世界中の自動車メーカーが電気自動車を発表する中、マカオのリゾート「スタジオ・シティ」で電気自動車によるスタントショーが開幕。カースタントといえば屋外というイメージが強いのですが、排気ガスが出ない電気自動車の特徴を生かし、屋内アリーナを舞台にした世界初の試みです。

 古代フェニキア語で「輝く光」を意味する「エレクロン」と名付けられたこのカースタントショー。登場する車、バイク、飛行機といった乗り物はすべて電気で動くEVとなっています。車両はテスラ・モーターズが設計したシステムを搭載した特注品。これらがオリンピックの水泳競技で使用されるプールよりも狭い、わずか900平方メートルのアリーナを縦横無尽に走り回り、時にはジャンプまで行います。

 ショーはエルトン・ジョンやローリング・ストーンズ、U2、ビヨンセ&ジェイ・Zなどのツアーを手がけた世界的に有名なエンターテインメントデザイン集団、ストゥフィッシュと「スタジオ・シティ」を運営するメルコリゾーツ&エンターテインメントとのコラボレーションで実現しました。キャストは150人を超える国際的なパフォーマー、クリエイティブスペシャリスト、デザイナー、エンジニアで構成され、アリーナの限られた空間をファンタジーの世界に染め上げていきます。

 2019年1月24日の開幕前夜、23日に行われたワールドプレミアには、マカオ政府高官や著名人、VIPゲストらとともに、エレクロン・アンバサダーを務める俳優のショーン・ユーも登場。75分間のど迫力のショーに息を飲みました。

 物語の舞台は廃墟となった発電所。そこで希望の光「エレクロン」を求め、遊牧民の一団は時間と戦いながら強力な電気に立ち向かっていきます。スポーツカーやカスタムバギー、クワッド(4輪)バイクやトライアルバイクにFMX(フリースタイル・モトクロス)が高度なジャンプや片輪走行といったスタントを展開。炸裂する火花が興奮をかきたてます。クワッドバイクでのロング・ランプ・ジャンプのギネス世界記録を2度も樹立したカンガルーキッドのパフォーマンスは、このショーのハイライトのひとつです。

 火のついたEVポルシェがアリーナ内を走り回る中、高さ12メートルという巨大なプロジェクションスクリーンの上部から、ノルディックスキーのジャンプ台(35度)をはるかに超える65度の急傾斜をバイクやバギーが一気に駆け下り、観客席の数メートル手前でピタリと停止するのは見事の一言。世界一流のウイングウォーカー7名が主翼上でパフォーマンスする、複葉の電動飛行機が観衆に向かって飛ぶシーンでは、このショー最大の歓声が上がりました。

 メルコリゾーツ&エンターテインメントのローレンス・ホー会長兼CEOは「当社とマカオ政府にとっての挑戦はこれまで数多くありましたが、エレクロンは最新のものです。私は共同プロデューサーのストゥフィッシュがこの壮大なショーを実現してくれたこと、そして私たちの継続的なイノベーションに対するマカオ政府の熱心な支援に深く感謝します」と、この世界初の電気自動車による屋内型スタントショーについて語っています。

 エレクロン・アンバサダーを務める香港の俳優、ショーン・ユーさんは「すごい迫力でした!特別なショーになるだろうとはわかっていました。けれど、ものすごいスピードのスタントを目の前で見るとどんな気持ちになるか、これは想像すらできませんでした。まったく度肝を抜かれました!」と、ショーの興奮を語っています。

 この大迫力の電気自動車スタントショー「エレクロン」は、スタジオ・シティの公式サイトから予約可能。また、宿泊やその他のアクティビティがセットになったお得なパッケージも用意されています。

情報提供:メルコリゾーツ&エンターテインメント

(咲村珠樹)