青い種子は太陽のなかにある2013年5月で没後30年となる今年、寺山修司の未発表戯曲が東京都内で発見された。


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2007年に死去した舞台監督・田中好道氏の事務所に保管されていたもので、次男の英世氏が遺品を整理する中で発見したもの。多くの寺山作品が出版される中、新発見の戯曲は極めてまれなこと。

評論家の三浦雅士氏は、「音楽と舞踊、土俗的なエピソードが盛り込まれ、後の『天井桟敷』(1967年結成)時代の特徴が萌芽的に見られる。寺山演劇の形成過程がうかがえる興味深い資料だ」と評価している。

なお、この寺山修司未発表戯曲「青い種子は太陽のなかにある」が、株式会社講談社刊行の文芸誌「群像」6月号(5月7日発売)に掲載される。

―概要
物語は、スラム街近くの公園に市役所の役人が「立入禁止」の札を立てるところから始まる。民主党代議士の力添えがあり、浮浪者対策委員会が浮浪者のためにガス水道完備の近代アパートを建てるというのだ。しかし、その建築現場で事故死した労働者の遺体を関係者が隠匿するのを工員の賢治が目撃してしまう……。
男女のすれ違い、スラム街住人のドタバタなど、「天井桟敷」以前、20代の寺山修司が描く、反体制的な思想の萌芽を秘めた先駆的ミュージカル。

群像公式サイト
http://gunzo.kodansha.co.jp/