これは本物の梅干し!? と見紛うほどのヘアゴムがTwitterで話題になっていました。
食品サンプル好きが高じてインストラクターになったchieさんの作品「米粒付梅干しのヘアゴム」。見ているだけで口の中が酸っぱくなりそうなほど見慣れた梅干しに、米粒がパラパラとくっついていて……何だか美味しそう!
このchieさんの作品が「ヘアゴムでこんなにときめいたのは久しぶりです」や「そっとご飯の上に載せたいです」など、そのクオリティもさることながら、今までにない食品サンプルということで注目を集めています。そこで、chieさんに一風変わった食品サンプルを作るようになった経緯を詳しく伺ってきました。
米粒付梅干しのヘアゴムをTwitter販売いたします!頭に梅干しを付けて歩きたい人がそんなにいるとは思えず…でも一応15個作りました(笑)明日6月12日20時より受付いたします。詳細はその時に。以前よりDMでお問い合わせいただいている方はすでに予約済ということでご用意させていただいております! pic.twitter.com/j5Za4w6gNS
— chie (@nisemonogakari) June 11, 2018
――食品サンプルインストラクターとはどのようなことをするのですか?
カルチャースクールやイベントなどで、一般の方にも楽しく食品サンプル作りを体験していただけるように指導・お手伝いをしています。
――食品サンプルに魅せられたきっかけを教えてください。
幼い頃からレストランや喫茶店のフォークが浮いたパスタやチーズがとろ~っと糸を引いたピザがとても不思議で眺めるのが好きでした。大人になり、子供の頃に憧れの眼差しで見ていた食品サンプルが自分でも作れるものなんだ?! と知り、そこからはもう夢中です!
――chieさんが作られる食品サンプルは、梅干しと米粒がついたゴムなど食べかけのものをモチーフにしたものが多いように感じたのですが、それはなぜですか?
梅干しやパンなどの食品サンプルは今までもたくさんありました。本物そっくりでも他と同じではおもしろくない。米粒付きだったり食べかけだったりの作品は、師匠の影響が大きいと思います。私の師匠が作る作品が、いつも枠を飛び出しているのです(笑)そんな師匠の影響もあり「誰も作っていないものを!」と意識して作品作りをしています。
――だから普通の食品サンプルとは一味違った作品が多いのですね! ちなみに梅干しのヘアゴムは、どのぐらいの制作期間がかかるのですか?
梅干しのヘアゴムは、乾燥を含めると1週間くらいの時間がかかりますが、実際に手にとって作業しているのは3~40分です。
――梅干しのヘアゴムを身に付けてみた方の反応はどのようなものでしたか?
いきなり笑われるというより「……え?」「……梅干し?……ご飯??」と何が何だかわからない様子でじっと見られ、その後クスッとした笑いに変わります。いきなり大爆笑!……は、ないみたいです(笑)
――chieさんが作る食品サンプルの中でも、納豆のネバネバを表現したものが良く再現されていて、制作が難しそうだなと思ったのですが、これはどのように作ったのですか?
納豆のネバネバは本当にいろいろと研究しました。どんな材料をどのように使ったら本物のネバネバに見えるんだろうと。なので……内緒です(笑)。
――特に、イカ焼きの焼き目がとてもリアルに見えました!
イカ焼きをお褒めいただきありがとうございます! 焼き色はすべてアクリル絵の具です。筆で塗っています。イカ焼きの画像を見ながら何色かの絵の具を混ぜ、画像とにらめっこをしながら同じ色合いを作ります。本物に見えるような、絶妙な色を探し出す作業も楽しいです(笑)。
――私も作ってみたいなと思うのですが、食品サンプル作りは、全くの素人でも出来るものですか?
どなたでも作れますよ。体験教室などもあり、小学生の夏休みの工作や自由研究でも大人気です。私は、インストラクターの資格を取得するために認定講座に通いました。1年間、作品を作りながら材料の取り扱いなどを学びました。
「今後はどのような作品を作っていきたいですか?」と聞いたところ、「今後は誰もが知ってる食べ物をモチーフにした作品を作っていきたいです」とのこと。最後に、納豆のネバネバについては内緒と言いつつも、少しだけ作り方を教えていただきましたが、やはり人とは違う新しいものを作り上げるには、日々の試行錯誤が必要なんですね。
<記事化協力>
chieさん(@nisemonogakari)
(黒田芽以)