自衛隊が導入を検討していると報じられている、アメリカ空軍の新型長距離巡航ミサイル「JASSM-ER」が、F-15Eでの実用化が達成されました。2018年2月6日(現地時間)、開発・製造元であるロッキード・マーティンが明らかにしました。

 AGM-158B、JASSM-ERは、現在アメリカ空軍などで採用されている長距離巡航ミサイルJASSM(Joint Air-to-Surface Standoff Missile)の射程距離延長版(Extended Range)。射程距離はオリジナルの230マイル(約370km)から飛躍的に延長された620マイル(約1000km)となり、より目標から離れた場所から発射できるため、発射母機が敵の脅威にさらされるリスクが低減されます。

 一連の運用試験を通じ、F-15EはJASSM-ERをはじめとする、将来における兵器の統合運用を行うUAI(Universal Armament Interface)に対応する最初の装備となりました。JASSMシリーズは、このUAIプラットフォームに準拠しており、現在開発中の長距離対艦ミサイルLRASM(AGM-158C)もJASSMをベースとしているため、UAIに準拠した機材からは問題なく運用できるように設計されています。アメリカ空軍のF-15担当部署では、F-15EでJASSMとJASSM-ERを統合運用することを構想しているとのこと。

 現在JASSM-ERはB-1B爆撃機で運用可能になっていますが、これからはF-15Eでも運用が可能になりました。また、現在F-16C/D(ブロック52)とB-52Hでの運用試験が続けられており、終了すればこれらの機材でも運用が可能になる予定です。

 Image:USAF

 (咲村珠樹)