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「通知バッジ」に偽装、巧妙化するサポート詐欺の新手口とは?

 何気なく広告をクリックすると、大音量とともに突然現れるエラー画面。これは詐欺広告を入り口にした「サポート詐欺」と呼ばれる手口です。

 かつては広告ネットワークを通じて一部の大手サイトにも表示され、大きな問題となりました。現在は以前ほど目立たなくなったものの、新たな手口で再び広がりを見せています。

 いったい、どのような手法なのでしょうか。

  • ■ サポート詐欺とは

     サポート詐欺とは、突然の警告音とともに画面全体にエラー画面を表示させ、あたかもパソコンが深刻なトラブルに陥ったかのように見せかける詐欺手法です。

    サポート詐欺サイト(偽Microsoft版)

     偽のエラー画面には「サポートセンター」の電話番号が表示され、ユーザーを巧みに誘導。さらに、キーボードやマウス操作が一切できなくなる仕組みになっているため、利用者は「問い合わせるしかない」と思い込まされてしまいます。

     しかし、この問い合わせ先は正規のサポート窓口ではなく、詐欺グループが運営する偽のコールセンター。

     連絡してしまうと、高額な修理費用を請求されたり、個人情報を聞き出されたりする危険があります。そのため、画面にどれだけ深刻な警告が表示されても、決して電話をかけてはいけません。

     「サポート詐欺」への入り口となるのは、主にバナー広告です。SNSや大手ニュースサイトなど、信頼性の高いメディアで表示されることもあるため、ユーザー側は特に注意が必要です。

     ただし、一時期よりも各社対策がすすみ、入り口となる詐欺広告が掲載される機会は激減……したかとおもいきや、以前ほど目立たなくなっただけで見せ方を変えてしぶとく活動しつづけています。

    ■ 思わずクリックしちゃう「詐欺広告」

     近ごろ新たに横行している、「サポート詐欺」への入り口広告は主にFacebookで確認されています。Facebookの機能「通知バッジ」に偽装した広告で、誤ってクリックしそうになる仕掛けです。

    Facebook画面

     「通知バッジ」はスマホユーザーにとって馴染み深いデザイン。見たら早めにその内容を知りたいがために押しちゃう方も多いはず。

     しかしそれが彼らの「罠」なのです。

     筆者が今回発見した「通知バッジ風の広告」。これをクリックすると……

     出ました、「サポート詐欺」の画面です。

    サポート詐欺の画面

     相変わらずマウスは無効化されており、キーボードの操作も一部制限があり、閉じることもできません。

     これは困った……ということで表示されている電話番号に電話……したらアウトです。重ねて注意しますが、絶対に電話しないようにしましょう。

     過去に潜入調査した際の事例では、一度電話をかけると海外の番号から頻繁に着信があり、「個人情報が流出している」「削除には○万円が必要」などと持ちかけられることがありました。とにかく絶対にかけてはいけません。

     こうした詐欺画面からの脱出方法として、以下の対策が有効です。

    【全画面表示の解除】

    Windowsでは、Escキーを2~3秒押し続けると、全画面表示が解除され、ブラウザのタブを閉じることができます。

    【強制終了する方法】

    ・Windowsの場合

    「Ctrl + Shift + Esc」キーを同時に押してタスクマネージャーを起動。使用中のブラウザを選択し、「タスクの終了」をクリック。

    ・Macの場合

    「command + option + esc」キーを同時に押し、アプリケーションの強制終了ウィンドウを開く。使用中のブラウザを選択し、「強制終了」をクリック。

    ■ その他の詐欺も横行中

     今回確認された通知バッジ型の詐欺広告は、Facebookのタイムラインにも出現しています。

     AIで出力したようなカメレオンや鷹の画像、これに通知バッジがつけられた不自然な広告デザインになっています。

    カメレオンの画像を用いた詐欺広告

    タカの画像を用いた詐欺広告

     動物好きなユーザーを狙った手口かもしれませんが、とにかく違和感しかないので、広告としては目立ちます。もちろんクリックするとサポート詐欺の画面に誘導されるため、注意が必要です。

     また、最近では武田鉄矢氏の写真を使用した詐欺広告も確認されています。これは以前から問題視されている「著名人を悪用した投資詐欺」の一種とみられます。

    「著名人を悪用した投資詐欺」の一種

     この詐欺の手口は、まず「大手メディアサイト風に作られた偽記事」のページに誘導。次に目的の「投資ツールサイト」へ誘導されるはずです。

     確認のため、筆者がこの広告をクリックしてみたところ……やはり大手メディアサイト風の偽記事に誘導されました。

    Yahoo!ニュースを模した偽記事

     URLは正規のニュースサイトのものとは異なるため、すぐにこれが「偽物」であるとわかります。もちろん記事内ですすめられている、投資ツールの登録はしないようにしましょう。

     まさか「サポート詐欺」と「投資広告詐欺」が同時に現れるとは思いませんでしたが、それほど現在のFacebook広告が、この手の詐欺グループによって荒らされているということなのでしょう。

     ただ、一時期に比べると減少傾向にあります。Facebookを運営するMETAも、一定の対策を講じているのでしょう。しかし、対策をすれば新たな抜け道を見つけるという、いたちごっこの状態が続いています。

     次々と現れるこの手の詐欺。次はどんな手口で私たちの財布を狙ってくるのでしょうか。

    (たまちゃん)

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