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8.6秒バズーカーの「都市伝説」が風評被害レベル

 「ラッスンゴレライってなんですのん~」のリズムネタで大ブレイクした、お笑いコンビ『8.6秒バズーカー』。
昨年末出演したテレビ番組がきっかけで若者を中心に人気に火が付き、最近では連日ニュースを賑わせ、各地のイベントには引っ張りだこという人気ぶりだ。

  • 【関連:「ラッスンゴレライ」の意味判明か!?ヤフー、検索急上昇芸人スペシャルネタ動画を検索結果に表示!】

    8.6秒バズーカー

     そんな人気絶頂の二人について、ここ半月ほどネット上である噂が拡散されている。
    彼らの持ちネタである「ラッスンゴレライ」及び、「8.6秒バズーカー」が、原爆に由来するというのだ。な、なんだってー!!!

    ■Twitter発祥の都市伝説

     勿論そんな話は公式には発表されていないし、本人達だってそんな事は一言も言ってない。誰かが勝手に想像し、ネットに投稿したものが一人歩きし「都市伝説」と化してしまっているのだ。

     当初は「こじつけすぎる」として信じない人が大勢いたが、このネタが最初に投稿されたTwitterから転載に転載を重ねるうち、色んな人達によって話が肉付けされ、さらにはまやねんの個人Twitterアカウントと噂されるものに、デビュー前「日本オワタ。中国と韓国とロシアに一気に攻め込まれる(笑)植民地ぷぎゃあ」と投稿していたとし、今度は「=反日」という図式に。
    そんな調子で「こじつけ」が積み重なってしまい、最近では「ここまで一致するというのも不自然だ」という流れができている。

    ▼噂の一部

    ・8.6秒バズーカー=8月6日の原爆投下日

    ・ラッスンゴレライ=「落寸号令雷」という意味で米軍の原爆投下の号令

    ・ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん=広島に原爆を投下したB29「エノラ・ゲイ」を揶揄→米陸軍機にB29「CHOTTO MATTE(機体番号44-86400)」があった

    ・キャビア・フォアグラ・トリュフ=
     キャビア→小さい玉子→littleボーイ
     フォアグラ→ファットマン→長崎に落とされた原爆
     トリュフ→キノコ→キノコ雲

     上記はあくまで一部を抜粋しただけ。正直、こじつけるにも程がある!という内容だが、意外にこれでも信じる人は少なからずいる。
    他にも田中シングルの決めポーズが、長崎平和記念像や広島原爆の子の像のポーズに似ているというこじつけまである。

    ■で、「ラッスンゴレライ」ってなんですのん?

     そもそも今回の話は彼らの持ちネタ「ラッスンゴレライってなんですのん~」から始まっている。「ラッスンゴレライ」という響きがリズミカルだけど意味不明とあり、ネットの検索では「ラッスンゴレライ」と検索すると「ラッスンゴレライ 意味」という検索候補がすぐ出てくるほどよく調べられている。それぐらい多くの人が関心を持ち、意味を知りたがっていた事のよう。

     この答えの一部は、Yahoo!が3月30日まで行っていた、『ラフ―ジャパン』という動画キャンペーンの中で明かされていた。
    キャンペーンではYahoo!検索を用いて「ラッスンゴレライ 意味」とそのまま検索すると、その謎の一部を明かした動画を見ることができた。

     動画では、田中シングルが「ラッスンゴレライってなんですのん」といつもの調子ではまやねんに問いかける。するとはまやねんが「○○○○○○」と答えてしまうシーンがあったのだ。
    ○○○○○○の部分は音声が伏せられていたが、後日一部が明かされ「○○○○さん」というところまで分かっている。ちなみに最初公開された動画は前後音声が少し漏れており「お○○○さん」という風に聞こえていた。また今でも見られる動画では、画像を小さくすると「お風呂屋さん」と書かれているようにも見える。

    ラフ―ジャパン

     それから、『8.6秒バズーカー』という名称についてだが、ネットの噂のような原爆投下日に由来するわけでなく、50メートル走のはまやねんの記録が8.6秒だったことに由来している。

     とまぁ、いくら説明したところで「陰謀論」や「都市伝説」好きな人にはきっと信じて貰えないだろうし、また想像することで楽しみが膨らんでいるのだろうとは思う。

     でもあまりにやり過ぎるのは決して良いとはいえない。事実ネットにはこれを信じた一部の人が「反日!」「8.6秒バズーカーのイメージが悪くなった」といった批判の声や、「事実でないなら釈明会見すべき」という声を上げている。彼らの仕事は人気に左右される人気商売、場合によっては「威力業務妨害」と見なされる可能性だってある。
    いつかは本人もしくは、所属する吉本興業から話があるかもしれないが、外野発生の話に釈明会見するというのもまた妙な話で。「都市伝説」は「都市伝説」として流し見する程度に楽しむのが一番。「信じるか信じないかは貴方次第」ではなく「嘘か真か見抜くのは貴方次第」そんな当たり前の事が、ネットユーザーには求められているのではないだろうか。

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