皆様こんにちは。ミリタリーにおける『食』、特にレーションについてご紹介していくDachoの『ミリヲタ的グルメ』。今回は、北欧の国デンマークのフィールドレーションです。
デンマークは、日常的にあまり接点がないように思いますが、どのようなレーションを使っているのでしょうか。
●デンマーク軍フィールドレーション
デンマーク軍のフィールドレーションは、1日分の食料が厚紙の箱に入っています。
黄色いラベルには、デンマーク語で「フィールドレーション,夏,フリーズドライ」と書かれています。この「夏」が何を意味するのかは、よく分かりません。気温が高い地域でも使用できるという意味かも、などと考えていますが…
他に「特殊」と書かれたものも存在します。また、「フリーズドライ」の他に「レトルトパック」のものもあります。
ラベルと反対側の面には、メニューが印刷されています。「メニュー番号11」、「チキンカレー 朝食」などの記載があります。「kcal:3,393」は、このレーション1箱で摂取できる1日分のカロリーになります。細かい字で書いてあるのは、どのメニューでも共通の品目(飲み物や調味料、スプーンなどのアクセサリー類)の一覧です。
●内容物
箱を開けると、かなりたくさんの物が出てきました。
細かく見ていくと、デンマーク製の物の他にノルウェイ製、ドイツ製、タイ製、イギリス製など、国際色豊かです。コストダウンのために、色々な会社の既存の製品を集めてきたのかもしれません。
【内容物一覧】 ・朝食ミックス(ベリーズ) ・チキンカレー ・ライ麦パン 2枚×4パック ・クラッカー 1パック ・ライムとコショウのツナ ・パテ ・野菜スープ 2パック ・リンゴのポリッジ ・チョコバー ・ミックスナッツ 2パック ・ダークチョコレート 2枚 ・イチゴジャム 2パック ・マヨネーズ ・チョコレートドリンク ・エナジードリンク(ラズベリー味) | ・サルサソース ・ピーナツバター ・レーズン ・チューインガム 2個×3パック ・ティーバッグ 3パック ・砂糖 3パック ・塩 3パック ・コショウ 3パック ・インスタントコーヒー 3パック ・スプーン 2本 ・歯ブラシ ・爪楊枝 3本 ・マッチ 1箱 ・ウェットティッシュ 3パック ・ジッパー付きビニール袋 |
●朝食ミックス(ベリーズ)
いわゆるシリアルです。数種類の麦とベリー系のドライフルーツと粉ミルクが混ぜてあり、お湯で戻して食べます。麦は柔らかく、甘酸っぱくて食べやすいです。
●チキンカレー
フリーズドライのカレーライスです。これもお湯で戻して食べますが、日本式とは違い、最初からカレーと米が混ぜてあります。米は、粘り気のない長粒米です。味は、カップヌードルのカレー味に似た感じで、とても美味しいです。辛さは、マイルドで子供でも食べられると思います。
●ライ麦パン
見た目は美味しそうですが、硬くてボサボサしていてちょっと残念です。保存食だから仕方がないのでしょうか……
●クラッカー
ふすま(小麦のぬか)を配合したクラッカーです。香ばしく、サクサクした歯触りが良かったです。
●ライムとコショウのツナ
味を付けてあるほかは、市販のツナと特に変わりはありません。付属のマヨネーズがとてもよく合いました。
●パテ
何のパテか書いていなかったのですが、食べてみるとレバーでした。ちょっと癖のある匂いですが、クラッカーに塗って食べると、とても美味しいです。
●野菜スープ
これは、非常に低コストなのではないかという感じの残念なスープでした。ゴミくずのような野菜のかけらは、入れない方がいいと思います。
●リンゴのポリッジ
ポリッジとは粥のような欧米の料理ですが、果物のポリッジは初めて食べました。甘みを抑えたジャムのような感じでした。
●チョコバー
ちょっとアルコールっぽい香りがありました。1個で400kcalあります。
●ミックスナッツ、レーズン
ごく一般的なミックスナッツとレーズンです。
●ダークチョコレート
カカオの量が61%のほろ苦いチョコレートです。
※調べてみたところ、カカオの量が60%以上をダークチョコレートとする説と70%以上とする説があるようです。
●チューインガム
ミントの味が強い無糖のキシリトールガムが合計6粒入っています。
●飲み物
飲み物は、チョコレートドリンク、エナジードリンク、コーヒー、紅茶と種類、量共に充実しています。
民生品を多用しているせいもあってか、全体的に美味しいレーションでした。
我々日本人にもすぐに馴染める味だと思います。
【注意してください!!】
デンマーク軍レーションを初めとする各国のレーションは、我々民間人が手に入れて食べることを前提としていません。
これらを販売する業者なども、あくまでコレクション品として取り扱っています。
食品としての安全性は、各国政府、製造業者、販売者の誰も保証してくれませんので、万が一食べる場合は、すべて自己責任になります。
(文・写真:Dacho)