航空自衛隊は2022年12月4日~13日、グアム島のアメリカ空軍アンダーセン基地を拠点に恒例の「クリスマス・ドロップ作戦」に参加しました。南太平洋の島々に空からクリスマスプレゼントを届けるという伝統の空輸作戦は、今回57か所に合計209個の荷物を届けました。
1952年、クリスマスの時期に南太平洋を哨戒飛行していたアメリカ空軍機が、プレゼントを眼下の島に投下したことから始まった「クリスマス・ドロップ作戦」。年々規模は拡大し、71回目を迎えた今回はアメリカのほか、4か国(日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド)から計8機のC-130が集結しました。
2015年から参加している日本の航空自衛隊からは、愛知県小牧基地の第401飛行隊に所属するC-130H(05-1084)1機のほか20名の要員が参加。アンダーセン空軍基地の格納庫で行われたクリスマスプレントの箱詰めにも参加しました。
プレゼントの箱には、各人がそれぞれメッセージやイラストを描きます。第401飛行隊から参加した自衛官は、地元である名古屋城の天守閣を描いたようです。
島々に贈られるプレゼントの内容は、おもちゃや学童用品のほか、保存食や医療用品、種や肥料といった農業資材に漁具、衣服など多種多様。離島にとって不足しがちな物品が集められています。
クリスマスということもあり、アメリカ空軍ではパイロットたちがサンタのコスプレをして搭乗。コックピット内にもクリスマスの飾り付けをして任務にあたります。
航空自衛隊もパイロットがサンタ帽を着用。コールサインに「SANTA〇〇(番号)」を用い、計器盤の上に小さなクリスマスツリーを飾って飛行しました。
第1の目的はボランティア活動ですが、名目が「作戦」となっているように、実際の任務に即した部分もあるのが「クリスマス・ドロップ作戦」の特徴。C-130輸送機を運用するもの同士、相互運用性を高めるため、乗員の交換をして共同で任務を遂行する訓練の側面もあります。
航空自衛隊のC-130Hにはアメリカ空軍のロードマスター(貨物取扱士)が乗り、第401飛行隊の乗員とともにプレゼントの投下作業を実施しました。貨物を投下する際には力を合わせ、心をひとつにして押し出します。
作戦を主導したアメリカ太平洋空軍によると、今回はミクロネシア連邦とパラオの57か所に209個のパッケージ、合計で7万5000ポンド(約34トン)ものプレゼントを投下したとのこと。この様子は在パラオ日本国大使館の公式Twitter(@OfPalau)でも報告されており、地元の人々にも喜ばれたようです。
12月4日(日)、#航空自衛隊 が参加する人道支援・災害救援共同訓練「クリスマス・ドロップ」がパラオ🇵🇼にて行われました。毎年クリスマス🎄の時期に恒例のこの訓練を間近で見ようと、多くの人々が集まりました! pic.twitter.com/I3m9dFo4yO
— 在パラオ日本国大使館(Embassy of Japan in Palau) (@OfPalau) December 5, 2022
<出典・引用>
航空自衛隊 ニュースリリース
アメリカ太平洋空軍 ニュースリリース
在パラオ日本国大使館公式Twitter(@OfPalau)
画像:USAF
(咲村珠樹)