストとして設置しています。
子供用の補聴器無くしました…
各務原イオン、羽島の魚勝に行きました
色は青、耳に差し込む部分は半透明の青でラメが入っています…とても高い物で補助も5年に一度しか使えずまだあと4年は使えません…低所得の為再購入が困難です😓
よりによって聴力悪い方の左耳を失くすという失態。ツライ https://t.co/ElGid8cjGp— ウルフ@補聴器見つかりました!! (@mamawolf35) June 10, 2024
<記事化協力>
ウルフ@補聴器見つかりました!!さん(@mamawolf35)
(山口弘剛)