中華レストラン「バーミヤン」の公式ツイッターから2月中旬、みじかい「お願い」が発信されていました。投稿内容は、それぞれ頭に記号のついたふたつの単語とハッシュタグに続くひとことのみ。この機会に「ぜひ」という強い思いを感じる投稿に注目しました。

 桃がモチーフのロゴマークでおなじみのバーミヤンは、国内のファミリーレストラン事業を担当する「株式会社すかいらーくレストランツ」のブランド。株式会社すかいらーくレストランツは、東京都武蔵野市に本部を構え、国内および台湾に、ファミリーレストラン、ブッフェレストラン、各種施設内の飲食店、洋菓子・洋惣菜専門店などの事業展開している「すかいらーくグループ」のグループ会社のひとつです。

 「#(ハッシュタグ)ぜひ知ってほしいこと」。「× バーミアン」「○バーミヤン」投稿はこれで全部、たったこれだけです。言いたいことはバーミアンではない「バーミヤン」であることをぜひ知ってほしいということ。

 3行だけでしかもうち2行は単語という、驚異のみじかさですが、みじかいからこそ端的です。バーミヤン公式の鬼気迫るほどの切なる思いが伝わってくるようです。声を大にして、バーミ「ヤ」ンであることを知ってほしいにちがいありません。多くの従業員のみなさんが、おそらくかなりの期間においてバーミアンと呼ばれ続けて忸怩(じくじ)たる思いをしてはグッとこらえてきたのでしょう。

 ネットからは「ごめんなさい」「バミりたくなった(バーミヤンに行きたくなった)」「大好き」といった熱いメッセージが次々と寄せられています。その他にもカンちがいしがちな社名がいくつか見受けられましたので、まとめてみたいと思います。もし間ちがって覚えてしまっていたら、カンちがいされて悲しい思いをしている……かもしれない……従業員のみなさんのためにも、この機会にそっと覚え直してみませんか。

 キューピーではない「キユーピー株式会社」、シャチハタではない「シヤチハタ株式会社」、そしてキャノンではない「キヤノン株式会社」。由来はそれぞれですが、共通しているのは「拗音(ようおん)ではない」ということですね。バーミヤンと似た例では、サイゼリアではない「株式会社サイゼリヤ」。中華とイタリアンのちがいこそあれ、アではない「ヤ」繋がりですね。ファミリーレストランという営業形態も両者の共通点です。

 こどもの名前、ペットの名前、社名、店名、バンド名……名づけるという作業は、特別でどこか厳かな瞬間ではないでしょうか。名前に込める思いはひとそれぞれですが、いい加減につけることはあまりないと思います。例えいい加減につけたとしても、それすらエピソードになってしまうことも。人はなぜ名前にこだわりや強い愛着を持つのでしょうか。そう思い返してみると名前ってなんとも不思議なものではありませんか。

<出典・引用>
バーミヤン 【公式】(@bamiyan_CP)
※画像はバーミヤン公式Twitterアカウントのスクリーンショットです。

(山口さゆり)