2019年4月27日・28日に幕張メッセで開催された「ニコニコ超会議2019」。初日の27日に「歌ってみた」の“ラスボス”こと小林幸子さんが降臨。「平成最後の漢字一文字」で書をしたため、超ヲタ芸エリアではサイリウムのかがり火に彩られ「千本桜」を熱唱しました。

 平成の最後を飾る開催となった2019年の「ニコニコ超会議」。会場では平成を振り返り、新しい令和の時代を見据えた企画が目立ちました。時代の変わり目をテーマにした「超平成・超令和」では、新元号発表の場面でおなじみの「平成」「令和」の書(レプリカ)が、国立公文書館の協力で展示されました。


 その隣には「平成最後の漢字一文字」として、来場したユーザーが思い思いに選んだ漢字の書をしたためるコーナーも。書かれた漢字はパネルに貼りだされていきます。この会場を訪れた著名人の書も展示されています。


 このコーナーに小林幸子さんが登場。おろしたてという、ヒョウ柄の着物姿です。平成を振り返って印象深かったのは「ニコニコ動画に出会えたこと。新しい出会いがありました」と語った小林さん。若いユーザーたちとの交流で元気をもらったといい「まだまだおばさん頑張るよ(笑)」と笑顔を見せました。

 さっそく「平成最後の漢字一文字」の書に取り組みます。鮮やかな筆さばきでしたためられた漢字は「幸」でした。



 小林“幸”子と名前にも入っている字ですが、小林さんはこの字を選んだ理由として「人は幸せになるために生まれてくるんだと思います。でも、なかなかそうもいかなくて、不幸な目に遭ったりすることもあると思います。でも、私は皆さんが幸せになれるように祈ってます。一緒に幸せになりましょう」と未来への希望も込めて選んだことを語ってくれました。また、バックに展示されている漢字の中に、同じ「幸」の字を見つけて喜ぶ一幕も。


 最後に「本当は、はしたないんですけど」と着物の裾裏をチラリ。そこにはかわいらしい肉球の柄が入っていたのでした。裾裏は歩くときにチラリとのぞく、和装の隠れたおしゃれポイントとなる部分ですが、表のヒョウ柄と肉球の取り合わせは粋ですね。

 そして、超ヲタ芸エリアでは「小林幸子スペシャルショーケース『花KAGARI』」と題したイベントが開催されました。超ヲタ芸エリアとあって、ヲタ芸と小林さんの歌との共演となります。最初にヲタ芸の動きを揃えるため、ヲタ芸パフォーマンスチーム“Ginyu force”の皆さんによるヲタ芸の打ち方レッスン。

 流れを把握したところで、集まったみんなの「ラースボス!」コールの中、いよいよ「花KAGARI」がスタート。曲はもちろん、「千本桜」。ドーム状になった“衣装の一部”が鮮やかな色彩に光り、小林さんの歌声が聞こえてきます。


 その中からゆっくりと、小林幸子さんの姿が現れました。手に持っているマイクは、ヲタ芸やライブの必需品となるライトをかたどったもの。


 “ラスボス”登場に会場はヒートアップ。小林さんの衣装も光り輝きます。


 Ginyu forceの皆さんがステージでヲタ芸を打ち、小林さんの歌を盛り上げます。


 そしてクライマックス。集まったユーザーたちが、一斉にサイリウムを光らせます。オレンジの光が、まるで夜桜を照らすかがり火「花かがり」のよう。

 ヲタ芸によって揺れ動く光は炎のようにも見え、幻想的な光景となりました。



 ショーを終えた小林さんは「こんな大きいマイクで歌ったのは初めて」と笑顔で振り返ると、ニコニコとの出会いが新たな自分を引き出してくれたと話してくれました。平成が始まった頃、今はなき三波春夫さんや島倉千代子さんと「いずれ“平成生まれ”の歌手と共演する日が来るかもね」と話していたことが現実となった、と語り「また、今度は“令和生まれ”の人と共演するかも」と、3つの時代をまたぐ歌手活動に意欲を見せていました。


 夏に公開される映画「ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」で、ふたたび声優として出演するだけでなく、名曲「風といっしょに」をまた歌うことになった小林幸子さん。1998年の「ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」から21年後に、またこういう縁が結ばれたことについても、感慨深げに語っていました。もちろん「来年も超会議、出たいですね」とも語ってくれました。

取材協力:ニコニコ超会議実行委員会

(取材:咲村珠樹)