おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

就寝中にバッテリー爆発の恐怖体験→「消したと思ったのに…」まさかの再発火で二度目の戦慄

 たびたび発生するモバイルバッテリーの爆発・発火事故。Xユーザーの熊ノ翁さんは先日、睡眠中にその事故に遭い、あわや火事という事態に見舞われました。

 大きな爆発音とともに飛び起きると、布団と枕が盛大に燃えていたそうです。

  • ■ 普通に使っていても起こり得る、モバイルバッテリーの発火事故

     モバイルバッテリーに搭載されたリチウムイオン電池を主な原因として発生する、この手の発火事故。2024年2月にはJR山手線の車内で、モバイルバッテリーから発火し、座席の一部が焦げるなどした事故も起こっています。

     発火事故は使用者の明らかな誤使用のみならず、製品の欠陥による場合もあるため、いつ誰の身に起こってもおかしくありません。

     今回事故に遭った熊ノ翁さんも、常識の範囲内でモバイルバッテリーを使用していました。製品の膨張や充電中の高熱といった、爆発する予兆のようなものも見られず、ある日突然発火したとのことです。

     Xに投稿された画像には黒く焼け焦げた寝具と、すっかり溶けてしまったバッテリー本体が生々しく写っています。

    寝具が黒焦げ

     被害は布団のほか、首筋にはヤケドを負い、髪の毛が燃えるなどした熊ノ翁さん。さらに恐ろしいのが、火元に水をかけて消し止めたと思っていたのに、「時間が経ってから再発火した」という点です。

     もし火を消し止めたことで満足し、外出していたら……自宅が火事になっていてもおかしくない状況でした。

     誰の身にも起こり得る火事寸前の発火事故。熊ノ翁さんに、当時の状況について詳しくうかがってみました。

    ■ 水をかけて鎮火に成功したと安堵するも……40分後に再発火

    −− 今回燃えたバッテリーはどんな種類のものだったのでしょうか。
     とりあえずPSE認証マーク(※「電気用品安全法」を満たしていることを示すマーク)は付いている品でした。

    −− 使用期間はどれくらいですか?

     使用期間は2年ほどだと思います。

    −− バッテリーの爆発に気がついたのは、どんなタイミングだったのでしょうか?

     バッテリーが爆発したのは充電2時間程度経過した頃で、完全に就寝中でした。バン、と大きな爆発音と痛みがして飛び起き、見ると布団と枕が盛大に燃えている状況でした。

    本体も溶けている

    −− 布団と枕が……爆発予兆のようなものはあったのでしょうか?

    爆発の予兆は無かったです。膨張してもいなければ、落とした記憶も特に無いです。充電中に熱を持っていた様子もありませんでした。目立った破損もありません。

    −− 本当に突然の発火なんですね。発火に気がついたあとはどのように対処されたのですか?

     初期消火はこちらで行いました。鍋と丼に水入れて、燃えている布団と枕にぶっかけて消し止めました。

     その後、鎮火はしたけど念のため消防署に連絡だけは入れるかと119番通報しました。消防隊が到着して事情聴取を受けている最中に、例のバッテリーが再炎上したため、今度は完全に水没させたという流れになります。

    −− 再発火したのは、初期消火後からどれくらい経ってからだったのでしょう?

     初期消火後40分後位だったかと思います。

    −− 結構長いですね。初期消火のときは、表面上は完全に消えていたんですか?

     表面上は、完全に火は消えているように見えました。

    −− 完全に消えているように見えるの、怖いですね。消防士さん到着後、どのようにして完全な鎮火に至ったのでしょうか?

     水を張った大きめのボウルに耐火服を着た消防士さんがバッテリーを手で掴んで入れた形になります。それで火は消えました。

    −−  消防士さんから今回の件について気をつけるべきことなどの指示はありましたか?

     通報を褒められました。

     後は「充電完了したらその時点でバッテリーは抜くのが理想ですね。でも寝る前に充電ってやるよなぁ」と言われました。

    −−  何気ない日常に危険が潜んでいるということですね。本当に恐ろしいです。

    * * *

     今回の事故は初期消火をきちんと行ったこと、その後に消防署に通報したことなどが功を奏し、幸いにして火事にはならずにすみました。ただ、大きな被害はなかったためか、熊ノ翁さんのもとには「無駄なことで呼ぶな」と言った声も届いています。

     結果的に火事にならなかったとはいえ、鎮火したかのように見えたあとで再発火したという事実もあり、対応を1つでも間違えれば火事になっていました。決して無駄な通報ではありません。

     睡眠中や外出中などの充電には十分注意しつつ、万が一の際にはたとえ火が消えたと思っても、然るべき場所に通報するようにしてください。

    <記事化協力>
    「熊ノ翁」さん(@V7NnRqa0uZbvFqZ

    ※初出時、公開後に一部文字化けがありました。修正の上、更新いたしました。(更新:10時03分)

    (ヨシクラミク)

