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デスクが一瞬でジュラ紀化? お茶目な「恐竜ディスペンサー」

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 ティラノサウルスが仰向けになって、必至に車輪をこいでいるかのようなテープディスペンサー(ティラノサウルス)(2600円)。その不格好な姿とリアルな造形のギャップがなんとも可愛らしい。そのほかにもデスクキーパーやステープラー、スマホスタンド、傘立などバリエーションも豊富です。

  •  こちらは、ホームファニシング及びガーデン用品の企画販売をしているセトクラフトさんが制作する「リアルな造形の恐竜雑貨シリーズ DINOSAUR DESKTOP ITEM SERIES」から発売されているもの。文具店やネットショップで買うことができます。

     恐竜好きな男性や子どもはもちろんのこと、意外にも若い女性に「可愛い!」と大変好評とか。その見た目のインパクトに衝動買いされる方も多いそうです。「恐竜を作るからには恐竜好きやマニアでも納得いくリアルな造形を目指しました。ですがコレクタブルなフィギュアではなく雑貨ですので、少しユーモアな部分も取り入れてデザインしました。基本、肉食恐竜は凶暴に、草食恐竜は優しい感じに製作しています」とセトクラフトさん。

     こちらが商品化されたきっかけを伺ったところ「リアルな恐竜雑貨が巷にあまり無い事と、もともと動物で展開していた商品を恐竜で作ってみたら、迫力やインパクトがあって面白いのではないかと思い製作しました」とのこと。しかし、テープディスペンサー(ティラノサウルス)に関しては、立ったままの姿ではデザインを落とし込めなかったそうで、苦肉の策によりティラノサウルスが仰向けに倒れているようなデザインになったそうです。それが功を奏してか、本来怖い印象のある恐竜が一気にお茶目に見えるというギャップが好評をよんでいるとか。セトクラフトさん曰く「裏ストーリーとして、テープディスペンサーのトリケラトプスに突かれて、すっ転んでいる情景です」と、これまたクスッとしてしまうおどけたストーリーも可愛らしいですね。

     実際に文房具として使用する時に気になるのが、その強度。あまりにも細長かったり、繊細な作りだったりすると、すぐ壊れてしまいます。セトクラフトさん曰く、尻尾や角に関しては多少太めに造形し、体と一体化して強度を高めているそうです。また、ティラノサウルスの小さな手は、デザインを損なわないように固まり状にしているとのこと。その他では、スマホスタンドのヴェロキラプトルの腕も、土台と一体化して強度を出しつつ違和感が無いようデザインしているとか。肉食恐竜の鋭いキバを一本一本再現しようとすると、壊れやすくなってしまうため一体で作られているそうです。セトクラフトさん曰く「傘立てのブラキオサウルスは首が長いので、パッケージサイズを大きくしないよう首は別体で、ボルトで組立式になっています」とのことでした。




     制作期間としては、粘土の造形に2週間ほどかかり、商品完成形のサンプルにするにはトータルで1アイテム1ヶ月半程かかるそうです。恐竜シリーズは、図面も原型も彩色も全て手作業で行っており、CADや3Dプリンター等は使っていないというのですから、かなりの手間暇がかかっていることがわかりました。

     恐竜のリアルさにこだわっている分、やたらと重いなど使い勝手が悪くなっているのでは?と思い、ズバリ聞いてみたところ、ティラノサウルスは約550グラム、トリケラトプスは約770グラムと、トリケラトプスは普通のテープディスペンサー並に重量があるそうなのですが、ティラノサウルスはトリケラトプスに比べ細身なので軽めとのこと。意外にも見た目とは違い、普通の文房具の重さと変わりませんでした。

     「ティラノサウルスとトリケラトプスは人気恐竜なのと、顔だけの商品デザインにしてもどのような恐竜か分りやすいので、必ずアイテムに落とし込むつもりでしたが、トリケラトプスは角が邪魔で危ないのと口が大きく開かないので、ステープラーにする事は断念しました」と、文房具にする際の苦労もあったようです。さらに、商品化してからわかることも多かったそうで、認知度の低いヴェロキラプトルという恐竜をモデルにしたところ、同じような造形のティラノサウルスと見分けが付かず「なんで同じ恐竜が2種類あるのか?」と誤解されることもあったとか。

     最後に、今後恐竜シリーズに続く第二弾はありますか?と聞いたところ「既存の商品の動向を観察しながら今後開発して行きたいと思っています。恐竜の種類ですとプテラノドンやパラサウロロフス、スピノサウルス、アンキロサウルスは独特の形なので今後作ってみたいです」と構想を語って下さいました。

    <記事化協力>
    セトクラフト株式会社(HP:setocraft.co.jp

    (黒田芽以)

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