「ラブライブ!サンシャイン!!」のAqours 2ndSingle 「恋になりたいAQUARIUM」のPVでモデルとなった沼津市三津にある「伊豆・三津シーパラダイス」周辺は、ラブライバーたちの聖地として人気をあつめていますが、もともとはアジの開きや桜エビなどの海産物で有名な場所。そこで、あるダイビングショップのオーナーがOPENしたパンケーキ屋さんが、ネット上をざわつかせています。

 シーラカンスの形をしたシェイプドパンケーキを販売している「しーらかんすCafe」さん。こちらのオーナーである矢島さんは、長野県生まれ。山に囲まれていたせいか海への憧れが強く、次第にダイビングに魅せられて遂には静岡県駿東郡清水町にダイビングスクール&ショップをOPENしたそうです。今年で開業して27年目となり、さらに通算8000ダイブを目前に「何か新しい目標を持とう!」と始めたのが「しーらかんすCafe」だったとか。



 お店は、沼津駅からタクシーで20分~30分ほど。バスも出ています。駿河湾を右手に眺めながら県道17号線を海沿いに進んで行き、内浦漁協を少し過ぎると、左手にかわいいお店が見えてきます。そこは車2、3台分ぐらいしか入らないような小さなスペース。セブンイレブン伊豆・三津シーパラダイス前店の向かいにありました。お店の前には、5人程度座れるイート・インスペースも完備され、ちょうど筆者が日曜日に訪れた際には、2、3人の客が、訪れていました。シーラカンスの形をした特徴的な形は一体、どのように生まれたのか、シーラカンスCafeの矢島伸浩さんに詳しく聞いてきました。



―もともとダイビングショップからCafe営業と全く業態が違いますが、生地の焼き方などはどこで勉強されたのですか?

東京のカッパ橋にある藤田道具さんで年に数回行われている「たい焼き実演講習会」で基礎から一連の流れを学びました。

―もっとも特徴的なシーラカンスの金型はどちらで製作されたのですか? 店頭においてある銀のシーラカンスは、もしかして金型の元ですか?!

金型の元になるシーラカンスの形は、自分(矢島さん)が粘土で作りました。鉄板は、オリジナルの焼き型を作ってくれるところを探し、富山県高岡市の鋳造所「北辰工業所」さんにお願いして作っていただきました。何回か作り直しをして約1カ月程かかりましたね。店頭においてある銀のシーラカンスの置物は、北辰工業所さんが店のオープン記念にと原型を元に作ってくれたものです。


―「たい焼き」ならぬ「シーラカンス焼き」にしようと思われたきっかけを教えてください。

ダイバーだからこそたてられる計画、30年の経験・スキルが活かされること、自分だけでなく、皆さんに喜んでもらえる何か…と考えていたところ、「そうだ シーラカンスに会いに行こう!」というコンセプトが浮かび、ダイビングとお客様を結びつけるエッセンスとして、食べ物にする方向で考えました。

―シーラカンスの目にあたる部分は、色が入っていますが、こちらは何を使用されているのですか?

今はあまり見かけないですが、昔はクッキーなどの飾りとして使用されていたドレンチェリーというものを使っています。目が黄色のドレンチェリーを使用しているものが、バナナ&ブラウンシュガー味。目が赤いものが、桜エビ&まろやかチーズ味になります。

―沼津は今、ラブライバーの方たちの人気スポットとなっているようですが、どのような方が来られるのですか?

ラブライバーの方も小学生から40代のご夫婦までと、とても幅広い様です。もちろん、聖地という事で、ラブライバーの方にもいらして頂いていますが、その他にも、バイクや自転車でツーリングをしに来られている方や、観光にいらっしゃっている方、さらに、地元の方々にもお越し頂いています。

―餡に、一般的なチョコレートやカスタードといったスタンダードな味ではなく、バナナを選んだのはなぜですか?

シーラカンスの餡にバナナを選んだのは、フィリピンのセブ島にジンベエザメを観にいった際に、食べたパンケーキを思い出し考案しました。その時は、型で挟んで焼くタイプのものではなく、普通のパンケーキの片面にバナナをのせて焼いたものでした。そのセブ島で食べたパンケーキがとても美味しかったので、帰国してから真似をして焼いてみたところ、バナナと接する生地面が生焼けとなってしまいうまくいかなかったため、両面が焼ける型焼きなら、十分中まで火が通るのではないか……ということで、型で焼くスタイルにしました。

 筆者が訪れたのは日曜日だったのですが、前日の土曜日には約120人の客が購入していったそうです。2種類のシェイプドパンケーキを食べてみたところ、バナナ&ブラウンシュガーは、自然の甘さと少しだけ酸味が効いて軽く食べられ、桜エビ&まろやかチーズは、甘じょっぱく、さらに桜エビのパリパリとした食感がクセになる味でした。客の中には、桜エビ味にハマりリピーターになる方ももちろんいるそうですよ!

 普通サイズが16㎝の「たい焼き」に対し、「シーラカンス」はなんと全長21㎝とのこと。最初は食べ切れるか不安だったのですが、厚みもちょうどよくペロリと平らげてしまいました。沼津に観光に行く予定のある方は、チェックしてみては?


<取材協力>
■しーらかんすCafe ※Cafeは正しくはフランス語表記。eの上に点がつきます。
https://www.facebook.com/ShapedPancake/
https://twitter.com/shirakansu_cafe
※バナナ&ブラウンシュガー、桜エビ&まろやかチーズは、通常は紙皿ではなく包み紙で提供しています。

■営業時間
主に土日の不定期営業のため、Facebook、Twitterで営業時間を随時告知。

■住所
410-0223 静岡県沼津市三津88-7
(セブンイレブン伊豆・三津シーパラダイス前店の向かい側)

■交通手段
【東海バス】
沼津駅→伊豆三津シーパラダイス
(所要時間:約36分/運賃740円)
【タクシー】
沼津駅→セブンイレブン伊豆・三津シーパラダイス前店
(所要時間:約20分~30分/約4100円程度)

(黒田芽以)