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【国立科学博物館】栗原祐司理事・副館長が日本から36年ぶりにICOM執行役員に選出

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文化庁


 ICOM(国際博物館会議)第27回大会が2025年11月11日から17日にかけてUAE(アラブ首長国連邦)・ドバイにて開催され、11月14日に開催された第40回総会(40th ICOM Ordinary General Assembly)において、独立行政法人国立科学博物館(館長:篠田謙一)の栗原祐司理事・副館長(ICOM日本委員会副委員長)が、執行役員(Executive Board Ordinary Member)に選出されました。
 同執行役員には、これまで日本から3人(うち2人は国立科学博物館)が務めており、今回は36年ぶり、4人目の就任になります。(任期は3年間、2期まで)


ポイント


- ICOM(International Council of Museums)は、博物館の進歩発展を目的として創設された国際的な非政府組織で、世界各地の博物館及び博物館専門家が、倫理的基準と革新的実践について話し合い、交流するためのグローバルなコミュニティです。1946年の創設以来、博物館及び博物館に委託された遺産の保護と振興に取り組んでいます。


- ICOMには、国別に組織された国内委員会(National Committees)と地域連盟(Regional Alliance)、博物館の様々な専門分野に即して組織された国際委員会(International Committees)等があり、それぞれが年次会合などを開催し、最新情報の交換や知識の共有が図られています。3年ごとにすべての委員会が一堂に会する「大会(General Conference)」が開催され、2019年には第25回大会が京都で開催されました。


- 27回目の開催となる今回のドバイ大会は、「The Future of Museums in Rapidly Changing Communities(急速に変化するコミュニティにおける博物館の未来)」をテーマに、初めてアラブ・西アジア・北アフリカ地域で開催されました。次回(2028年)は、オランダのロッテルダムで開催される予定です。


- ICOMの本部はフランス・パリにあり、2025年11月現在、139の国と地域に60,410の会員がおり、120の国内委員会、35の国際委員会、8の地域連盟、21の関連団体によって構成されています。


- ICOM日本委員会の事務局は日本博物館協会(東京都台東区)に置かれ、2024年度は744の個人団体及び団体が会員となっています。青柳正規・山梨県立美術館長が委員長を務めています。


- ICOMの役員(Executive Board)は、会長1名、副会長2名、会計担当1名、執行役員11名から構成されています。今回の選挙では、執行役員に25人が立候補し、栗原理事は6番目に多い245票を獲得して当選しました。(投票権は、各国際・国内委員会が5票、地域連盟が3票の投票権を有しています。)
ICOM新会長には、Antonio Rodriguez(アメリカ、前諮問会議長)が選出されました。


- 過去に日本から選出された執行役員(当時はExecutive Council Member)は、以下の通り。
(肩書は当時、いずれも故人)

   浅野 長武 (東京国立博物館長)1953~56年及び1962~69年
   福田  繁 (国立科学博物館長)1972~74年及び1981~83年
   鶴田総一郎 (国立科学博物館事業部長)1986~89年

栗原理事のプロフィール


1966年東京生まれ。上智大学法学部・放送大学教養学部卒業。

1989年文部省入省後、ニューヨーク日本人学校国際交流ディレクター、文部科学省生涯学習政策局社会教育課企画官、文化庁文化財部美術学芸課長、東京国立博物館総務部長、独立行政法人国立文化財機構事務局長、京都国立博物館副館長等を経て、2023年より現職。本年10月10日~11月9日に当館で開催された企画展「学習マンガのひみつ」を監修した。

博物館政策、博物館運営を専門とし、日本博物館協会理事、國學院大學、同大学院、国際基督教大学、学習院大学で非常勤講師を務めている。

日本ミュージアム・マネージメント学会副会長、日本展示学会副会長、全日本博物館学会委員、アート・ドキュメンテーション学会評議員。

ICOM関係では、ICOM日本委員会副委員長、ICOM-ASPAC(アジア太平洋地域連盟)副委員長、ICOM-DRMC(博物館防災国際委員会)ボードメンバー、ICOM京都大会組織委員会運営委員長等を歴任。

主な著書・編著に、『ミュージアム・フリークinアメリカ―エンジョイ!ミュージアムの魅力』(雄山閣 2009)、『ユネスコと博物館』(雄山閣 2019 共著)、『教養として知っておきたい博物館の世界』(誠文堂新光社 2021)、『基礎から学ぶ博物館法規』(同成社 2022)など。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/1080/47048-1080-7d57d1dc250109f052685ce438c32fea-598x201.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
栗原理事 (ICOM第27回大会(2025年・ドバイ)にて)


ICOMの新役員(2025-2028)


President: Antonio Rodriguez (ICOM USA)
Vice-Presidents: Nasir Al Darmaki (ICOM UAE), Tayeebeh Golnaz Golsabahi (ICOM Iran)
Treasurer: Goranka Horjan (ICOM Croatia)
Ordinary members: Muthoni Thang’wa (ICOM Kenya), Joana Sousa Monteiro (ICOM Portugal), Yuji Kurihara (ICOM Japan), Marilia Bonas (ICOM Brazil), Kaja Sirok (ICOM Slovenia), Steph Scholten (ICOM UK), Feng Zhao (ICOM China), Jody Steiger (ICOM Costa Rica), Deborah Tout Smith (ICOM Australia), Catherine C. Cole (ICOM Canada), Ech-Cherki Dahmali (ICOM Morocco)
Chairperson of the Advisory Council: Yvonne Ploum (ICOM Netherlands)

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/1080/47048-1080-f1466cd281d824e37543e4a40a62c259-1024x624.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
今回選出されたICOMの新役員(Executive Board)(左から2番目が栗原理事)

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