理容室脇にそびえ立つ、ガンダムの勇姿――。こんな光景が見られるのは青森県上北郡おいらせ町にあるスズキ理容の店舗脇。地元では超有名スポットとのことですが、4月24日にSNSで紹介されネットでも大注目を集めています。
■作っていたのは72歳の理容師
それにしても何故ガンダムがこんなところに置かれるようになったのか?お隣にある理容室店主の鈴木さん(72)に聞いてみました。
鈴木さんによると制作者は鈴木さん自身。趣味でこつこつ作っているそうです。
鈴木さんが理容室の隣の土地(趣味スペース)でガンダムを作り始めたのは今から12年ほど前。それまでは石こうの置物を作ることを趣味にされていたそうなのですが、60歳になり、大きなものを作ってみようと思い立ったことがきっかけだったそうです。
■観音様を作るつもりがガンダムに!?
しかし、大きなものと言っても何を作ったらいいのか悩むもの。その時、お客さんで来ていた高校生にこのことを話したところ、「ガンダムがいい」と言われたのだそうです。当時鈴木さんはガンダムのことは何も知らず、その高校生のお客さんに色々と聞き、ガンダムのプラモデルがあるからそれを見るといいとすすめられ、早速プラモデル屋へ走りました。
それまでは「女神像や観音像を作ろうかなぁ」とぼんやり候補にあげていたそうですが、鈴木さんが店頭で目にしたのは1mほどある1/12ガンダム。はじめて目にした瞬間「迫力に驚き、同時にカッコいいと思った!」とやや興奮気味に話してくださいました。
ただ場所の都合上、外に出すものを作るとなるとやはり丈夫なコンクリートで作らなければならないそうです。しかもコンクリートだと重いため、脚の方から作ってブロック状にして積み重ねていくことになるのだそう。
「発泡スチロールで原型を作り、コンクリートを流し込み、中を空洞にして重さを50キロぐらいにすれば運べるでしょう?」と言われましたが、それにしてもすごすぎます。毎日、お店が手すきの時間にコツコツと作るようにしているそうで、大体1年に1体のペースで作ることを目標に作業をしているとのことでした。現在は既に9体作られているそうで、やはり毎日コツコツ作業しなければ、何体もは作れませんよね。
最後に今作っているものを聞いてみたところ、「サザビーを作っていて、もうすぐ出来上がりますよ」とのことでした。実は既にあるキュベレイの完成度の高さに驚いていたので、さらにサザビーまで!ということが驚きだったのですが、キュベレイを作られたのが6年前。作っているうちにだんだんと挑戦欲が沸いてきてしまうものだそうで、お客さんから次に作って欲しいもののリクエストも来るのだとか。
電話でのインタビューとなってしまいましたが、鈴木さんはとても穏やかで優しい声の方でした。途中で話しが盛り上がり、取材のつもりがついつい長話に……なんてことも。そんな気さくな鈴木さんのいるお店は青森県上北郡おいらせ町にあります。近くを通られる方は店の隣に並び立つ鈴木さんの力作をぜひご覧になってくださいね。
・協力:スズキ理容(青森県上北郡おいらせ町一川目4丁目6-30)
(天汐香弓)