    あわせて読みたい関連記事
  • シリアルナンバーの記載場所
    商品・物販, 経済

    Anker、一部モバイルバッテリーを自主回収 製造不備と不適切な部材使用が判明

  • スギちゃん公式X(@wild_sugichan)より
    エンタメ, 芸能人

    スギちゃん、膨張したモバイルバッテリーに「爆発寸前なんじゃないの?」と悲鳴 危機…

  • サラダ油が自然発火?東京消防庁がごみ処理時の注意喚起
    インターネット, 社会・物議

    サラダ油が自然発火?東京消防庁がごみ処理時の注意喚起

  • 回収対象の2製品
    商品・物販, 経済

    Ankerがモバイルバッテリー2製品を自主回収 海外で発火事例発生

  • シュレッダーにエアダスター使用は絶対NG!エレコムが大掃除に向けて注意喚起
    インターネット, 雑学・コラム

    シュレッダーにエアダスター使用は絶対NG!エレコムが大掃除に向けて注意喚起

  • 防災専用のフリーイラストを公開 イラストレーター・いぢちひろゆきさんの活動に注目
    インターネット, おもしろ

    防災専用フリーイラストを公開 イラストレーター・いぢちひろゆきの活動に注目

  • 宇宙・航空

    ロシア軍輸送機部隊 山林火災の空中消火訓練を実施

  • インターネット, 社会・物議

    炎上の瞬間描いた実録漫画にネット騒然 こうやって燃え広がるのか……

  • ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 「台風15号が発生しました」 ご飯を待つ親子猫が見せた奇跡の瞬間
    インターネット, おもしろ

    「台風15号が発生しました」 ご飯を待つ親子猫が見せた奇跡の瞬間

  • 丼にサンマが丸ごと横たわる衝撃 牛角の「秋刀魚ラーメン」実食レポ
    グルメ, 食レポ

    丼にサンマが丸ごと横たわる衝撃 牛角の「秋刀魚ラーメン」実食レポ

  • 海岸で本当の“石焼き芋”に遭遇? 美味しそうな石に6万いいね
    インターネット, おもしろ

    海岸で本当の“石焼き芋”に遭遇? 美味しそうな石に6万いいね

  • 「え?」きょとん顔でカメラを凝視 湖に放り込まれるコーギーの決定的瞬間
    インターネット, おもしろ

    「え?」きょとん顔でカメラを凝視 湖に放り込まれるコーギーの決定的瞬間

  • 小学生の耳からシャーペン消しゴム 耳鼻科で無事摘出
    インターネット, びっくり・驚き

    小学生の耳からシャーペン消しゴム 耳鼻科で無事摘出

  • ドンキ新作「白すぎるテリヤキチキン弁当」は米にまでマヨ!圧倒的な背徳感を噛みしめろ
    グルメ, 食レポ

    ドンキ新作「白すぎるテリヤキチキン弁当」は米にまでマヨ!圧倒的な背徳感を噛みしめ…

  • トピックス

    1. お笑いコンビ・アインシュタインの稲田直樹さんの公式X

      アインシュタイン稲田の“潔白”が証明された日 暴露文化とSNS拡散が残したもの

      お笑いコンビ・アインシュタインの稲田直樹さんのInstagramが不正にログインされ、卑猥なやり取り…
    2. 【体験レポ】「落とし物:黒い封筒」を開封してみた 自宅で本当に心霊現象が起きる?一夜のゾク体験

      【体験レポ】「落とし物:黒い封筒」を開封してみた 自宅で本当に心霊現象が起きる?一夜のゾク体験

      ホラーイベント「笑える事故物件 笑えない事故物件」公式グッズの体験型キット「落とし物:黒い封筒」を体…
    3. 丼にサンマが丸ごと横たわる衝撃 牛角の「秋刀魚ラーメン」実食レポ

      丼にサンマが丸ごと横たわる衝撃 牛角の「秋刀魚ラーメン」実食レポ

      焼き肉チェーンの牛角は9月4日より、サンマを丸ごと一尾のせた「牛角流秋刀魚ラーメン」を販売しています…

    編集部おすすめ

    1. 松浦勝人会長「月1時間で100万円」“松浦顧問制度”始動 応募殺到で定員の5倍超え

      松浦勝人会長「月1時間で100万円」“松浦顧問制度”始動 応募殺到で定員の5倍超え

      エイベックスの松浦勝人会長は9月4日、自身のX(旧Twitter)で新たに「松浦顧問制度 シーズン1」を立ち上げたことを報告した。内容は「月…
    2. 「なんかやってる」4羽の文鳥 まるで連続写真?

      「なんかやってる」4羽の文鳥 まるで連続写真?

      「なんかやってる……」Xで飼い主さんにこうつぶやかれたのは、4羽の白文鳥さんたち。添えられた写真には、4羽が棚の上に連なって集まり、まるで連…
    3. 法事でオリジナルTシャツ!?音楽フェスのような斬新な引き出物が話題

      法事で配られた家紋&没年入りTシャツが話題 “フェス感”漂うセンスに爆笑

      法事の引き出物(お返し)といえばお菓子やカタログギフトが王道ではないでしょうか。しかしときには予想だにしない品をもらうこともあるようで……。…
    4. 災害関連死ゼロを目指す「EDAN」発足 フィリップ モリスら民間団体が連携

      災害関連死ゼロを目指す「EDAN」発足 フィリップ モリスら民間団体が連携

      フィリップ モリス ジャパン(PMJ)が、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)と共同で、避難生活に特化した支援ネットワーク…
    5. 「週刊文春」2025年9月4日号(8月28日発売)

      週刊文春、最新号表紙は「白紙」 48年続いた和田誠さんの表紙絵に幕

      総合週刊誌「週刊文春」は、2025年8月28日発売の9月4日号で48年間にわたり表紙を飾り続けたイラストレーター・和田誠さんの絵を終了し、大…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト