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貧困とは何か。努力によって克服できるのか。『人生は生い立ちが8割 見えない貧困は連鎖する』(ヒオカ・著/集英社新書)が2025年2月17日(月)に発売。

update:
   
株式会社集英社
地方の貧困家庭で育ち、自らの体験を綴った話題作『死にそうだけど生きてます』の著者であるライターのヒオカ氏が、日本の“貧困”の実情に迫る!



 人は生まれ育った環境に大きな影響を受ける。今の日本はとりわけ経済的要因で人生が左右される。
飢え、住む場所がない、非正規雇用の増加など「見える貧困」も問題だが、習い事や修学旅行に行けない、誕生日のお祝いをしないなどの「体験格差」、さらに自己肯定感や忍耐力、協調性などの非認知能力が育たない「見えない貧困」も蔓延している。
 
 著者のヒオカ氏は、自ら貧困家庭で育ち、その体験を『死にそうだけど生きてます』(CCCメディアハウス刊)や『死ねない理由』(中央公論新社刊)などに書籍化してきた。だが、貧困の実情を知るには、体験ベースの話以外に、データを用いて客観的な事実を見ていく必要がある。
 今回刊行する新書『人生は生い立ちが8割 見えない貧困は連鎖する』(集英社新書刊)では、貧困が連鎖するメカニズムや、そこからの脱出がいかに困難かを、実体験やデータを交えて分析。統計を専門に扱う東京大学大学院経済学研究科の山口慎太郎教授との対談では、「親から子に受け継がれるもの」を考察し、貧困を断ち切るための政策・方法を検討していく。

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本書の目的は、不可視化されている見えない貧困の実情を詳(つまび)らかにすること。さらに、自らの努力の結果であり、ある程度選択可能だと思われている経済状況や社会的地位が、いかに自らの選べる範疇(はんちゅう)を超えたところで決まるのかを可視化することだ。
     ―――『人生は生い立ちが8割 見えない貧困は連鎖する』「まえがき」より一部抜粋

【目次】
まえがき
第一部 見えない貧困は連鎖する
 「健康的で文化的な最低限度の生活」
 貧困は精神的余裕を奪う
 「ズルい」「贅沢だ」で切り捨てられるもの
 大人の貧困は同情されない
 貧困問題は人権問題である
 教育格差の実態
 奨学金をめぐる議論
 キッズドア・玉木絵梨さんインタビュー
 地域若者サポートステーション・寺戸慎也さんインタビュー
 「弱者」が優遇されている?
 「まとも」「普通」に生きられなかった人への想像力を
 「選ばない」と「選べない」は違う
 見えない格差─(1)文化資本
 見えない格差─(2)非認知能力
 見えない格差─(3)貧困税
 スタートラインは平等ではない。一人ひとり違う
 「標準モデル」のレベルが高すぎる
第二部 ヒオカ×山口慎太郎 学問の最先端から見えてくる、現実を変える方法
 「非認知能力」の格差とは
 「非認知能力」は後天的に身につけられるか
 保育所利用の問題点
 学歴が高いと、しつけの質も高くなる理由
 「非認知能力」を形成するには
 「文化資本」の何が子どもに影響するか
 情報格差がもたらす申請主義の問題点
 親子で似やすい行動とは
 健康行動も文化資本で決まる
 親子で職業が似てくる理由
 胎児のときの影響が大人になっても……?
 不摂生は「自由意思」か?
 「諦め」は生育環境から
 リスキリングを必要とする人こそ、リスキリングに向かえない
 「他人を信頼する」社会関係資本が貧困だと……
 「体験格差」は贅沢か?
 奨学金は「出世払い」にせよ
 所得の再分配は経済成長に直結する
 「税金」に対する大いなる勘違い
 貧困対策は社会への投資
 稼ぐ能力はどこからくる?
 少子化は「人権問題」である
 データを見れば「自己責任論」は言えなくなる
 なぜ日本は「自己責任論」が強いのか
 格差は本当に広がっているのか?
 今こそ投資と再分配を
 これからの社会に必要なこと─(1)同一労働・同一賃金の徹底を
 これからの社会に必要なこと─(2)教育機会の均等を
 「Fラン」大学批判が見落としているもの
 奨学金制度の盲点
 結局は親子であらゆるものが似る
あとがきにかえて
 親の貧困、子に報い?
 分断を溶かすために
 人生の結果は生い立ちか努力か

【著者プロフィール】ヒオカ
ライター。1995年生まれ。社会問題からエンタメまで様々なテーマで取材・執筆。著書に『死にそうだけど生きてます』(CCCメディアハウス)『死ねない理由』(中央公論新社)がある。      X:@kusuboku35 Instagram:@hioka35

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【書誌情報】タイトル:人生は生い立ちが8割 見えない貧困は連鎖する
     ※電子版もございます。 
著者:ヒオカ
発売日:2025年2月17日(月)
価格:1,100円(10%税込)
判型:新書判
頁数:288
ISBN:978-4-08-721351-5
集英社新書



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レーベル発刊25周年を迎えた「集英社新書」について

“知の水先案内人”をキャッチフレーズに、1999年12月に発刊されたレーベル。大量に流れ込む情報の海を泳ぎ渡るための「知識に裏付けされた知恵」を提供=案内する「真の意味での実用書」をコンセプトとする。旬な人物やタイムリーな話題を掘り下げる一方で、集英社ならではのエンターテインメント性と「知」を接続する企画にも挑戦し、幅広い世代が手に取りやすい新書を目指します。

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